mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

セリーグ順位予想 ファイナルアンサー




オープン戦が全て終わり、31日の開幕まであとわずか4日を残すばかりとなった。


キャンプインした頃に一度セリーグの順位予想を行ったが、その後、ベイスターズも他チームもそれぞれ故障者がでたり追加の補強があったりして戦力に変動が生じている。


それらを踏まえて開幕前の順位予想の最終版を確定したいと思う。


ベースになるのは昨シーズンの勝敗と順位表だ。





予想の手順は前回と同様、以下の通り。


(1) ベイスターズの昨シーズンからの戦力変化を先発投手、リリーフ、捕手、内野手、外野手それぞれについて貯金(勝利数ー敗戦数)の増減として評価


(2) セリーグの他チームについても同様に戦力変化を貯金の増減として評価


(3) 全体としてゼロサムゲーム((1)のベイスターズの貯金の増減と(2)の他の5チームの貯金の増減の総和がプラスマイナス0)となるように補正する


(4) 補正後の貯金数に基づき2023年シーズンの順位を予想



【ベイスターズの戦力変化】


(先発投手の戦力変化)


現在離脱中の投手たちの復帰や新入団の投手の合流を見込んで、シーズン全体として期待できる先発ローテーションを昨年と今年で比較してみると次のようになる。


2022年

(左)今永昇太、濵口遥大、石田健大、東克樹

(右)大貫晋一、上茶谷大河、F. ロメロ(→R. ガゼルマン)


2023年

(左)今永昇太、濵口遥大、石田健大、東克樹、笠原祥太郎

(右)T. バウアー、大貫晋一、平良拳太郎、R. ガゼルマン


まず、”とんでもない大補強”と言われるトレバー・バウアー投手の加入が最大の変化だろう。


中4日で先発登板することは十分に考えられ、彼のコメントから推察すると150イニング程度は投げるつもりでいるようなので、15勝5敗という成績はかなり現実的な数字だろうと思われる。


つまり、彼だけで貯金を10増やすだけの貢献が期待できるということだ。



さらに、以下の点で戦力の上積みが期待できる。


昨年は出遅れた今永昇太が4月上旬から登板できる(代わりに大貫晋一が出遅れるが、すでにファームで2度先発しており、1軍合流は開幕からあまり遅れないと考えられる)


昨シーズンまでリハビリ中だった平良拳太郎が本格復活する


コントロールとメンタルに難があり安定した成績の見込めなかったロメロ投手に代わってガゼルマン投手が開幕から登板できる


中日から加入した笠原祥太郎が安定して試合を作ってくれそうなこと


そして今年はバックアップとして、小園健太、上茶谷大河、京山将弥、阪口皓亮が控えており、長いシーズンを戦い抜くだけの層の厚さがある。


以上のトータルで貯金を10増やすだけの価値があると判断した。


今シーズンのベイスターズの戦力で最も伸び代が大きいのは先発投手陣と考えられるが、上記のように、それは貯金数にして+20と評価する。



(リリーフの戦力変化)


ブルペンについても同様に昨シーズンと現在の陣容の比較を行なってみよう。


2022年

(左)E.エスコバー、砂田毅樹、田中健二朗

(右)入江大生、伊勢大夢、B. クリスキー、山﨑康晃


2023年

(左)E.エスコバー、田中健二朗、坂本裕哉(石川達也)

(右)入江大生、伊勢大夢、森原康平、三嶋一輝、J.ウェンデルケン、山﨑康晃


砂田投手が京田陽太とのトレードで中日に移籍したが、坂本裕哉あるいは石川達也がその穴を埋めることは可能と考えられるので、左投手については大きな変化はないと言って良いだろう。


右投手については、森原投手が楽天時代の輝きを取り戻しつつあること、そして三嶋一輝の難病からの復活が大きい。



昨年途中から中継ぎに転向して成功を収めた入江大生が今シーズンは開幕からブルペンを支えることも忘れてはいけない。


ウェンデルケン投手はギックリ腰で離脱したが、明日からのイースタンリーグ日本ハム戦で登板する予定とのことなので4月中には一軍に合流するだろう。この点は、好投手ながら故障による離脱期間の長かったクリスキー投手に対するアドバンテージだと思う。


さらに、勝ちパターンと呼ばれるリリーバーたちが昨年の4人(エスコバー、入江、伊勢、山﨑)から7人(エスコバー、ウェンデルケン、入江、伊勢、森原、三嶋、山﨑)に強化されることが負荷の分散をもたらすことで貯金を増やす効果があることも指摘しておきたい。


以上の全体を勘案して、リリーフ陣による貯金数の変化を+10と評価したい。


(捕手の戦力変化)


前回の順位予想では、嶺井捕手がFAで退団したことから-5という評価をしていたが、伊藤光選手と戸柱選手が昨年以上の試合数をこなすことができれば、その穴はそこまで大きくない。


さらに、オープン戦の結果だけ見て一喜一憂するのはどうかとは思うが、投手より打てないと言われていた山本祐大選手の打撃覚醒がどうやら本物らしい。


山本選手はここ数年阪神の梅野選手の合同自主トレに参加しており、そこでの努力が実を結び始めたのではないだろうか。


彼への期待も含めて、捕手に関しては昨年比プラスマイナス0という評価とする。


(内野手の戦力変化)


内野手に関しての主な変化は、京田陽太選手のトレードでの加入とドラフト3位の林琢真選手の入団だ。


このことによって、年齢と持病のためにショート守備が難しくなってきた大和選手の負担を軽減し、昨年は打点1という目を疑うほどの打撃不振だった柴田選手への依存を減らすことができる。


