mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

オースティンの劇的サヨナラ弾で全ベイが震えた こう言う野球の何が悪いのだ





今週はカープに負け越し、ジャイアンツとの初戦が台風で中止になった後、第二戦は孝行息子の石田裕ちゃん初の炎上など二桁失点で惨敗。


カープとの第三戦は勝つべきゲームではあったが、クローザーの森原康平が逆転サヨナラホームランを被弾して敗戦。


9連敗の後、立て直しを図るベイスターズだが、どうも宜しくない状況である。



2連敗で迎えた日曜日のジャイアンツ戦、復調の予感のあるアンソニー・ケイと前回は完封を許した菅野智之の先発という事で投手戦が予想される。


菅野投手は復活したストレートにフォークボールやカットボールなど多彩な変化球を操り、流石の投球術で隙を見せない。5回まで梶原昴希の2本のヒットと林琢真のセーフティバントのみ。


対するケイ投手は力強いストレートで押すものの、四死球も出しており、6回までほぼ毎回ランナーを許す苦しい展開。しかし、考えてみれば、これが彼の平常運転かも知れない。



試合が動いたのは6回裏。


この回先頭の梶原昴希が菅野の内角高めの変化球を上手くタメてから巻き込むようなスイングでジャストミート(余談ですが、これは和製英語のようで、アメリカの方にこの言葉を言うと「ただ会っただけ」と思われるようですね)。


打球は鋭いライナーとなってライトスタンドに突き刺さった、先制ソロホームランだ。


フェンス直撃かと思ったが予想以上に伸びた。梶原は長打もあると言うことを思い出すような一発だった。



8月の打率は4割を超えており、オースティン、佐野恵太に続く月間MVPも狙える状況だ。


このまま順調にキャリアを伸ばして行くことができれば、本当にソフトバンクの柳田選手のように走攻守揃ったスターになることも夢では無いだろう。


ベイスターズベンチはこの1点を守り切って勝つと言うプランを立て7回から継投に入る。


7回のウェンデルケンは何とか無失点で切り抜けたが、8回に伊勢大夢が四球でノーアウトの走者を許し、代わった山﨑康晃が二死一塁フルカウントから坂本勇人選手にレフト左のツーベースを打たれてスタートを切っていた一塁走者の吉川選手が長躯ホームイン。


1-1の同点に追いつかれた。


長打だけは回避するために三塁線に寄っていたサード京田陽太の右を抜けた速いゴロに左中間を詰めていたレフト佐野恵太が追いつくのが遅れ、さらにショートへの返球も逸れてしまい1点を失った。


1点を守るのであればレフトは関根に変えるべき、佐野は一塁走者がサードで止まるものと決めてかかっていたのではないか、これだからベイスターズは接戦を勝ちきれない、とか様々な批判が聞こえてくる。


しかし、我々ファンは知っている、これもベイスターズなのだ。


ベイスターズの野球からこういう所をなくせと言うのは、ドーナツを消して穴だけ残せ、と言うようなもので、非常に難しい。


その後、ゲームは1-1のまま延長に入り、ブルペン勝負は不利と感じていたが、ローワン・ウィックが10回と11回を回またぎで無失点に抑えると言う素晴らしい働きを見せてくれた。


一時は炎上することもあったウィック投手だが、ナックルカーブが決まるようになって元来威力のあった150キロ台後半のストレートが生きてきた。


三振奪取率が高いことからも近い将来勝ちパターンの座を狙えると思う。


そして11回裏。


1番から始まる前の回を大勢投手が5球で抑えていたため、回またぎで来るかと思ったが、マウンドには平内投手。


阿部監督は未だスパートの時期ではない、と言う判断なのだろう。


打席にはこの日3三振の4番タイラー・オースティン。


全てのベイスターズファンが祈った。


打ってくれ。


ここで試合を決めてくれ。


そしてその祈りの通り、彼は打った。



アウトローを狙ったストレートが真ん中高めに浮いた失投をノーステップの鋭いスイング一振りで仕留め、打った瞬間にそれとわかるライナーのホームランは理想的な放物線を描いて左中間スタンド中段に吸い込まれていった。


その瞬間、スタジアムは熱狂と絶叫に包まれ、ダイヤモンドを一周してホームインするタイラー・オースティンには氷水がかけられた。


ベンチの全員が飛び出してきてヒーローに飛びつく。


涙がこぼれそうになった。



そう、これもベイスターズの野球なのだ。


こう言う野球が好きでベイスターズを長年応援している。


そつの無い野球をして欲しいと思うこともしばしばあるが、それだったらカープの応援でもすれば良い、と自分を戒める。


自分も含めこの不器用だが魅力的なチームのファンの皆に次の言葉を送りたい。




“愛とは相手に変わることを要求せず、相手をありのままに受け入れることだ” ディエゴ・ファブリ