横浜の空高く 高く どこまでも高く
エース戸郷翔征投手と4番岡本和真選手の活躍で首位ジャイアンツに惨敗した東京ドームでの試合から一夜明け、今日は横浜スタジアムに好調タイガースを迎えて試合が行われる。
少しそっとしておいて欲しい、などとは言っていられないのだ。
The show must go on なのだ。
そうだ、もう一度勇気を振り絞って I can fly, my friends と言ってやるのだ。
と言うことで、有無を言わさず試合が始まった。
タイガース先発の西勇輝投手は前回登板(9月8日)から10日以上あいたせいか、いつもの精緻なコントロールを欠いた立ち上がりだった。
2回裏、オースティン、宮崎の連打と筒香の四球で無死満塁のチャンスを作ると、“無死満塁は最初のバッターが一番大事なので積極的に行った”と言う伊藤光が2-1からの4球目、アウトコースやや高目のカットボールをセンター前に運んで2点先制。
さらに、3回裏にも牧、佐野の連打の後、4番タイラー・オースティンが西投手の真ん中付近のシュートを完璧に捉えてバックスクリーン左へのスリーランホームラン。
これで今日は楽な試合展開になるか、と一瞬喜んだが、そう簡単に行かないのが優勝を争うチームの底力というものなのだろう。
ベイスターズ先発の森唯斗は3回までヒット一本に抑えていたが、5-0とリードしてもらった4回、先頭の森下選手の初球をデッドボールとしてから急に崩れ、3本のヒットで3点を失った。
森投手は打順が2巡目に入ると打ち込まれることが多いように思う。やはり、中継ぎの方が適性があるのではないだろうか?
二死一塁で坂本裕哉にスイッチしたが、彼もヒット2本でさらに1点を失い、5-4と1点差まで詰め寄られた。
しかし、ここで追いつかれなかったのは幸いだった。
直後の4回裏、先頭の森敬斗が四球で出塁し、さらに二盗を決めると坂本裕哉にかわる代打東妻純平がタイガース3番手の島本投手から左中間を破るタイムリーツーベースヒットを放ち、6-4とリードを広げる。
プロ入り5年目にして初打席となる代打の出番で初ヒット、初打点を挙げた。
ファームでも打率以上に勝負強いバッティングを見せていたが、それを初出場でいきなり見せてくれた。
それでも試合はなかなか落ち着かない。
5回表に登板した3番手の中川颯が3本のヒットを浴びて1点を失い、6-5と再び1点差に迫られる。
流れを変えたのは6回に登板した伊勢大夢。
島田、近本、中野を三者凡退に抑えて再びベイスターズのペースに戻すことに成功した。
伊勢投手はシーズン終盤になってやっと彼本来の威力のあるストレートが戻りつつあると感じる。
特に、中野選手から見逃し三振を奪ったインローに決まる150キロのストレートはまさに伊勢らしいボールだった。ここに来て実績のある彼が勝ちパターンに戻って来てくれたのは大きい。
さらに、7回もウィック投手が森下、大山、佐藤のクリーンアップを三者凡退に抑えてベイスターズの攻撃のリズムを作った。
ジョーカー的に中継ぎで投入されたビーズリー投手の回またぎの投球に対して、一死二塁から宮﨑敏郎がライト右の一番深いところにライナーで運ぶタイムリーツーベースで7-5と点差を広げた。
そして、続く筒香嘉智の2-1からの4球目、インコースからやや真ん中に入った変化球を見事に捉え、ライトスタンド上段に届くツーランホームランで9-5と試合を再び支配することに成功した。
打った瞬間にホームランとわかる素晴らしい打球は、筒香嘉智が天性のホームランバッターであることを思い出させるのに十分なものだった。
その後、このところ乱調気味のウェンデルケンが二死満塁のピンチを作るも8回を何とか無失点で切り抜け、最終回は森原康平1点を失ったものの最後の打者梅野選手を低めのフォークボールで空振り三振に打ちとりゲームセット。
マツダスタジアムの試合でカープがジャイアンツに敗れたため、ベイスターズはほぼ2ヶ月ぶりに3位に返り咲いた。
試合を決めた筒香嘉智のホームランは約3ヶ月ぶりの7号で、筒香がホームランを打った試合は勝つ、というジンクスも継続することになった。
明日のベイスターズ打線は、タイガース先発の青柳投手対策として左打者を並べることになると思うので、得点圏での筒香選手の活躍が鍵になるような予感がする。
アメリカの投手とのタイミングの差や自身の怪我(肋骨の疲労骨折)もありなかなか思うような成績の残せていない復帰1年目だが、これからシーズン最終盤の十数試合でその鬱憤を晴らすような打撃を見せてくれれば、チームは目に見えて勢いづくことだろう。
今の筒香嘉智は一番多くのホームランを打つ選手ではない。
しかし、私にとって、ホームランを打ったら一番嬉しい選手が筒香であることは間違いない。
それは、10年前も今も全く変わってはいないのだ。
横浜の空高く、ホームランかっ飛ばせ、ツツゴー!
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