mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

横浜優勝のための1番センター



12月6日 桑原将志選手の契約更改が行われ、1500万円増の年俸1億2000万円でサインした。


昨年は打率 .310の自己ベストだったのに対して、今季は .257と大幅に低下し、OPSも .843から.676へと下がった。この打撃成績に対する本人のコメント


「やっぱり今年は投手が頑張ってゲームを作ってくれた試合が多かった。


その中でチームの得点力が落ちた理由の一つとして、ぼくが1番(バッター)の役割を果たせなかったことと直結していると痛感している。そこが1番悔しい。」


一方、守備では持ち前の俊足と反応の鋭さを生かした守備範囲で指標を大きく改善しており、ゴールデングラブまであと一歩というところだった(センターの守備指標ではスワローズの塩見選手に続いて2位)。この点については、次のように語っている。


「打撃の方で貢献できなかった分、守備には波がないので、常に貢献できる部分だという気持ちでいた。」


桑原選手はFA権を取得するより前、昨年オフに年俸4900万円から5600万円アップの1億500万円で複数年契約を結んだが、この時の契約は年俸変動制というものだった。


そして今年、上記の通り打撃成績は落としたものの、恐らく変動制に含まれる出来高分として1500万円アップということになったと思われる。


桑原選手は今季130試合に出場しているので、ベイスターズの査定ではこの部分が評価された可能性がある。


来季に向けての本人の意気込みは次のとおり。


「チームとして優勝という目標に変わりはない。


今年2位で終わった悔しさもみんなが味わっている。


チーム全体で優勝への想いは確実に強くなっている。


個人的には1番をずっと打ちたい気持ちはあるし、シーズン通してそこを任せてもらえるように、自分の力で奪い取りたいなと思います」



【1番センターに求められるもの】


桑原選手の来季の目標はシーズンを通じて1番センターのレギュラーをつかみ、チームの得点力アップに貢献するとともに、外野守備の要として投手陣を支えることだ。


そのためには、走攻守それぞれの分野でどの程度の成績が求められるのだろうか?


ベイスターズの過去6年間の中堅手レギュラー(併用の場合は最多出場者)の成績を年度別に整理してみた。



打撃成績については、昨年の桑原将志と一昨年の梶谷隆幸の成績が突出している。





いずれも打率3割以上、二桁ホームラン、そしてOPS .800以上(一昨年の梶谷選手は.900以上)であり、打線を勢いづかせるトップバッターとしての役割を十分に果たしている。


しかし、この2年間のセンター守備に関してはUZRがマイナスになっており、リーグの中で平均以下となっている。


ベイスターズはレフトに佐野恵太、ライトにタイラー・オースティンという本職ではない外野手が布陣することが多く、彼らの守備範囲は決して広くはないため、センターの守備指標は重要な意味を持つ。この意味では、2020年と2021年のセンターも盤石だったとは言い難い。


一方、今年の桑原選手の守備指標は昨年に比べて大きく改善し、ゴールデングラブ賞を受賞した2017年ほどではないにしても、その翌年程度には戻してきている(彼の守備指標を年度別に詳しく見ると、外野手の送球の指標であるARMが2018年あたりから急激に悪化しており、肩や肘等に何らかの故障があったのではないかという疑いもある)。



盗塁数に関しては、2018年の17個というのが最高で、この年は盗塁死も3と少なく、桑原選手自身のキャリアハイとなっているが、球団としてこれを上回る数字は2012年の荒波翔さんまで遡らなくてはならない。


盗塁には損益分岐点があるというのはよく言われることで、一般には、成功確率70%を超えないと盗塁による戦術的メリットは得られないと言われている。


この点も加味すると、盗塁の損益分岐点を超えたのも2018年の桑原選手だけだったということになる。


以上をまとめると、悲願の横浜優勝を果たすために、1番センターに求められる成績は次のようなものだろうか。


守備 UZRで8程度以上


攻撃 打率 .290以上、出塁率 .350以上、本塁打 10本以上、OPS .800以上、得点80以上


走塁 盗塁15以上かつ成功確率70%以上



【来シーズンの1番センターの候補たち】


今シーズンのベイスターズ公式戦でセンターを守ったことがあるのは桑原、神里、梶原、大田、蝦名、関根の6選手。


彼らの守備指標をまとめてみよう。



やはり守備範囲に大きな差があり、これを反映して、守備面では桑原選手が断然トップであることは明らかだ。


そして、これに続くのが神里和毅で、この二人以外の指標はいずれも大きなマイナスを記録しており、彼らが外野の要であり上述した理由で負担の大きいベイスターズのセンターをシーズンを通して守ることは難しそうだ。


他方、この6人の打撃成績を比べてみると、打率や長打力等、つまり打力そのものでは大田泰示が抜きん出ている。課題は守備だが、今季も故障で離脱した期間のあった下半身の状態が改善できればUZRで±0程度にまでは改善できるのではないだろうか。


もちろん、ゴールデングラブを受賞した日本ハム時代の状態に戻ることができれば横浜優勝のための素晴らしいプレゼントだ。





神里和毅は昨年から2年続けて打率1割台に沈んでいるが、出塁率はかなり改善しており、この選球眼をキープしつつ打つべきところでは積極的に振り抜く2020年の好調時の打力を取り戻すことができればチャンスはあるだろう。



以上を考え合わせると、やはり、来シーズンの1番センターの本命は桑原将志ということになり、彼の打撃が隔年で復調するという周期に期待したい。


続いて、大田泰示の下半身の状態が改善されること、そして、100円ショップさん※の打撃が2020年の状態に戻ること、にも希望があるように思う。


※「ダイソーさんだろ!」