mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

やはり行くのか 嶺井



やはり行くのか 嶺井


11月10日 FA宣言選手公示


嶺井博希選手は既にFA宣言を行い、申請書類を球団に提出している。


ここ数日の報道では、甲斐選手に続く2番手の捕手を探しているソフトバンクが嶺井選手に白羽の矢を立てており、3〜4年3億程度のオファーを準備しているらしいという情報が伝えられている。


嶺井選手のベイスターズでの今年の年俸は2700万円(最高額は3000万円)と推定されており、球団から申し入れた複数年契約というのもせいぜい最高年俸の2倍程度、つまり3年間で2億円といったところだと思う。


来年32歳になる嶺井選手がプロ野球選手としてのキャリアの終盤においてこの1億円の差額をどう見るかはわからないが、一般人の感覚としてはかなりインパクトのある数字だと思う。


加えて、ソフトバンクには、沖縄尚学、亜細亜大学の一年先輩でバッテリーを組み、それぞれ高校日本一、大学日本一の栄冠を共に掴み取った東浜巨投手が在籍しており、二人の間でのコミュニケーションもあるだろう。


大学時代以来の沖縄バッテリー誕生ということになれば話題性もある。


そして今日、今月26日のファン感謝デーでのサイン会に参加する選手が嶺井選手から平良投手に変更されることが球団から発表された。


本人の気持ちが揺らいでいる期間にファンと直接会話をする機会のあるサイン会は避けたいということもあるかも知れないが、既に心中ではソフトバンクへの移籍を決めているため、ファン感謝デーには参加しない方が良いという判断が本人にも球団側にもあるように思う。



【屋根の上のバウ】


昨年の今頃、FA権を取得した宮﨑敏郎選手の移籍の噂が出ていた頃(この時も相手はソフトバンクだった。無尽蔵の資金源があるらしい)、私は井伏鱒二の“屋根の上のサワン”という小説を想い出して次のようなことを書いた。


“昨年(2020年)、梶谷隆幸がFA権を得て、最終的にはジャイアンツの一員となるまでの過程で、私は毎日モヤモヤしていた。

 

そんな中で、ある日、井伏鱒二の屋根の上のサワンという小説を思い出した。

 

主人公である「私」が、ある時、怪我をした白鳥を見つけ、連れ帰って手当てをする。サワンという名前をつけて世話をして行くうちに、「私」はサワンのことがだんだん好きになってくる。

 

時が過ぎて、白鳥たちが故郷に帰る頃になると、空を飛ぶかつての仲間たちの声を聞き、籠の中のサワンは悲しそうに鳴く。「私」はサワンを手元に置いておきたいと思い、見てみぬふりを続ける。

 

しかし、次第に、自分自身の独占欲よりも、サワンの幸せを大事に思う気持ちが芽生えてくる。そして「私」はサワンを送り出す。サワンが仲間達と飛び去って行くのをずっと見ている。

 



そんな内容だったと思う。恋から愛へと気持ちが変わっていくプロセスなんだろう。

 

私は梶谷隆幸を送り出すことにした(梶谷選手の意思決定には全く影響しないことだが)。そして、ジャイアンツの中で、梶谷選手だけはこれからもずっと応援しようと思った。

 

そして、宮﨑敏郎はこれから、自身の軸をどこに置くことにするのか、彼は彼らしくじっくりと考えて、決断するのだろう。そして一度決めたら絶対にブレないだろうと思う。


先のことは私には何も分からない。しかし一つだけはっきりしていることは、私が彼の決断がなんであれそれを支持し、そして、彼がどこに行ってもずっと応援し続けるということだ。

 

と、ここまで書いた今日、彼は6年契約でベイスターズに残留することを記者会見で明らかにした。

 

残留を決意したのは、26日に行われた本拠地最終戦後のセレモニーで、グラウンドを一周した時だという。


ファンの拍手に応える中で「これだけのファンの方が球場に足を運んでくださって、声は出せないけれど、選手にも熱い気持ちは届いていた。勝って恩返ししたいと思った」と決意。


今季最終戦となった28日の広島戦後に球団に「優勝したいです」と伝えたという。

 

そして、6年という長期契約に関して、生涯DeNAですかという質問に「はい」とにっこり。


「このメンバー、仲間で優勝したい気持ちが強い」と心強い言葉を残した。”



この文章に私は”屋根の上のプーさん”というタイトルをつけてブログに載せた。


嶺井選手のFA宣言の後、私はやはり全く同じことを考えていた。


彼のチーム内でのニックネームはバウということなので、きっと今回は”屋根の上のバウ”と言うことになるのだろう。


梶谷隆幸は読売への移籍という道を選び、宮﨑敏郎は生涯横浜という心を決めた。


その後、梶谷選手は故障に泣き、宮﨑選手は今年も3割バッターとしてチームに貢献した。



しかし、それは”時の運”というもので、梶谷については球団は故障の可能性を把握していたので強くは引き止めなかったという穿った見方もあるが、そうとばかりは言えないだろう。


今日のニュースを見ると、嶺井選手の場合はベイスターズに残留するという可能性はあまり高くないように思える。


しかし、私はやはり彼の決断がなんであれそれを支持し、そして、彼がどこに行ってもずっと応援し続けるつもりだ。


ソフトバンクに行くなら、甲斐捕手に続く2番手などと言わず、堂々と正捕手を狙って競ってくれ。


頑張れ嶺井、負けるなよ!


ソフトバンクに行ってもずっと応援している。