mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

得点圏の牧秀悟選手に贈る言葉





昨日の山崎伊織投手は言ってみれば平常運転だったと思う。


8回で2安打、1四球と抑えこまれたが、5回裏先頭の牧秀悟のツーベースヒットから1人置いて(嗚呼)宮﨑敏郎が右方向におっつけて打ったタイムリーヒットで一時は1-1の同点となる得点を挙げた。



結局、ヒットはこの2本だけだったので、非常に効率の良い攻撃をした、とポジティブに捉えておこう。


ハマちゃんは、4回、得意の先頭打者へのストレートのフォアボールの後、復調気配でこの日ファーストに入った大城選手にライトの頭を越えるタイムリーツーベースを打たれて失点。


それ以外はまずまず纏まったピッチングをしたと思う。


6回、83球、被安打4、奪三振7、与四球2、失点1のQSなので、先発として試合を作ったと言って良い。


このイニング数、球数で交代させられるのは、やはり4回のように突然崩れる可能性があることを首脳陣が不安視している証だろう。



この日は、継投で登板した3人のリリーバーのうち2人が失点したので、結果論としてはもう一回引っ張るべきだったという意見も出るだろうが、確率的には采配の誤りとは言えないと思う。


それにしても、2点目となった山崎伊織のツーベースは痛かった。


中川虎大はバッティングの良い山崎投手に3球続けてフォークボールを投げ、徐々にタイミングがあってくる中で最後に一番甘いコースに入ってしまった。


中川投手が首を振って投じた3球目のフォークだったので、戸柱捕手は危機を察知していたのだと思うが、1-2と投手有利のカウントだったので、ここはやはりボールになっても良いので厳しいところに投げ切るべきだ。


本人の勉強になってくれれば良いのだが。


最終回に長野選手の1500本目の安打をタイムリーにしてお祝いしてしまった坂本裕哉投手もなんだかフワッとしていた。


エイヤッという感じで投げ込むボールは制球がアバウトで、本塁打製造機と言われていた頃の投球に戻っているような感があった。


ビハインドで最終回ということもあり、モチベーションの問題があったのかも知れないが、結果は常に自分の評価に返ってくるので、もう一度、初心にかえって頑張って欲しい。


ということで、1-3で迎えた最終回の攻撃だったが、思いのほか頑張った。


マウンド上はクローザーのバルドナード投手だったが、桑原将志が高めのストレートを叩いてレフト前ヒットで出塁すると、度会隆輝も150キロ台半ばの高めのストレートを左方向に打ち返して出塁。



さらに、タイラー・オースティンもレフトの右に鋭い打球を飛ばして1点を返した。


レフトが打球処理にもたつく間にオースティンはセカンドに進み、一死二、三塁と一打サヨナラのチャンス。


ここで、打席には4番の牧秀悟ということで、普通であれば大いに期待できる場面なのだが、牧秀悟のサヨナラ打というのは見た記憶がない。


ここで決めれば勝つ、という場面では気負ってしまい凡退することが多いのだ。


特に、今期は得点圏打率 .190であり、要するに五回に一回くらいしか打てないのだ。


一死二、三塁でサードランナーは鈍足ではない度会隆輝ということなので、三振か内野フライでなければ得点の可能性は高い。つまり、ボテボテのゴロでも普通サイズの外野フライでもよいのだが、それが打てない。


4番、キャプテンの自分で決めなくては、という想いが強すぎて打ち気に逸ってしまう。


そして相手バッテリーはそれを冷静に見ている。


この時点の心理戦で既に結果は出ているようなものだ。


この打席では、1-0から内角低めの変化球、内角高めのストレートにいずれも手を出してファウルとし、1-2と追い込まれてしまった。


狙い球を絞る、という心の余裕もなかったように見えた。


そして、最後は外角低めのボールからボールになるチェンジアップに手を出して空振り三振。


続く筒香嘉智も2-2と追い込まれてからボール球を当てだだけのようなレフトフライとしてゲームセット。


筒香の方はもっと深刻だ。バッティングの形になっていない打席が多過ぎる。


実績のある打者なので、いずれはNPBの投手に合わせてくるとは思うのだが、それまでの時間をどのように過ごすのかがAクラス争いに明け暮れるチームの運営上悩ましいところだ。


さて、牧秀悟君の問題だが、これはもう明らかにメンタルです。


色んなものを背負い込んで、闘牛士の赤いマントに全速で突っ込んでいく猛牛のように周りも自分も見えなくなってしまっている。


彼に必要なことは、勝負どころで普段のままのバッティングをする落ち着きや、自分を客観視する冷静さだろう。


そんな、得点圏の牧秀悟君に先人の言葉を贈りたい。




“兵法の道において、心の持ちようは平常の心と変わってはならない。


平常のときも戦いのときも少しも変わらず、心を広く素直にして、緊張しすぎず、少しも弛まず、心に偏りがないように、心を真中におき、心を静かに揺るがせて、その揺るぎのなかにも一瞬たりとも揺るぎを失わないように、よくよく吟味すべきである” 


宮本武蔵






“ありきたりですけど、楽しむしかない。不安や恐怖や追い詰められた気持ちを楽しむ”


羽生善治