今年初めての1-0完封リレーは今一番欲しかった勝ち方だ
負ければ優勝の可能性が完全に消滅するという巨人戦
“今日は相手が戸郷だからどうせだめでしゅよ”
私は朝から繰り返しそのようにつぶやいて敵の油断を誘うのに余念がなかった。
その甲斐あってか、1-0でベイスターズが勝利をおさめた。
3回裏ベイスターズの攻撃、いやその前から話した方が良いだろう。
2回裏ノーアウト満塁のビッグチャンスを無得点で終え流れがジャイアンツに向きかねないところ、ベイスターズ先発のアンドレ・ジャクソンが3回表のジャイアンツの攻撃を三者連続三振でねじ伏せた。
この好投が攻撃のリズムを生み出した。
ベイスターズの攻撃はこのところヒットが出ていない梶原昴希から始まる。
梶原は0-1からの2球目、落ち切らずにストライクゾーンに残った戸郷投手のフォークボールをうまくすくってライト前に運ぶ久々のヒット。
さらに梶原は次打者牧秀悟の打席、4球目のフォークのタイミングで二盗を決め、牧のライトフライの際にタッチアップして三塁まで進んだ。
一死三塁で打席に入った3番佐野恵太は外角高めのボールを叩きつけるように引っ張って、高いバウンドのセカンドゴロ。
ジャイアンツの守備隊形からして、あそこにあの打球を打てば梶原は十分にホームに戻ってくることができる、それを見越した佐野恵太の味わい深い一打だった。
この1点が両チームを通じて今日の試合で唯一の得点。
梶原選手は三振が多く四球が少ないため、ヒットが出なくなるとトップバッターとして機能しなくなる。
ここ数試合はその状況が続いていたが、今日の得点のように、彼がヒットから盗塁、隙のない進塁、そして本塁突入という形で虎の子の得点を挙げてくれると、やはり我慢して使いたいという三浦さんの気持ちもよく分かる。
この活躍で再び覚醒し、残り9試合でも先陣を切って暴れ回ってくれることを切に願う。
そして、この得点を活かして勝ち切ったのはジャクソン、伊勢、ウィック、森原の4投手。
ジャクソン投手は最速154キロの球威のあるストレートが高低投げ分けて決まっていたし、カットボール、ナックルカーブ、チェンジアップという持ち球を操り、どれでもストライクがとれる状態だった。
そして、先発でマスクを被った戸柱捕手の配球もジャクソン投手のアドバンテージを上手く引き出すことに成功していた。
6回、92球、被安打2、奪三振6、与四死球2
という内容で7回も続投かと思われたが、早めに伊勢投手に切り替えた。
一昨日の逆転負けの際に東克樹を引っ張りすぎたことの反動だったかも知れないが、ひょっとすると、ジャクソン投手の球数を抑えて中4日で30日のタイガース戦にあてるという深謀遠慮があったのかも知れない。
伊勢大夢は先頭の大城選手に初球のストレートを簡単にセンターに打ち返されたが、その後、坂本、モンテス、門脇を打ちとり無失点で切り抜けた。
佐野の好守に助けられた側面もあったが、ファームでの再調整以降は彼らしい力のあるストレートを軸に安定したピッチングを続けている。
8回はウィック投手。
こちらも最速156キロの空振りの取れるストレートが軸だが、140キロ台中盤の小さく鋭く曲がるカットボールもかなり有効だ。
加えて、落差が大きくブレーキの効いたナックルカーブでも空振りが取れる。
ここに来て、強力なセットアッパーとしての地位を固めつつある。
9回の森原康平は四球の走者に盗塁でセカンドまで進むことを許したが、岡本和真、モンテスの2人をいずれもワンバウンドする低めのフォークボールで三振に打ちとるなどで無失点に抑えた。
1-0という薄氷を踏むかのような僅差の勝利だったが、結局、
“勝ちゃ、えんよ”。
今日ベイスターズが勝って、カープは得意のマツダスタジアムでのスワローズ戦に敗れたため、4位とのゲーム差を1.5に拡げたことになる。
そして、優勝についても首の皮一枚繋がった。
残り9試合、そのうち2試合が首位ジャイアンツとの対戦で、3試合が対タイガースとの対戦となっている。
相手の先発も山﨑伊織、才木宏人、再びの戸郷翔征、高橋遙人という一線級の投手ばかりだ。
そう考えると4位カープとの差が1.5というのは未だまだ予断を許さない状況だと言える。
恐らく選手たちも首脳陣も既にCSが始まっているかのような意気込みで1試合1試合を戦って行くだろうし、我々ファンもCSに出たチームを応援するかのような気持ちで日々を送るべきなのだろう。
この最終盤に緊迫した試合を戦えることに感謝しよう。
頑張れベイスターズ!





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