mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

鯨が星になった日から30年後の今日 日本一を夢見る



10月7日 CSファーストステージ前日


ちょうど30年前の今日、1992年10月7日、横浜スタジアムでシーズン最終戦が行われた。


当時の親会社であった大洋漁業(現マルハニチロ)の主要部門であった捕鯨が規制により衰退していることから、会社自体も鯨離れの転換を行う一環としてチーム名からも鯨(ホエールズ)の言葉を外そうと言うことが既に決定されており、この日が大洋ホエールズの最後の試合となった。


この試合は、長年にわたってエースとしてチームを支えてきた遠藤一彦さんの引退試合でもあった。


遠藤投手はこの日先発として最後のマウンドに上がり、予定された2回を無失点に抑えた。


当時はジャイアンツに在籍していた駒田さんをストレートで三振に打ちとったシーンがあり、伝家の宝刀フォークボールもよく落ちていて、まだ行けると言う声もあった。


しかし、本人によれば、これは最後の馬鹿力だったとの由。球団からの戦力外通告の後、恩師の関根潤三元監督から「大洋の遠藤で終わっていいんじゃないか」と言われたことで踏ん切りがついたそうだ。


川崎から横浜に本拠地を移転した年に東海大から入団した遠藤さんが、その15年後、大洋ホエールズ最後の試合で引退すると言うのも何かの因縁だろう。



私事だが、私はいまだに遠藤さんの背番号24のユニフォームを持っている。


10年ほど前、ある居酒屋で遠藤さんをお見かけしたことがあり、現役時代と全く変わらないスリムな体型を維持されていることに驚いた。


ご友人と楽しそうに飲んでいらっしゃったので声をかけることは控えたが、その後、その居酒屋に行くたびに遠藤さんのユニフォームを持参している。


引退から30年経って、たまたま出くわしたファンがご自分のユニフォームを持っていたら恐らくちょっとしたサプライズだし、喜んでくださるかも知れないと思ってのことだ。


しかし、その後は未だ一度もお会いしていない。






この試合はもう一つの記念日でもある。


当時の新人、三浦大輔投手(現監督)の初登板の日だったのだ。


三浦投手は0-1のビハインドで中継ぎとして7回と8回を投げ、無失点に抑えている。


中でも、当時球界随一の巧打者だった篠塚和典さんから膝下の変化球で三振をとった投球術は将来の可能性を感じさせるものだった。


この青年は、名前の変わった新しいチームをその後20年以上にわたってエースとして支え続けることになる。


もちろん、その新しいチームというのがベイスターズだ。


1992年10月7日はこのようにさまざまな意味で重要な節目となる試合だった。


この日、エースは次のエースに、ホエールズはベイスターズにそれぞれバトンを繋いだのだ。







借金8の5位で終わった1992年シーズンから30年を経て、ベイスターズがセリーグ2位として明日からのCSファーストステージに出陣しようとしている。


今、遠藤さんはこの状況をどのように見ていらっしゃるだろうか?


先ほど、両チームの先発が発表された。


予想通り、ベイスターズは今永昇太、タイガースは青柳晃洋の両エースだ。



タイガースは才木投手がスターターとして先発して青柳投手を第二先発あるいはジョーカーにするという噂もあったが、ここはやはりオーソドックスにセリーグ投手部門三冠王の青柳投手に託することにしたようだ。


さて、これを受けて三浦監督が下さなければならない重要な判断がある。


シーズン終盤に青柳投手対策として始めた左バッターを並べる作戦をこの重要な一戦でとるかどうか?


この作戦をとるということは、この重要な試合で主軸の宮﨑とソトをスタメンから外すということを意味する。そして、もう一つ言えば、この作戦は既にタイガースに知られており、何らかの対策を講じられているかも知れないという懸念もある。


また、今日の報道で、三浦監督がCSのキーマンとして桑原将志と今永昇太を挙げているという情報があった。これは何を意味するのだろうか?


今永昇太の名前を挙げることについては何の疑問もない。しかし、野手の中で敢えて桑原というのはどういうことなのだろう?


桑原選手は俊足と鋭い反応を生かした広い守備範囲とフェンスとの激突やスライディングも恐れない積極的な守備と思い切りの良いバッティングが特長であり、彼が元気だとチーム全体が乗ってくるムードメーカーでもある。



三浦監督は、短期決戦で重要となる二つの要素、つまりチームのムードと固い守備を重視しているのではないだろうか?


だとすると、センターラインはキャッチャー嶺井、ショート大和、センター桑原をベースにしつつ、相手投手との相性や機動力などを考慮して、戸柱や伊藤光、そして森敬斗や神里を起用するのではないかと思う。


そして、サードについては、強い打球を捕球する際のグラブ捌きの柔らかさという点を重視して(そして勿論バッティングに関して柴田選手との差も考慮して)宮﨑敏郎を明日も起用するのではないかと思う。


ソトに関しては、このところ好調なので第2戦以降はスタメンで出場すると思うが、明日の初戦では青柳投手への対応という点と後半での代打の切り札としての起用の両方の意味でベンチスタートとするように思う。


この仮説をベースに考えると、明日のスタメンは次のようになるだろうか?


1番 桑原(CF)

2番 神里(LF)

3番 佐野(1B)

4番 牧(2B)

5番 宮﨑(3B)

6番 楠本(RF)

7番 森(SS)

8番 嶺井(C)

9番 今永(P)


今永には7回を2点以内に抑えて欲しい。そして、継投は伊勢大夢から山﨑康晃、これは僅差であればビハインドでも変わらない。


大事なのは、1、2点ビハインドの後半に勝負を仕掛ける攻撃だ。


勝負所と見れば、恐らく、「ことを起こす」嗅覚のある関根から大田泰示、ソト、オースティンそして藤田一也あたりをつぎ込んでいくことになるだろう。


明日からの試合はファンにとっても緊張感のあるものになる。


それを味わおうと思っても叶わなかった過去2年間の想いも込めて、充実した緊張感を精一杯楽しもう!