クライマックスシリーズという特典映像が始まった
2016年10月8日ベイスターズが球団史上初めてクライマックスシリーズに出場した。
当時、クライマックスシリーズに出場したことのない球団はベイスターズだけだったと記憶している。
第1戦は、梶谷、筒香、ロペスのホームランでベイスターズが勝利。
一敗後、第3戦も勝利してセカンドステージ進出を決めた。
いわゆる暗黒時代が終わったとはっきり認識できたのはあの年だった。
あれから9年。
クライマックスシリーズ出場は今年で7回目となり、それは目標ではなく最低限だ、というベイスターズファンも見かけるようになった。
まさに隔世の感がある。
私は、ここ数年、あくまでもリーグ戦が本編であり、ポストシーズンの試合は特典映像だと思うようにしている。
2025年シーズンの本編は既に終了しており、ベイスターズは2位という成績で確定している。
もちろん、昨年のようにポストシーズンで最高の試合と勝利を見ることができれば、我々ファンにとって素晴らしいことだが、意に反して早めに敗退したとしても文句を言う筋合いではない。
特典映像なのだから。
以上のようなことを前提として、負ければ終わりのクライマックスシリーズについて、このブログでも記事を残していきたいと思う。
ファーストステージ第1戦はホーム横浜スタジアムに読売ジャイアンツを迎え、雨の中で始まった。
レフト側ウィング席を除いて360度がベイスターズファンで青く染まった光景は壮観だったが、2016年の初戦に東京ドームのほぼ半分がビジターで埋まったのを見て感激した身としては、ジャイアンツファンに少なからず申し訳ないような気持ちもある。
ベイスターズの先発はアンソニー・ケイ。
球威、対ジャイアンツの成績のどちらで見ても、初戦を任せる投手として彼以上の選手はいない。
今日も、難しいコンディションの中、平均球速が150キロを優に超えるストレートとツーシーム、そしてカットボールを駆使して危なげない立ち上がりを見せてくれた。
最初のピンチは2回、先頭の岡本選手を警戒しすぎて歩かせ、相性の悪い岸田選手もついでに歩かせてしまい無死一、二塁となる。
若林選手があっさり送って一死二、三塁、まあ1点は仕方ないかと言うシチュエーションだったが、続くリチャード選手が2球目の高めのボールをミスショットしてセカンドフライに終わったことが今日の試合の最初のポイントだった。
二死となり、8番の吉川選手を申告敬遠して山崎投手を三振に打ちとりスリーアウト。
このピンチを無失点で切り抜けたことで、流れがベイスターズに傾いた。
直後の2回裏、先頭の4番筒香嘉智が内角を続けたツーボールの後、外角高めに浮いたスライダーを完璧に捉えてライトスタンドへの先制ホームラン。
短期決戦の初戦における先制点の重要性は言うまでもない。
さらに、3回にも先頭の林琢真のレフト前ヒットを起点として蝦名達夫そしてまたもや筒香嘉智のタイムリーヒットで2点を追加した。
しかし、このままベイスターズに流れで試合が進むかと思った4回表、ケイ投手は苦手としている岸田選手に初ヒットを許すと、続く若林選手にレフトスタンド最前列に届くツーランホームランを許してしまう。
これで3-2とリードは1点に縮まった。
失投とは言えない真ん中低めのストレートだったが、やや安易にストライクをとりに行ってしまったと言う感じはあった。
追い上げられる嫌な展開を覚悟したが、ここでチームを救ったのは再び筒香嘉智だった。
6回裏一死走者なし、フルカウントからの7球目、アウトハイに逃げていくストレートはゾーンいっぱいか少し外れていたかも知れない。
少し遅れ気味で振り出したバットはこのボールをしっかり捉え、大きな飛球がレフト方向に伸びて行った。
切れるなよ、と思わず声を出したが、打球はレフトポールを直撃する今日2本目のホームラン。
これでスコアは4-2となり、再びリードを広げることができた。
その後、8回表には同じ横浜スタジアムでジャイアンツ相手に5失点を喫した伊勢大夢が上位打線を三者凡退に抑えて雪辱を果たすと、直後の攻撃で無死満塁から牧秀悟の復帰後初ヒットなどで2点を加えた。
最後は、ここに来て最も安定感のあるリリーバー、森原康平が4番からの打順を7球で三者凡退として6-2のスコアのままゲームセット。
ベイスターズとしては、“してやったり”の勝利となった。
明日の先発はアンドレ・ジャクソン、やや制球が不安定だが、球威は折り紙付きだ。
明日もまた精いっぱい応援して、この特典映像が続く限り楽しもう。
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