mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

5本塁打、20安打、17得点の圧勝はチーム全員の誓いだった




“投手陣に助けられてここまで勝てている。


こういう日もある。


僕たちができるのは点を取ること。


明日以降もたくさん点を取って、投手陣を助けられるようにしたい”


これは昨日の悔しい逆転負けの後、取材に応えて佐野恵太キャプテンが絞り出した言葉だ。


これはその時の気分で何となく口にした言葉でもなく、ファンに対するリップサービスでもない。


昨日の悔しさを必ず晴らすと言うチーム全員の決意を佐野キャプテンが代表して言葉にしたものだった。


だから、それは有言実行となったし、大差となった9回表になってもあくまでも点を取りに行く貪欲な姿勢を失うことはなかった。


あれは、チームとしての極めて強い意思表示だった。



ベイスターズ 17 - 7 スワローズ


勝 上茶谷大河 1勝 0敗 0S
負 小川泰弘 1勝 4敗 0S


本塁打


佐野恵太 5号 1回表ソロ
宮﨑敏郎 6号 1回表ソロ
戸柱恭孝 3号 2回表2ラン
牧秀悟  5号 2回表満塁
宮﨑敏郎 7号 7回表2ラン



【1回表の攻撃 (佐野、宮﨑)】


昨日と同様に極めて強い南風が吹く中、神宮での第二戦が始まった。


先頭打者は佐野恵太。


昨日の自分自身の言葉を裏付けるように、スワローズ先発の小川泰弘投手の初球、ストライクを欲しがったかと言うやや甘めのコースを異常なほど高い集中力でとらえ、そしてコマのように鋭く回転した。


打球は風とは無関係なほど速いスピードでライトスタンドに飛び込む先頭打者、初球ホームラン。そうだ、昨日の神宮花火大会はまだ終わっていない。



一死後、今日は3番サードでスタメン出場の宮﨑敏郎が小川の初球、今度は外角低めの直球をうまく掬い上げた。バットがボールの下に入って擦ったような打球は高く上がり、風にも味方されて右中間スタンド前列に着弾。


ベイスターズが幸先よく2-0とリードした。




【2回表の攻撃 (戸柱、牧)】


1回裏に村上宗隆のタイムリーで2-1とされると、この回先頭の6番関根大気がフェンス直撃のツーベースで出塁。


そして、一死後、8番戸柱恭孝が小川の初球を完璧に捉え、ホームランを確信して歩き出すような飛球をライトスタンドに運んだ。これで4-1となり、再びリードを広げる。


さらに、9番ハマちゃんと佐野の連打で一死1、2塁となり、2番京田陽太が送りバントで2、3塁とすると、3番宮﨑との対戦は3-0となったところで申告敬遠。


二死満塁でようやく復調しつつある4番牧秀悟。


牧は6球粘ってフルカウントからの7球目のカットボールが真ん中高めに浮いたところを見逃さず、強振して弾丸ライナーをレフトスタンドに叩き込んだ。


牧秀悟プロ入り初めてのグランドスラムで8-1とさらにリードを広げた。




【5回表の攻撃 (ソト、楠本)】


8点を取ってもらったハマちゃんはどうもピリッとしなかった。


3回裏のヤクルトの攻撃で青木宣親、山田哲人に連続でフォアボールを与え、その後、村上、サンタナ、オスナの3本のヒットで3点を失った。


昨日の今日でこれではベンチが我慢するはずもない。


なんと8点を失った小川泰弘よりも先にマウンドを降りるという本人としては極めて情けない投球となってしまった。


そして代わった上茶谷はストレートも威力があり悪くないように見えた。


3回裏二死1、2塁のピンチは長岡秀樹をセンターフライに打ちとり追加点を許さなかったが、次の回には自身の悪送球もあり、青木宣親の犠牲フライで8-5まで追い上げられた。


昨日の嫌な記憶が蘇る。


その危機感を皆が持つ中、5回表のベイスターズの攻撃が始まる。


一死後、5番桑原将志がライト前ヒットで出塁し、関根大気が四球で続くと、一死1、2塁から7番に入ったソト選手が粘りに粘る。


フルカウントからの11球目をとらえた打球はグングン伸びて、レフト青木宣親がジャンプして差し出したグラブのわずか上を超えていくフェンス直撃のタイムリーツーベースヒット。


さらに、戸柱が四球を選んで一死満塁とすると、上茶谷に代わって打席に入った楠本泰史の犠牲フライでさらに1点を追加した。


10-5と追いすがるヤクルトを再び突き放し、試合の流れを渡さない。これが非常に大きかった。



【6回表の攻撃 (桑原、戸柱)】


冒頭に述べた佐野恵太の誓いを実践するベイスターズ打線はまだ攻撃の手を緩めない。


この回先頭の宮﨑がツーベースで出塁すると、一死3塁から桑原将志がセンターへのタイムリーヒットで1点追加。


ソトの内野安打もあり、二死1、2塁となったところで、戸柱がレフトへのタイムリーヒットで12-5と再びリードを7点とした。


【7回表の攻撃 (宮﨑)】


フォアボールで出塁した佐野恵太を1塁に置いて、一死から宮﨑敏郎がこの日2本目となるツーランホームランをレフトスタンドに放り込んだ。


3番手の長谷川投手が2-0から投じた3球目のストレート。



球威のあるボールに見えたが、真ん中高めに浮く失投だった。絶好調の宮﨑がこれを身逃すはずがなく、長谷川の球速に負けない鋭いスイングで力強い打球を放った。


これで14-5と試合を決めにかかる。しかし、昨日の今日なので、ベイスターズの全員が安全なリードなどと言うものは全く考えていなかったと思う。まさに、何点でも取ってやる、と言う気概が全員の表情に見てとれた。



【8回表の攻撃 (佐野)】


ソトと戸柱が四球で出塁し、一死1、2塁となったところで、佐野恵太がこの日3本目となるライトへのタイムリーヒットでソトの代走、神里が長駆生還し、15-5とした。



【9回表の攻撃 (関根、戸柱)】


最終回になり、15-6と大差をつけても、まだ、冒頭に書いた通り、ベイスターズ野手陣は無骨に得点を目指す。


先頭の桑原のセンターフライが風でよく伸び、これがスリーベースとなると、続く関根大気が初球を狙い済ましたようにライト前に運んでまず1点。


さらに、神里和毅のライトへのツーベースで2、3塁とした後、戸柱恭孝がライトへの犠牲フライを打ち上げて関根が生還し17点目が入った。



佐野キャプテン、そしてベイスターズの選手全員が事前の誓いの通り、今度は投手陣を助けるために沢山点をとった。


17点と言うのは流石に十分だ。


ここまで見届けて、私はテレビ画面にむかって微笑み、次のセリフを呟いた。


“助さん、格さん、もういいでしょう”




昨日の悔しい逆転負けを跳ね返す、素晴らしい波状攻撃を見せてくれたベイスターズ打線に感謝の気持ちで何だか胸が一杯になってしまった夜だった。