mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

貯金も自力優勝もAクラスも全部無くなった さあ、これからが等身大の本当の戦いだ





横浜スタジアムでの阪神戦に3連敗して、とうとう貯金がゼロになった。


時を同じくして、今日カープに勝ったジャイアンツが単独3位に浮上しベイスターズは4位に転落。いわゆるAクラスの座も失った。


さらに、自力優勝の可能性も消滅したとのこと。


そうか、3月末から4ヶ月かけて必死に積み上げてきたことは、もう何にも無くなったんだ。


しかし、こう言うネガティヴなお知らせが時間をあけて一つずつ知らされると気が滅入るような気もするが、こうしていっぺんにやって来ると、いっそすがすがしい感じすらある。


何にも無くなって清々した、と言うと強がりに聞こえるかも知れないが、これで選手達も我々ファンも、


25年ぶりの悲願の優勝、とか


優勝を目指して頑張ります、とか


これから優勝をかけた痺れる戦いが、とか


横浜頂戦、とか


言わされなくて済むことになった。


せっかく、勝ち数と負け数が同じイーブンな状態になったのだから、明日から(明日は月曜日なので試合は明後日からだが)新たなシーズンを始めるような新鮮な心持ちでまた戦い始めよう(でも、もう一度開幕4連敗は出来ればやめてね)。


勝率とか貯金とか、チーム防御率とかwarとかは、もう、いいじゃないですか。


試合の観戦や応援と言うのは、順位や様々な指標と言う数字の変遷をモニタリングすることではないのだから、ベイスターズの選手たちが良いプレーをすれば一緒に喜び、失敗すれば同じように悔しがる、と言う元々の「プロ野球のある生活」に戻ろう。


それは選手達や監督、コーチも同じことだ。


優勝という目標にがんじがらめになっていた重苦しい雰囲気や硬さばかりが目立つプレーは全部捨てて、自分たちの長所を活かした野球をのびのびやろう。


今永昇太、トレバー・バウアー、東克樹の三本柱は力のあるストレートと鋭い変化球をゾーンに投げ込んで勝負し、大貫晋一、石田健大、平良拳太郎はピッチトンネルを駆使して制球で勝負しよう。ハマちゃんはよく分からないけど、とりあえず思い切り腕を振って直球とチェンジアップを適当にバラつかせよう。


リリーフだって、今日の山﨑康晃、ウェンデルケン、森原康平は阪神打線をピシャリと抑えていたし、特に5、6、7番打者を三者三振に打ちとった森原が素晴らしかった。


伊勢大夢、エスコバー、入江大生や今はファームにいる三嶋一輝だって、きっともう一度調子を上げてきてくれる。


問題は打線だが、今日の試合を見ていて、溺れている状況であることに変わりはないが、やっと水底につま先が触れた感じがした。


まだもう少しの間、バタバタして見苦しく浮沈を繰り返すかも知れないが、底知れない深みにはまって行くような不安は無くなったと思う。


ベイスターズの攻撃をみて、識者や野球通のファン達は、無策だとか、点を取る引き出しを増やさないととか、スモールベースボールを目指すべきとか、進塁打だ、とか言うけれども、そんなことを言われると打てなくなっちゃうんですよ。仕方無いじゃないですか。


こう言う大雑把な野球じゃあダメだと言う方は、広島か阪神のファンになることをお勧めします。


明日からの新たな戦いでは、むしろ、大雑把な野球の頂点を極めようじゃないですか。


今ファームにいるタイラー・オースティンは肩が痛いのか肘が痛いのか両方なのか詳細は分からないけれども、ライト定位置からセカンドへの緩い送球ができるくらいになったらさっさと一軍に呼んで大雑把な強力打線の中核に据えよう。


1番 桑原将志、2番 オースティン、3番 佐野恵太、4番 牧秀悟、5番 宮﨑敏郎、6番 ソトと並べて、全員が思い切ってバットを振ってくる打線が相手チームからしたら一番怖いに決まっている。


得点効率とか次の塁を狙う意識とかではなく、空気を切り裂くような鋭いバットスイングに対するバッテリーの本能的な恐怖だ。


ちょっと間違ったら直ぐに狭いハマスタのスタンドに持って行かれると言う恐怖心を持たせることが我が社の伝統じゃないか。


そんなことを言っているから何十年も優勝できない、だって?


上等だ。


その代わりに、3連続ホームランで逆転サヨナラ勝ち、と言うような長岡の花火大会のようなことができるんだ。


おっと、ついつい喧嘩腰になってしまった。


ファーストストライクを強く振る、これで行こう。


それから、進塁打が苦手な人は無理しなくても良いですよ。あなたの一番得意な方法で得点に貢献して下さい。


香車や飛車に斜めに進めと言ってもできっこないんですよ。


色んな駒が居て、それぞれ得意なことと苦手なことがあるのだから、振り回すことで一番貢献できる人はむしろ今まで以上にフリースインガーになって思い切りバットを振れば良い。


それから、三浦監督はもっと明るい顔をしてください。笑う門には福来たるとやら言うじゃないですか。


あなた自身が、優勝しなくてはならない、と言う呪縛から解き放たれることが今のチームで何より重要なのです。


野球を、このチームを指揮することを楽しんで下さいよ。



最後にもう一言。


今日の試合の7回裏、一死二、三塁の一打同点あわよくば逆転というシーンで1番佐野恵太に代打楠本泰史を送るという非情の勝負手を繰り出したことについて、ネット上でも賛否両論あり、今だにディベートが繰り広げられている。


佐野恵太がベンチで涙をこらえている姿がTV画面に映し出されたため、不調の佐野を替えるにしても、いくらなんでもやり方があるだろうと言う意見から、もっと早くに佐野はファームに落とすべきだったと言う意見まで多様なコメントが飛び交っているのだ。


私は、そもそもこの選択に正解はないと思う。


佐野選手の立場からすると、ベンチの判断が本当に勝ちにつながる確率の最も高いものだったかどうかなど考えても意味はない。


重要なことは、チャンスで代打を送られたと言う事実を佐野選手自身がどのように受け止め、明日からそれを克服するために、どのような努力をして行くか、だろう。


三浦さんのこの不穏当な采配に意味があったかどうかは、これからの佐野自身の頑張りにかかっていると言うことだ。


涙を堪え、ベンチの最前列で必死に声を出し、自分への代打である楠本やチャンスで打席に立った他の選手達を鼓舞しようとする彼の姿を見ると、彼ならこの出来事をプラスに変えるだけの人間としての力を持っていると私は感じた。



頑張れ佐野恵太。負けんなよ!


優勝という縛りから抜け出したベイスターズがこれからどんな試合を見せてくれるのか、私はむしろ以前よりも楽しみになってきた。