M78星雲から逆転満塁ホームランを打つために来た男
昨日は初回に2本の内野安打で32イニングぶりに得点を挙げ、その3点をエース東克樹の粘投と伊勢大夢、入江大生の継投でまもりきって連敗を4で止めた。
久しぶりに得点を挙げ、久しぶりに勝ちはしたものの、スミ3のまま追加点のとれない打線はまだまだ不調を脱していない。
そして今日は、このところ勝てていないとは言え間違いなくNPBを代表する投手の1人である髙橋宏斗がドラゴンズの先発だ。
対するベイスターズの先発は石田祐太郎、なんとか粘っている間に先制点を挙げたいなどと都合の良いことを考えていたところ、初回、先頭の上林選手に一発を喰らって早くもその目論見は崩れた。
1-1からの3球目に投じたストレートはやや内角よりだがベルト付近の甘いコースに入り、打った瞬間にやられたと思う当たりだった。
その後は井上絢登のファインプレイなどもあり最小失点で切り抜けたが、ドラゴンズの先発が髙橋投手であることを考えると、0-1で敗れた日曜日の試合を思い出させる立ち上がりだった。
その裏のベイスターズの攻撃。
1番佐野恵太が三振、2番度会隆輝は内野ゴロでなすすべもなく二死となり、3番宮﨑敏郎も高いバウンドのサードゴロで、ああ、やっぱりと思った瞬間、小フライのように高いバウンドが照明と重なりサードは捕球出来なかった。
横浜スタジアムのLED照明では時折見かけるシーンだが、この試合でサードを守っていた佐藤選手は今季途中までパリーグでプレイしており、不慣れだったのかも知れない。
続く牧秀悟はヒット、松尾汐恩は四球でそれぞれ出塁して二死満塁のチャンスとなった。
ここで打席に立ったのは今日一軍に昇格したばかりの井上絢登選手。
開幕時には一軍にいたが、出場機会のないまま選手登録を抹消されたため、今日が今季初出場ということになる。
ファームでは58試合に出場して、打率は.266ながらホームラン8本と長打力のあるところを見せている。
その井上選手に対して、髙橋投手は初球から二つ続けてスプリットを投じた。
ワンバウンドした1球目を見送り、2球目を空振り。
この空振りを見てバッテリーは大丈夫だと判断したのか、3球目も同じスプリットを選択した。
これがストライクゾーン低めに残るやや甘い球となった。
2球目の空振りの後、井上選手はうなづいているようだったが、球筋がわかったということだったのだろうか。
思い切りすくい上げた打球は素晴らしい放物線を描いて既に歓喜に揺れているライトスタンドに吸い込まれていった。
今季初打席でプロ初本塁打、しかもそれが球界を代表する投手の髙橋宏斗からの逆転満塁ホームランという非常に価値のある一発となった。
井上選手はその後の2打席ではバッティングをさせてもらえず、いずれも3球目をハーフスイングして三振という結果だった。
次の課題はボールになる低めの変化球をきっちり見送ることだろう。
援護点をもらった石田祐太郎はその後は自分のリズムを取り戻したようで快調に投げていたが、4回先頭のボスラー選手に失投を捉えられあわや場外という特大のソロホームランを浴びた。
そして、7回再び先頭のボスラー選手に二塁打を打たれたところで降板。
ボスラー選手の速いゴロはファースト正面だったが、アンツーカーの切れ目で大きく跳ね、佐野恵太の顔の斜め上あたりを通過していった。
不運な当たりではあったが、この回ランナーを出したら代えると決めて伊勢大夢に準備させていたようだ。
代わった伊勢投手も山本選手にやや不運な内野安打を許して無死一、三塁となり、板山選手の犠牲フライで1点を返された。
しかし、その後は落ち着いて後続を断ち、8回はローワン・ウィック、9回は入江大生がヒットを許しながらも無失点で抑えて4-3のまま逃げ切った。
今日の石田祐太郎は6回0/3、89球、被安打4、奪三振8、失点3のQSでローテーション投手としての役割は果たしたと思う。
投球のテンポが良く、イニング数を上回る数の三振を奪っている点も首脳陣にとっては好印象だと思う。
バウアー投手が抹消されていることもあり、来週のヤクルト戦でも先発として起用されることになるだろう。
ヒーローインタビューは2023年ドラフト同期の石田祐太郎と井上絢登の二人。
この年のドラフトでは1位の度会隆輝が新人ながら開幕戦で逆転ホームランを放つなどで脚光を浴び、続いて5位の石田祐太郎が4勝を挙げマダックスも達成した。
そして、今季に入って3位の石上泰輝が先日のサヨナラ打でお立ち台に上がるなど注目されたが、一歩出遅れた感のあったドラフト6位の井上選手がやっと強打者としてのポテンシャルの高さを見せてくれた。
井上選手はヒーローインタビューの冒頭で人差し指を高く上げて
「うちゅー」
と叫び、一体なんのことかと思ったが、宇宙というのがチーム内での彼のニックネームらしい。
本人曰く、行動や発言が宇宙人っぽいと思われているので、宇宙と呼ばれているとのこと。
ベイスターズに入団した初代の宇宙人は井納翔一さんだったが、彼はジャイアンツ移籍後、張り切ってグラウンドに出ようとしたところベンチの天井に頭をぶつけて欠場した、ということを当時の原辰徳監督が仰っていた。
井上選手も同じ星の人なのだろうか。
地球の危機を救うためにM78星雲の光の国からウルトラマンがやってきたように、貧打に喘ぐチームを救うためにM78星雲の光の国の隣にある横須賀から井上絢登がやってきたのかも知れない。
逆転満塁ホームランと二つの三球三振という両極端な今日の打席を踏まえて、これからの井上選手の起用法を考えるのは首脳陣の宿題になりそうだ。
これで2連勝となり、6カードぶりの勝ち越しを決めて勝率5割に復帰した。
勢いをつけて週末の阪神戦に臨むために大事な明日の第三戦は2021年ドラフト1位の小園健太が先発予定だ。
昨年の初先発で苦い思い出の残る中日戦だが、自分を信じて思い切り腕を振って欲しい。
新人にいきなり18番は荷が重いなどという批判もあったが、背番号が投手を作るということだってあるだろう。
自分にはそれだけの価値があると信じ込むことから成功への道は始まるのだ。
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