今週に入って、先発投手の安定感が際立ってきた。
9月9日 アンソニー・ケイ 7回無失点 HQS
9月10日 東克樹 5回1失点
9月11日 石田祐太郎 7回2失点 HQS
そして今日
9月12日 アンドレ・ジャクソン 7回無失点 HQS
他チームのローテーション投手たちが疲れのために苦戦する中、我が社の先発陣は再び信頼すべき柱になってきた。
今シーズン最も月間勝率の高かった5月も同様の状況だったが、あの頃のローテーションから大貫晋一とトレバー・バウアーの抜けた穴を竹田祐と藤浪晋太郎が見事に埋めてくれている。
竹田投手は今年のドラフト1位で大社卒の即戦力右腕だが、ファームでも炎上することが多くドラ1とは思えないなどと酷評されていたが、シーズン終盤になってとうとう地力を発揮し始めた感がある。
そして、7月補強した藤浪投手はやはり流石の実力だった。
攻守にわたってチームに貢献しているビシエド選手も同時期の補強であり、球団編成はしっかりと仕事をしていると改めて感じる。
さて、今日のジャクソン投手だが、ポイントは先週金曜日と同じスワローズを相手にするにあたって捕手を山本祐大から松尾汐恩に代えてきたことだったように思う。
初回からスワローズ打線がストレートを狙ってきていることを踏まえて、変化球を織り交ぜるようになったが、今日はその変化球でストライクがとれていたことがジャクソン投手の好投の要因だったと思う。
そして、松尾捕手の配球に特徴として、割合は高くないものの、要所で使ったナックルカーブが良いアクセントになっていた。
8月1日以来の勝利ということで少し間が空いてしまったが、ジャクソン投手はこれで10勝(6敗)となり、ベイスターズの外国人投手としては、2017年のジョー・ウィーランド(10勝2敗)、2023年のトレバー・バウアー(10勝4敗)に次ぐ3人目の二桁勝利達成となった。
今シーズンは恐らく残り2試合(19日の阪神戦と26日の巨人戦)に先発することになると思うので、どちらかで勝利がつけば外国人投手最高となる11勝目を挙げることとなる。
今日の状態を見れば、2連勝で12勝という可能性も十分にあると思うので、狙って行って欲しい。
そして、それは2位浮上を目指すチームのためにも最高の結果となるはずだ。
今日は打線も先制、中押し、ダメ押しと猛威をふるい、10対2で完勝した。
何といっても、初回二死から、筒香嘉智のフォアボールに続いて、ダヤン・ビシエド、佐野恵太、松尾汐恩の3連打で2点を先制した攻撃が見事だった。
ヤクルト先発の高梨投手はツーアウトまで完璧だったが、前回対戦で同点ソロを被弾し敗戦に繋がった筒香嘉智選手を警戒して歩かせたところからわずかに制球が不安定になった。
とは言っても、むしろ、ビシエド選手がおっつけて鋭いゴロで一二塁間を破ったヒットやシフトの逆手をとった佐野恵太の技ありの一打、そしてインコースのボールをつかりながらも振り切ってレフト左に持っていった松尾汐恩の思い切りの良いバッティングを褒めるべきであり、高梨投手のボールが特に悪いという印象はなかった。
ビシエド選手は3回にも先頭の筒香嘉智のレフトオーバーのツーベースヒットに続いて前の打席と同じように一、二塁間を破るヒットでチャンスを広げており、つなぎの4番として十分に機能している。
ビシエド選手はこれで打率.290、長打率.452と数字も改善しており、これでもう少し四球が選べるようになれば(ここまで一つのみ)、恐らく膝の状態が万全ではないオースティン選手の穴を埋める存在として文句のない成績となる。
私がもう一人注目したのは9点差の9回裏に登板した山﨑康晃投手。
宮城投手を参考にしたという大きなカーブをかなり使った投球で、先頭の村上選手をサードライナー、続くオスナ選手を空振り三振に打ちとった。
際どいコースがボール判定となったが、アウトローに投げ込む糸を引くようなストレートが150キロを計測していたのも良い印象を残した。
これは新しいモードに生まれ変わった山﨑康晃か、などと思っていると、しかし、続く内山選手への初球、カーブがインコースのベルト付近に高さに甘く入ってしまい、思い切りすくい上げられてソロホームランを被弾した。
次の古賀選手にもヒットを打たれてしまったが、最後は最終回にマウンドにも上がった北村二塁手をサードゴロに打ちとってゲームセット。
山﨑康晃投手をもっと厳しい場面で起用できるかどうか、という判断は今日の投球内容だけから判断するのは難しいということになりそうだ
しかし、ファームでも連打されていた数ヶ月前の状態に比べれば、随分と希望が湧いてくるような進化を見せていると思ったのも確かだ。
今のブルペン内での序列は山崎投手自身も良く理解していると思うので、どんな場面でも精一杯腕を振り、ここからもう一度ベンチの信頼を勝ち取り、目標の250セーブ達成を目指して行って欲しい。
9月に入ってこれで7勝3敗として、試合のなかった2位ジャイアンツとのゲーム差は1.0となった。
借金を完済してリーグ戦を完了するためには、残り14試合を8勝6敗以上の成績で乗り切る必要がある。
ここに来て投打がかみ合って来たチーム状況を考えると、決して無理な数字ではないと思う。
まずは、明日の先発、竹田祐投手が三度好投を見せ、前回の雪辱を果たしてヤクルト先発の山野投手に投げ勝つことを期待しよう。
そして、明日が終われば、今度は、日曜日の藤浪投手、月曜日の平良拳太郎投手(実はこの巨人との直接対決、中5日でアンソニー・ケイを起用する勝負手をうってくるのではないかと密かに期待している)にも、やはり、一戦必勝の想いで頑張ってもらいたい。