mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

あると思います 森原康平のクローザー適性





森原が投げててーええーえー


ゾーンに強いストレートが決まって空振りが取れるとーおおー


何だか今日は行けそうな気がするー


ということで、あると思います。




今日の報道によると、先日三浦監督が配置転換することを名言していた山﨑康晃に代わって後半戦のクローザーを任されるのは森原康平投手になることが濃厚らしい。


今のところ、この記事を出しているのは報知一紙だけだが、これまでの実績として報知からのベイスターズ情報は概ね正しいと思うので、まず信用して良さそうだ。


山﨑康晃の配置転換報道の後、誰からも頼まれてはいないのだが、私は新たなクローザー候補の絞り込みを独自に行っていた。


その結果、私も森原投手に白羽の矢を立てるつもりでいた(どうやって?)ので、今朝の報道は我が意を得たり、という感想を持っている。


クローザー候補の比較で、私が注目したのは、以下の3点。


(1)フォアボールが少ないこと


(2)三振が取れること


(3)被本塁打が少ないこと


(4)最近の成績(防御率)が良いこと


フォアボールについては、1試合(9イニング)あたりの平均与四死球数BB/9で比較するのが適当だろう。


伊勢大夢 3.24

山﨑康晃 1.48

入江大生 4.18

上茶谷大河2.86

ウェンデルケン4.31

エスコバー6.28

森原康平 1.35


セーブ失敗の大きな要因は緊迫した場面でフォアボールによる走者を出すことであり、この指標を見ると入江、ウェンデルケン、エスコバーの3人は難しいことがわかる。実際、彼らが登板する際にカウントが悪くなると落ち着いて見ていられない。


上茶谷と伊勢もあまり良くはないが、ギリギリ許容できるかというところ。


この点、前職の山﨑康晃と森原康平は10回登板して1〜2個のフォアボールと言う良い数値である。これだけでもまずは森原の選択に納得できる。


次に、三振について、まずは同じく1試合あたりの平均奪三振数K/9で比べてみる。


伊勢大夢 6.48

山﨑康晃 10.68

入江大生 10.27

上茶谷大河 8.83

ウェンデルケン8.33

エスコバー5.65

森原康平 7.65


ここでは、山﨑康晃と入江大生の数字が際立って良い。エスコバーの指標が例年になく悪いが、他の投手たちは合格と言って良いだろう。



セイバーメトリクス的には、これら二つの指標は個別に見るよりも与四死球も加味したK/BB(四死球一つあたり何個の三振を取れるか)として使われることが多い。この指標だと次のようになる。


伊勢大夢 2.00

山﨑康晃 7.20

入江大生 2.70

上茶谷大河3.40

ウェンデルケン1.93

エスコバー0.90

森原康平 8.50


これを見ると、やはり、四球を出さずに三振が取れると言う意味で山﨑康晃か森原康平の二択であると言う気がしてくるのだ。


次に1試合あたりの被本塁打HR/9も比べてみよう。


伊勢大夢 0.81

山﨑康晃 1.19

入江大生 0.00

上茶谷大河0.519

ウェンデルケン0.287

エスコバー2.512

森原康平 0.00


クローザーが出てきてホームランを打たれると言うのは、一番悔しいパターンの負け方であり、極力避けたいが、この面では今シーズン被本塁打0の入江と森原がずば抜けている。


今季の伊勢、山﨑、エスコバーは一発に沈んだことが幾度かあった印象だが、それはこの指標でも裏付けられている。特に山﨑康晃については、配置転換の直接のきっかけとなったのがカープの坂倉選手に喫した同点ソロホームランであり、あそこからチームが3連敗したことは記憶に新しい。



最後に直近の成績ということで、6月と7月の防御率を挙げる。


伊勢大夢 3.52

山﨑康晃 3.37

入江大生 0.00

上茶谷大河3.00

ウェンデルケン1.26

エスコバー2.25

森原康平 0.00


伊勢と山﨑康晃がこのところ失点していることもあり、この2人は現在不調と見て良いだろう。このことを考えても今回の配置転換は妥当であり、新たなクローザーとして森原康平を選んだことは指標的にも最適解だったと思われる。


さて、森原投手に新たにクローザーの役目をお願いするとして、ここで問題にすべきは彼が最終回という緊迫した場面でもこれまでと同様のピッチングをすることができるか、という点だろう。


まず、彼の投球内容を見てみよう。



打者の左右を問わず、2/3はストレートを投じており、平均球速147.9km/hで被打率 .167というのは大変に結構だ。彼の奪三振はストレートで空振りという場合が多く、これが決め球にもなっていることがカウント負けしない要因の一つだろう。


そして、主に右打者に投じる(16.6%)スライダーも被打率 .167と有効に機能している。


問題点としては、左打者に27.8%、右打者に15.9%投げているフォークボールの被打率が .438と高いことだろう。


彼の場合はフォークを決め球に使って三振を奪うというよりは、ストレートで仕留めるための伏線として低めのボールになるフォークを使うという戦術だろうか。


強いて言うなら、やはりバッターから見て追い込まれてからのウィニングショットとして鋭く落ちるフォークがあるというのは脅威なので、この球種をさらに磨くということはあると思う。


球団OBの佐々木主浩さんに特別授業をしてもらうというわけにはいかないものだろうか?


投球内容よりもさらに重要なこととしてはメンタルの強さと言うことがある。


この点については、森原投手は楽天在籍中の2020年(松井裕樹が先発転向した年)にクローザーを務めたことがあったが、この年は4つのセーブを挙げたものの防御率7.56と決して成功したとは言えない。


森原はメンタル的に難しい、と言う楽天ファンの声も聞こえてくる。


しかし、その直後に肘のクリーニング手術を受けていることもあり、そもそも万全な状態ではなかったのではないかとも思われる。


そして、この時の体験を糧にしてやり返す知恵が森原投手にはあると思う。むしろ、一度失敗してその時の課題が明らかになっているからこそ、森原の2度目のクローザーに期待したい。


「男子三日会わざれば刮目して見よ」とも言うではないか。


かつての大作映画「グラン・プリ」で三船敏郎演じるF1に新規参入した日本の自動車会社(モデルはホンダだろう)の社長の言葉を思い出そう。



彼が自分のミスから親友をレース中の事故で大破させ瀕死の重傷を負わせたことから走れなくなり現役引退したアメリカ人ドライバー、ピート(ジェームズ・ガーナー)に対して再度レースの世界に戻ってくるように説得した言葉を森原投手に贈りたい。


”風呂場で転んで怪我をしたからと言って、風呂に入ることをやめはしない”


矢村社長(三船敏郎) 映画グラン・プリより


メンタルを克服したピートが傷の癒えた親友と最終版までチャンピオンシップを争い、そして優勝したように、1998年以来のベイスターズの優勝を決める今年9月のある日のマウンドに森原康平が君臨していることを私は信じている。