オープン戦で見る限り、京田選手の打撃は未だ迷いの森の中という感じだが、サードやファーストでの守備も安定しており、本職のショートも含めて守備面での貢献はすでに明確になりつつある。


そして、予想外のプラスが林選手の入団だ。


一昨年の牧選手というのは言い過ぎだと思うが、走攻守全体で見た場合にはそれに近いほどの大きな貢献をチームにしてくれると思う。



森敬斗選手はオープン戦で30打席連続凡退中という不振に喘いでいるが、辛抱して使い続ける首脳陣の目を信じれば、いずれは打ち始めることになるだろう。


また、もしその可能性が潰えた場合には、林選手をショートのレギュラーとして固定することもできる。


昨シーズンは来日後最大の不調だったソト選手の契約最終年ということもあり、今年は目の色を変えて試合に臨むことも想定される。


以上の全体を見て、内野陣の戦力変化による貯金数の変動は+5という見立てをしたい。


(外野手の戦力変化)


昨年の最大の誤算は打線の主軸であるタイラー・オースティンが最後まで実力を発揮できるようなhコンディションにはならなかったことだ。


春先に肘のクリーニング手術を行ったが、靭帯にも問題があることがわかり、守備にはつかず代打のみの出場に限定された。そして、彼はやはりスタメンで出場して一試合を通じて打席に立つことで真価を発揮するタイプの選手のようだ。


結局、シーズン終了後に靭帯の修復術を受け、やっとリハビリが終わって最近守備や打撃の練習を始めたようだ。


彼の復帰は恐らく5月の連休明けになるのではないだろうか?


それが本当なら彼だけでも貯金の上積みが期待できるが、ここはひとつ慎重に昨年からプラスマイナス0としておこう。


ということで、まとめると、ベイスターズの戦力の伸び代は貯金数にして+35となった。



【他の5球団の戦力変化】



セリーグの5球団についてもベイスターズと同様の評価を行った。


極力中立的な視点を保つように心がけたが、指を切ったらまだ血が赤かったので驚いたと言われるほどベイスターズブルーに染まった私のことなのでバイアスがないとまでは言い切れないことをご容赦いただきたい。


各チームのポイントを手短にまとめると次のようになる。


(ヤクルト)


リリーバー出身の高津監督はクローザーのマクガフが抜けた穴は埋めてくると思うが、やはり、クローザーとしての経験値は一朝一夕には身につかないと思うので、-5と評価した。


内野手については、昨年三冠王の村上選手に対する各球団のマークは非常に厳しいものとなることが予想されることからやはり-5とした。


なお、捕手については、内山選手や古賀選手の台頭によって中村悠平選手の負担軽減も考えられるが貯金数を大きく変化させるほどのインパクトはないと考えプラスマイナス0と評価した。


(阪神)


昨年カムバックを果たした才木投手や若手の西純矢投手の成長が見込まれることから、先発陣で+5、湯浅投手、浜地投手、石井投手などこちらも若手の成長が著しいリリーフ陣も+5と評価した。


外野手については、オープン戦を見る限り新人の森下選手の打力は一昨年の牧秀悟と同等のものである可能性が高いように思えるため、こちらも+5の評価。


(巨人)


巨人についてはあまり大きな戦力変化が感じていない。


年齢的なこともあり菅野投手の力が絶対的なものではなくなりつつあることを考慮して先発で-5、リリーフでは、WBCでも活躍した大勢投手がクローザーとしてさらにレベルアップする可能性が高いことから+5と査定した。


(広島)


坂倉将吾選手が今季は捕手一本で勝負することを決めており、彼の非凡な打撃センスから12球団一の”打てるキャッチャー”になる可能性が高いと考え、+5と評価した。


また、新加入のデビットソン選手もオープン戦で見る限り日本の野球に慣れればかなり活躍することのできる能力を持った選手と考えている。簡単にいうと、昨年も苦しめられたマクブルーム選手が二人に増殖するような印象。こちらも+5という評価


(中日)


私は常々次世代のセリーグを代表するエースは髙橋宏斗選手だと思っており、WBCでの活躍もへて一皮抜けた彼は今季二桁勝利をあげる確率がかなり高いと予想している。加えて、涌井投手の加入もかなりプラスがあると思うので、+10と評価。


貧打に苦しめられたドラゴンズだが、今季はアキーノ選手の加入に加えてベイスターズから移籍した細川成也選手がわだコーチの指導で覚醒する気配ということもあり、外野手の評価も+5としたい。


以上の結果を下表にまとめる。




【今シーズンの勝敗及び順位の予想】


前項で書いた貯金数の増減は他のチームの戦力が変わらなかった場合のことであり、実際には相手も強くなっている場合があるため、例えば戦力が変わらなくても相対的には弱体化する可能性がある。


実際、ベイスターズを含む6チームの貯金数の変化を単純に合計すると+60となってしまうが、これは明らかに変であり、交流戦のことを無視すれば合計は0になるはずである。


そこで、この+60を6チームで割り、各チームとも-10ずつの補正を行う。この補正によって、戦力の伸びがない球団は他球団の戦力上昇によって貯金を10減らすことになると予想するわけだ。


この補正を行なって2023年シーズンの勝敗及び順位を予想した結果が下表だ。





ベイスターズは2位ヤクルトに14.5ゲームの大差をつけて25年ぶりの彼岸の優勝を遂げたとさ。


めでたし、めでたし