mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

今年勝つためのショートと3年後に勝つためのショート



このブログでは、これまで野手に関しては主に打線と言う視点でいくつか書いてきたが、ポジション別に見るとショートとキャッチャーを誰にするのかが大変悩ましい。


どちらのポジションも、現時点でベストの選択と将来に向けた起用が異なり、そして、どちらの場合も決定的なアドバンテージがあるオプションがはっきりしていない。


キャッチャーについてはいずれまた書くこととして、今日はショートについて整理してみる。下の表は、昨シーズン、ベイスターズでショートを守った選手たちの守備そして攻撃の成績の概要だ。






ショートは内野守備の花形ということもあり、一般的には守備的ポジションと考えられるので、まずこちらから見てみる。


私が漠然と名手と考えていた大和選手や柴田選手の守備の指標UZR(ここでは、出場試合数の差異を補正するために、1000イニングで規格化したUZR1000を用いた)がマイナスとなっており、決して良くないことが目につく。


彼らのUZRが低い主な理由は守備範囲(RngR)が狭いことにある。そして、守備範囲という意味では若手の森敬斗選手が突出して良い。ただし、彼はミスが多いことで指標を押し下げてしまっている(ErrR)。


イニング数は22と少ないが、最も守備指標が良いのが田中俊太選手というのも意外だった。そして、以前は色々と批判の対象となっていた倉本選手の守備は改善していて、100イニング以上守備機会のあった選手の中では最も良い。


代わって、攻撃面では、知野選手のOPSが高いが、イニング数が少ないのと他ポジションを守る機会の方が多かったので、ここではあまり着目しないこととする。


出場試合数の多かった選手の中では、打率、出塁率ともに柴田選手と大和選手が比較的良い。柴田選手のWARが高いのは、この点と二塁守備によるものだろう。


他方、守備指標の良かった田中俊太選手と倉本選手の打撃は低調で、レギュラーになるにはかなりの改善が必要となる。


今年勝つために誰をショートにすべきかという問題が大変悩ましいということがお分かりいただけると思う。


強いて言えば、出塁率の高い柴田選手をメインで使うのが一番安定するだろうということだ。しかし、彼は左ピッチャーに対する打率が以前から極端に悪く、相手の先発投手が左腕の場合を考えて誰かと併用することが必要と考えられる。


ところが、上に挙げた各選手の左投手に対する打率が皆低いのだ。大和選手がギリギリ2割打っているものの、他は1割台かそれ以下だ。

唯一の例外は田中俊太選手で、右投手に対する打率が低いのに対して、左投手の場合に打率は他の候補よりかなり良い(打席数が少ないので、あまり過大評価できないが)。


と言うことで、今年勝つためのショートという意味で私の提案は次のようなものとなる。


・相手先発投手が右腕である場合には柴田選手

・左腕の場合には大和選手あるいは田中俊太


大和選手は年齢的にショートは厳しくなったと言う声も聞かれるが、試合数を制限すればまだまだ名手の技を見せつけてくれるだろう。


田中俊太選手はシーズン終盤には入団直後のような目立った活躍は見られなかったが、左腕キラーと言う意外な位置付けで復権できるかも知れない。是非頑張って欲しい。


柴田選手は恐らく今シーズンの主力遊撃手になるだろう。

セカンドとのかけ持ちがなくなればショートとしての守備指標も良化することが期待できる。そして、彼本来の選球眼を生かして高い出塁率を確保するためにも、左投手への対策を練って欲しい。


さて、3年後はどうだろう。


現状では、森敬斗選手が期待を一身に受けている。守備面での彼の課題は明確で、確実性を上げると言うことに尽きる。そして、これは、経験と慣れによって改善できるものだと思う。


私の予想では、彼はまず今シーズン中に守備の指標が良化して、本来の守備範囲の広さと強肩を活かすことでプロとしてお金の取れる遊撃手になるのではないかと思う。そして、今シーズンは、守備固めと代走をこなしながら、打席に入る機会を増やし、来年レギュラーを手に入れると言うのが理想だと思う。


今年のドラフト3位で粟飯原選手が入り、同期の田部選手もいることから、彼らと切磋琢磨し、どんどん自分にプレッシャーをかけて頑張って欲しい。その細くて長い道が3年後の勝てるショートにつながって行くことを切に願っている。


誰よりも自分が自分の活躍に期待しています。自信がなければこの場にいません。プレッシャーがかかる選手であることが誇りです イチロー