エーと昨日の試合は、あっ、昨日のことはもういい?
気を取り直してマツダスタジアムで迎えた今日の対カープ最終戦。
ベイスターズの先発はようやく目醒めたドラフト1位、即戦力右腕の竹田祐投手。
対するカープはこれまた新人左腕の高投手を起用したが、これまで彼には抑え込まれている印象だ。
昨夜の悪夢を払拭するためにも、自力で2位を確定させるためにも、3度目の対戦となる今日こそは何とか攻略したい。
しかし、最初に失点したのは竹田投手の方だった。
初回一死から大盛選手がヒットで出塁し、さらに二盗を決められた後に二死まできたところで真ん中高めに甘く入ったカーブを4番モンテロ選手にレフト前に運ばれて先制を許した。
しかしその直後の2回表、石上泰輝のヒットから竹田選手の四球などもあり二死満塁となったところで好調の蝦名達夫が押し出しの四球を選んだ。
これで1-1の同点。
その後、高投手はビシエド選手の痛烈なピッチャー返しが右のスネに当たって負傷交代。
しかし、緊急登板した高橋投手にベイスターズ打線は抑え込まれる。
竹田祐はいつもに比べてストレートが来ていない感じだったが、多彩な変化球を丁寧にコースに決めて追加点を許さない。
ベストな状態ではなかったと思うが、それでもスミ1のみの6回1失点。
89球、被安打4、奪三振3、与四球1のHQは新人とは思えない大人の投球だった。
そして、竹田投手の降板直後の七回表、4番手の菊地ハルン投手(身長2mの新人)から林琢真の四球、代打マイク・フォードのヒットと蝦名達夫の進塁打(リクエストで判定が覆されて併殺崩れ)で二死一、三塁となって桑原将志がセオリー通りショートの頭上を超えるヒットで2-1と逆転に成功。
これで竹田投手の5勝目の権利が生じたわけだが、その裏、移籍後初めてリリーバーとして登板した藤浪晋太郎が乱調でヒット、死球、暴投、三振、四球で一死満塁とピンチを広げて降板。
代わった坂本裕哉が中村選手に犠牲フライを打たれて2-2の同点にされてしまった。
無論、坂本投手を責めるわけにはいかない。
むしろ1点で済んだことを喜ぶべき局面だった。
藤浪投手のリリーバーとしての起用はCSに向けて必要な一手だったが、今日のところは見通しが立たなかった。
この時点で神宮球場のスワローズ対ジャイアンツの試合も4-4の同点、これはCSホーム開催はスワローズが勝つか引き分けという他力本願になるかと思っていた8回表。
カープのマウンドに2023年ドラフト1位常廣投手が上がり、先頭のビシエド選手がピッチャーゴロに倒れてから、それは始まった。
佐野恵太 センター前ヒット 一死一塁
山本祐大 ライトへのツーベース 一死二、三塁
石上泰輝 ライト前への2点タイムリーヒット 4-2となりなおも一死一塁
林琢真 ショートへの内野安打 一死一、二塁
代打度会隆輝 三遊間を破るタイムリーヒット 5-2となり再び一死一、二塁
蝦名達夫 一邪飛 二死一、二塁
桑原将志 レフト前ヒット 二死満塁
筒香嘉智 レフトオーバーのツーベースで走者一掃 8-2とリーを広げなおも二死二塁のチャンス
ビシエド 死球 二死一、二塁(筒香に代走柴田竜拓)
神里和毅 左中間真ん中を破る2点タイムリースリーベース 10-2 二死三塁
山本祐大 ライトフライでスリーアウト
この回、打者12人の猛攻で8点を奪い、10-2と試合を完全に決定づけた。
CSホーム開催を目指す各打者の集中力が生み出した素晴らしい連打だったが、分岐点となったのはやはり均衡を破った石上泰輝のヒットだった。
常廣投手のフォークボールを読み切っていたかのように鋭くライトに打ち返した打撃は文句なしの一打だった。
このところスタメンショートでの起用が続いている2年目の若手、石上選手にかけてあげたい言葉は、
“これは本命候補でしょ”
“なんか、顔つき変わった?”
“泥臭い仕事もこなして一皮むけた”
“期待感しかないでしょ”
“単純にいい人そうなんだよな”
など24の例文がある(他意はありません)。
その後、8回は中川虎大、9回は石田裕太郎がいずれも三者凡退で締めて10-2のまま勝ち切った。
これでベイスターズの2位が確定し、CSファーストステージは横浜スタジアムで開催されることとなった。
141試合を終えて、70勝65敗6分の貯金5、4年連続での70勝は球団初(これが自慢すべきことかどうかは私たちそれぞれが考えましょう)。
仕事の速いベイスターズ広報は、CSのハマスタ開催に向けて、全横浜でブチあがれ!! というスローガンを大書したポスターをホームページにアップした(集合写真に牧と宮﨑は入っているが、バウアーとウィックはいない、などということは今は見ないようにしよう)。
そして、全横浜のブチあがり、は今日、8回表一死から始まっているのだ。