mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ルーキーコンビの活躍の後は 逃げ切りでぇーす





日曜日の中日戦で完封負けを喫したことで打線が冷え込んでいるかという危惧を持っていたが、そんな心配は杞憂に終わったようだ。


ヒット13本を放つなど、特に序盤戦は打線が活発で6点を挙げた。


しかし、その後は満塁のチャンスで一本が出ず、15残塁を記録するなどもどかしい場面の連続だった。


好機を逸すると相手に流れが渡ると言うのが野球というスポーツの通例だが、今日もその通りの展開となり、4回終わって6-0の楽勝ムードが終わってみれば6-4の接戦。


しかも、当社のリリーバーたちは常に走者を背負うピッチングとなり、追いつかれなかった幸運に感謝するほどの苦しい終盤となった。


勝ったからまあ良いか、とも言っていられないほどブルペンの台所事情は厳しくなっているようだ。



ベイスターズの先発は交流戦最後の試合となった6月16日の西武戦でマダックスを達成したルーキーの石田裕太郎投手。


今日も初回から精度の高いコントロールでしっかり打者と対峙している姿が印象的だった。


先頭の丸山選手を低めのフォークボールで3球三振に打ちとると、宮本選手にはヒットを許したが、続くオスナ、村上はいずれも外野フライでことなきを得た。


2回には5番サンタナからの打順を三者凡退に抑え、自軍の攻撃のリズムを作った。



この辺りが、石田投手の援護点が多い理由だろう。


彼は、「野手の皆さんが点を取ってくれて感謝しています」としばしば言っており、それは本人の素直な感想なのだろうが、援護点は彼自身のリズムの良い投球が呼び込んでいるという面も確かにあると思う。


2回裏の攻撃では、一死から山本祐大が8球粘ってフルカウントから泳ぎながらもレフトへヒットを放った。


続く京田陽太はこのところ打撃好調だが、元来、ヤクルト先発の吉村投手には相性が良く、この打席でも2-0の打者有利なカウントからライトの横を破るツーベースヒット。


さらに、石田裕太郎が三振に倒れた後、桑原将志が死球で二死満塁となったところで、これまた好調の度会隆輝が打席に入った。


度会選手はENEOS在籍時に吉村投手(当時東芝)と対戦した経験があり、また、吉村投手がENEOSの補強選手として都市対抗に出場した際にはチームメイトでもあった。


プライベートでも仲の良い2人は対戦を楽しみにしていたようだ。


センター前ヒットを放った第一打席に続いて、この打席でも度会選手に軍配が上がった。


0-1からの152キロのアウトハイのストレートを逆らわずに左方向に打ち返し、レフトの左を抜ける2点タイムリーツーベースヒット。



同じくルーキーの石田裕太郎に先制点をプレゼントして盛り立てた。


先制点をもらった石田投手は直後の3回表、先頭の中村悠平選手にヒットを打たれ、その後、珍しく四球もあって二死一、二塁となって怖いオスナ選手を打席に迎えるというピンチに直面したが、2-2からショートゴロに打ちとり無失点で切り抜けた。


4回表は村上選手から始まる好打順を三者凡退に打ちとり、再び味方の攻撃にリズムを作った。


特に、この回の二人目の打者、サンタナ選手に1-2から投じて見逃し三振に抑えたストレートは右打者のアウトコースギリギリの所に決まったもので、石田裕太郎という投手が何故勝てるのかを自ら示すようなベストピッチだった。


その裏の攻撃、ベイスターズは先頭の京田陽太がヒットで出塁し、石田三振の後、桑原のヒットで一死一、二塁としたところで再び度会隆輝に打席が回ってくる。


今度は2球で追い込まれた後のフォークボールを上手くバットに乗せ、ライトを守る宮本選手の前に落ちる2打席連続のタイムリーヒットとした。


3打席目で早くも猛打賞を達成したが、左、中、右と広角に打ち分けたバッティングは気負いも少なく、球に逆らわずに対応できているという進化の賜物なのだ。


その後も、ベイスターズ打線の勢いはなかなか止まらず、タイラー・オースティンのレフト前ヒットで1点追加。


完全に詰まった当たりだったが、振り抜いた打球はショートの頭上を超えた。



さらに、佐野恵太の引っ張った当たりはゴロで一塁線を抜けていく2点タイムリーツーベースとなり、4回終了時点で6-0と大勝のムードが漂った。


しかし、リーグ屈指の強力打線を誇るスワローズを抑えるのはやはり容易ではない。


五回には石田裕太郎が二死満塁からオスナ選手に2点タイムリーヒットを打たれ、まず6-2とされた。


なおもピンチは続いて打席には村上選手を迎えたが、ここは石田投手が踏ん張ってサードファウルフライに抑えた。



球数が80を超え、抜けるボールも目立ち始めた石田裕太郎はこの回まで。


6回から継投に入ったが、冒頭に書いたようにここからが大変だった。


2番手の京山投手は先頭打者のサンタナ選手を歩かせてしまい、不穏な雰囲気。


その後、ゲッツーを狙って焦った牧秀悟の暴投で失点し、不運な内野安打などもあって京山はこの回途中で降板。


一死一、三塁のピンチで登板した3番手の坂本裕哉は犠牲フライでさらに1点を失ったもののなんとか最小限の被害で留めた。


4番手の中川虎大もランナーを背負う不安定な投球だったが、7回、8回を無失点で抑えた。


リリーバーは結果が全て、という意味では良い仕事をしたというべきだろう。


投球までの間合いを長くとるなど、リズムを変えてピンチを凌いだ投球術は彼の成長の証でもあるように感じた。


そして、両チームとも再三のチャンスで得点することができず6-4のまま迎えた最終回は久しぶりに森原康平がマウンドに上がった。


その森原も先頭打者をストレートのフォアボールで歩かせ、嫌な感じしかしなかったが、オスナ選手の併殺打で救われた。


最後は村上選手を空振り(ハーフスイング)の三振に打ちとりゲームセット。


スッキリしない勝ちだったが、勝ちは勝ちだ。


試合後のヒーローインタビューは度会隆輝と石田裕太郎のルーキーコンビ。



新人の勝利投手と同じく新人の勝利打点という組み合わせは、1958年以来、球団としては66年ぶりの快挙とのこと。


(石田投手)

“(度会は)僕が投げるときに打ってくれるのでありがたい。


次も勝って新記録を目指したい”


(度会選手)


”一日一日、目の前のチームを倒せば(広島との)ゲーム差は縮まっていく“


久しぶりに度会選手の”最高でえーす“が小雨混じりの横浜の夜に響き渡り、頭の痛いブルペン問題はひとまず忘れ去られた。