ケイが好投 記憶の中の筒香嘉智が帰ってきた
交流戦の最初のカードを勝ち越すことができたのは、アンソニー・ケイの安定したピッチングのおかげだ。
150キロ台半ばのストレートとカットボールそしてスイーパーと球威も制球も申し分なく、楽天打線を寄せ付けなかった。
唯一のピンチは7回で、一死から石上泰輝がなんでもないショートゴロをファンブルして出塁を許し、さらに二死となった後に山本祐大が当たり損ねのキャッチャーゴロを悪送球して二、三塁となった場面。
しかし、ここでもケイ投手はいらつくことなく次打者、代打の伊藤裕季也をサードゴロに仕留めた。
毎試合のようにショートがエラーするのも困ったものだが、山本祐大の送球が不安定なのはここのところ常態化しており、チームにとって大きな問題となる可能性がある。
昨年の骨折の影響もあるのかも知れないが、松尾汐恩とのチーム内競争が焦りの原因になっているような気もする。
ともかく、昨年のポストシーズン以降、ケイ投手はメンタル面が安定して、それが投球の安定感につながっているように思う。
日本に来てからストレートの球速も数キロ上がったようでもあるし、彼にとってベイスターズでの経験はキャリアアップ(NPBに残るにしろMLBに戻るにしろ)のきっかけとなったはずだ。
裏を返せば、現在のDeNAのアナリストたちやコーチングスタッフたちは素晴らしい能力を発揮してくれているということになる。
彼らの働きは我々ファンには直接は見えないので、こうした形で推察することしかできないが、これは球団の大きな資産だと思う。
今日のケイ投手は7回、自身最多の114球を投げ、被安打3、奪三振6、与四球0、失点0という内容だった。
これで通算5勝2敗となって同僚のジャクソン投手と並び、防御率は1.02でリーグトップを堅持している。
ありがた山の寒がらす
打線の方は不調のオースティン選手を外して、松尾汐恩を2番DHで起用したが、ノーヒットに終わった。
1番から4番は佐野恵太のヒットが一本あっただけで、それ以外は四球等の出塁もなし、と全く機能していなかった。
しかし、その代わりに5番宮﨑敏郎と6番筒香嘉智がどちらもマルチヒットで打線を牽引した。
先制した2回には、一死から宮﨑選手が三遊間を破るヒットで出塁し、筒香嘉智が左中間へツーベースで続いた。
逆方向に強く打つ、我々の記憶の中に鮮明に残っている筒香嘉智の打撃が戻ってきているのは嬉しい限りだ。
そして宮﨑敏郎は全力疾走で一塁から長駆ホームまで戻ってきた。
思っていたより速い、というのが実感だった。
この2人が起爆剤となり、その後、度会隆輝のヒット、山本祐大の犠牲フライ、そして石上泰輝のタイムリーと続いてこの回合計3得点を挙げて主導権を握った。
得点にはつながらなかったが、筒香選手は7回にもツーベースを放った。
ケイ投手の好投がこの打線の働きに支えられたという面もあっただろう。
さらに9回、宮﨑敏郎がツーベースで出塁し、続く筒香嘉智は申告敬遠、そしてワイルドピッチで二、三塁となったところで度会隆輝も申告敬遠。
無死満塁で楽天内野陣が前進守備を敷く中、山本祐大の打球はあまり勢いのないショートゴロだったが、守備も良い新人ドラフト1位の宗山選手が逆シングルで捕球しようとしたところ弾いてしまった。
恐らく、ホームに突っ込む三走が目に入り、捕球時点で送球を強く意識してしまったのだろう。
グラブで弾いたボールはサードベース後方のファウルゾーンに転がり、三走の梶原選手はもちろん柴田選手も生還して5-0と試合を決めた。
宮﨑選手と筒香選手にそれぞれ代走を出しておいたことが奏功するとともに、三塁ベースコーチの河田さんの指示が的確だった。
彼の存在が得点に直接結びついているのを見るのは今季なん度目だろうか。
8回は伊勢大夢、9回は宮城滝汰がそれぞれ無失点で抑え、ウィック投手と入江投手を温存しながら完封リレーで勝ち切ったのも文句なし。
久々の地方球場での勝利で交流戦最初のカードを2勝1敗と勝ち越した。
首位の阪神が負けないためゲーム差は縮まらないが、この時期は順位よりも貯金を増やすことに専念すれば良い。
Go, Baystars!







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