今のベイスターズ救援投手陣は耐える時だが伸びしろが大きい
首位攻防戦と言う触れ込みで始まったジャイアンツとの3連戦は、初戦の僅差を守りきれずに惜敗し、第二戦はチーム力の差が出て完敗した。
いずれも先発投手は試合を作ったが、救援投手が打ち込まれての敗戦。
山﨑康晃、伊勢大夢、上茶谷大河、入江大生、ウェンデルケンと言う実績のある主力のリリーバー達が全て故障や不調で登録を抹消されると言う非常事態の中、徳山壮磨、坂本裕哉、京山将弥、中川虎大といった若手と森原康平の奮闘でなんとかブルペンを支えてきた。
しかし、彼らも慣れない勝ちパターンでの連投の中で疲弊し、中川投手と森原投手以外は打ち込まれる場面が目立ってきた。
当然、テコ入れが必要ということになり、試合後の三浦監督のコメントでは、炎上した松本凌人を抹消して山﨑康晃を一軍に合流させる、と言う手を打つようだ。
山﨑康晃は昨日のイースタンリーグ日本ハム戦の9回に登板して、スティーブンソン選手にヒット一本は打たれたものの彼らしい4者凡退に抑えた。
ストレートの最速は152キロを記録し、球速だけを見れば状態は回復しつつあるようだ。
彼自身がツーシームと呼んでいる鋭く落ちる変化球が代名詞だが、対戦相手の対策は既にかなり進んでおり、やはり、アウトローに投げ込む強いストレートが生命線となる。
今日の試合の先発投手はアンソニー・ケイ、このところ安定した投球を見せているので、好調のジャイアンツ打線を6回までは3点以内で抑えてくれるのではないかと期待している。
もし、その時点でわずかながらもリードしている、あるいは僅差のビハインドと言うことであれば、山﨑康晃から中川虎大、そして森原康平と言う現時点で考えられるベストの継投で勝ちを取りに行くだろう。
9連戦の最中であるため、明日の月曜日からホームでのカープ3連戦が控えており、残り4連戦でこの勝ちパターンを起用できるのは恐らく2〜3回。
その使い時を間違えずに2〜3勝することができれば、9連戦を5勝4敗あるいは6勝3敗と勝ち越して終わることができる。
逆に言えば、1、2試合は無理に勝ちに行かずにリリーバーの起用を自重する判断が必要になりそうだ。
負けず嫌いの三浦さんがその判断を下せるかどうか。
いや、今季はアナリスト達の発言力が増して合議制になっているようなので、合理的なマネジメントをしてくれることだろう。
先発ローテーションと打線に関してはある程度安定して力を出すことができていることで、ベイスターズはなんとか首位争いあるいはAクラス争い(今のところこの二つはほとんど同じものとなっている)に踏み止まっている。
しかし、ブルペンに関しては、ライバルチームにかなり水をあけられている状況で、チームの脆弱性となっている。
このまま救援陣が破綻してしまえば、首位争いから早々に脱落し、昨年より明らかにチーム力の向上しているドラゴンズにも抜かれる可能性が高い。
とは言っても、私はあまり悲観的には考えていない。
21日のヤクルト戦で前半戦は終了し、オールスターとその後の休みを挟んで後半戦が再開するのは26日だ。
今日一軍に合流する山﨑康晃に続いて、ウェンデルケンと上茶谷がイースタンリーグで登板する予定だ。
後半戦ではこの実力者たち3人がブルペンの柱になってくれるだろう。
そして、8月中にはミニキャンプを終えた伊勢大夢とクリーニング手術から復帰する入江大生が戻ってくる。
その時点でのベイスターズ救援陣の構成を考えてみよう。
セットアッパーの選択肢として伊勢大夢、入江大生、中川虎大
左のワンポイントとして坂本裕哉と石川達也
クローザー兼セットアッパーとして山﨑康晃、ウェンデルケン、森原康平
さらに、現在は調子を落としている徳山壮磨、京山将弥、ローワン・ウィックが八月中に復調してくる可能性も高い。
ここで名前を挙げた11人の投手達が比較的フレッシュな状態で正念場の九月を向かえることができれば、終盤にロングスパートをかけることが出来る。
逆に、今、勝ちパターンを固定して安定した戦いが出来ているライバルチームは終盤に苦しくなる可能性もある。
前半戦に主力のリリーフ陣が全員離脱すると言う緊急事態に陥ったベイスターズだったが、その間にはからずも新たな中継ぎ投手の発掘と彼らの経験値の獲得を進めることができた。
今になって見れば、これは焼畑農業のようなものだったのではないか。
現存勢力がいなくなり焼け野原となった大地から新しい草木が生え、地味が増した。
これから、以前にも増して強力なブルペンが再構築されていく近未来が見えるようだ。
いや、確かに見えて来た。
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