未来への架け橋となった三連勝
ベイスターズの主力は今や決して若いとは言えない。
2017年に日本シリーズに出場した時、若手ながら中心選手だった筒香嘉智(当時25歳)、桑原将志(同24歳)、宮﨑敏郎(28歳)、山﨑康晃(25歳)等は昨年の日本一にも貢献したメンバーだが、等しく8つの歳を重ねている(当たり前だ)。
いつまでも若く溌剌としているイメージの桑原将志も今年で32歳、宮﨑敏郎は12月で37歳になる。
2017年は未だ入団していなかったかあるいは入団していてもチーム内のポジションを確立できていなかった世代も、佐野恵太や大貫晋一が今年31歳になり、東克樹も30歳の大台にのる。
そう、DeNAベイスターズになってから活躍してきた選手たちはもう若くはないのだ。
そして、若手からの突き上げは他のチームと比べて少し遅れている印象を私はもっていた。
このままだと、ここで名前を挙げた選手たちの加齢とともにチームが低迷期を迎えてしまう、という漠然とした危機感があった。
しかし、東京ドームで3連続完封負けを喫した先週末からV字回復を遂げて3連勝を飾ったドラゴンズとのカードではベイスターズの未来につながる若手の躍動と中堅・ベテランの安定感のある仕事ぶりが噛み合って、未来につながる架け橋の姿が見えてきた。
若手では、なんと言っても、第二戦でのプロ初ホームランが逆転満塁弾となり、第三戦でも弾丸ライナーのタイムリーと体勢を崩されながらスライダーをスタンドインさせる怪力を見せてくれた井上絢登。
未だ荒削りなバッティングはこれからマークされると難しい時期もあるだろうが、相手バッテリーの対策を上回る精進で乗り越えて行って欲しい。
そして、第三戦で初勝利を挙げた小園健太は初回ツーアウトから先制スリーランを打たれ、不要な四球も多いという課題はあったが、不調のツーシームからスライダーを軸にした投球に切り替えて修正するという引き出しを見せた。
圧倒的な長所のあるわけではない彼に期待するのは「勝てる投手」になること。
そのためには、打者との駆け引き、緩急をつけて打者に思うようなスイングをさせない投球術、そして昨日のように試合途中で投球スタイルやフォームを変える修正力などピッチャーとしての総合力で勝負できるようになることが必要だ。
2021年にドラフト1位で入団してから、故障がありメンタル面も含めて迷走した時期もあったが、4年間の雌伏の時間にこうした総合力をつけてきたことが見える投球内容だった。
そして、彼が一流の仲間入りをするために欠かせないのは、回転数の高いストレスをコーナーにズバッと決める、それをいつでもできるコマンドの力を身につけることだろう。
昨日の試合でもアウトコースのストレートで見逃し三振をとった場面があったが、あのボールの再現性を高めることができれば、ローテーションの一角に定着して二桁勝利を挙げることも夢ではないと思う。
小園投手とバッテリーを組んだ松尾汐恩も一軍の捕手としての立場を築きつつある。
昨日の一回裏、牧秀悟が三振に倒れて1得点で終わりそうになった場面で、追加点を挙げる勝負強い打撃を見せてくれた。
交流戦後半からバッティングの調子をやや落としている感があるが(DHでの起用からやや強引なバッティングが目立つ)、昨日のように、内容はともかく結果が出れば上向いてくることだろう。
彼のバッティングはそう信じるに足る実力がある。
バッティングのセンスと言えば、度会隆輝は世代を代表するバッターになる資質があるし、今季は苦しんでいる梶原昴希も必ず復調してくれるだろう。
森敬斗だって、ホテルデートをやめて林琢真とのレギュラー争いに集中してくれれば、持て余し気味の身体能力を発揮できるはずだ。
もちろん、27歳にしてすでにチームの顔となっている牧秀悟は少なくとも今後5年はチームの柱となるはずだ。
彼と同期のドラフト1位で今年からクローザーを務める入江大生は、この3連戦でも二つのセーブをあげており、森原康平と山﨑康晃の穴を完全に埋めている。
そして、昨日の第三戦でいずれも猛打賞を記録した桑原将志と佐野恵太の活躍は、上に挙げた期待の若手たちが成長してチームを担うようになるまでにベテランと中堅が果たすべき役割をしっかりと見せてくれた。
ベイスターズの未来の具体像はまだはっきりとは見えない。
しかし、そこにつながる架け橋を見せてくれた3連戦だった。
今日から対戦する首位タイガースは難敵だが、躍動する若手達が相手バッテリーの主軸打者への対策に隙を作るような相乗効果に期待しよう。
そうした取り組みがベイスターズの架け橋の姿を明らかにしていってくれるはずだ。
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