mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

知野の代打逆転満塁弾は空砲ではなく、宮﨑と牧は打つからと言ってミスに目をつぶる訳にはいかない





今日のハマちゃんはいつになく酷かった。


ストレートもチェンジアップも全てがベルトの高さで、打撃投手のように打たれた。


1回終了時で既に28球を投じていたとは言え、2回で早くもストレートの球速が140キロを下回ることがあり、目に見えて球威が落ちていた。


丸選手にホームランを打たれたボールも力の無い激甘のボールだった。


2回表が終わって1-4とリードされ、今日は早々に試合が壊れてしまったかと思っていたが、その裏のベイスターズの攻撃で、このところ好調の打線が爆発した。


無死満塁で早くもハマちゃんに見切りをつけた三浦監督がベンチでデスターシャ要員になっていた知野直人を起用。


正直言って、三浦さんはハマちゃんに腹を立てていて、知野選手が打ってくれるというよりはハマちゃんにこれ以上投げさせたくなかったのだろうと思う。


実際、3回表のジャイアンツの攻撃は好調の岡本和真からで、今日のハマちゃんが岡本を抑えるイメージは全く湧かなかった。


しかし、知野は期待に応えて最高の結果を出した。


ジャイアンツの先発井上投手のストレートを引っ張りレフトへの飛球を放つ。少し詰まっているように見えたが、打球は予想以上に伸びてスタンドイン。


3点差をひっくり返した代打逆転満塁ホームランはNPBの長い歴史でも12人目の快挙らしい。そして、結果から言ってしまうと、その12人のうち最終的に敗戦したのは今回が初めてとのこと。


どんなことでも史上初というのはあるものですね。


これで5-4と逆転し、さらにこの回はもう一度満塁のチャンスを作り、宮﨑敏郎がセンターへの2点タイムリーヒットを打って7-4とリードを拡げた。


しかし、大変なのはここからだった。


3回からの継投を余儀なくされたために、今年支配下契約となった宮城滝汰に3回を任せることになった。


宮城は3回表こそ岡本和真を含め3人から三振を奪って無失点で切り抜けたが、4回には先頭の門脇誠にツーベースを打たれ、長野久義の内野ゴロの間に1点を失った。


さらに、5回には先頭の岡本和真に外角からやや甘く入ったストレートを左中間に運ばれるソロホームランで失点。これで7-6と一点差にまで詰め寄られた。


ベイスターズ首脳陣としては、ブルペンの台所事情を考えると、追いつかれない限り宮城に5回まで投げて欲しいというところだったと思う。


それは分かる。しかし、試合の流れとしては、7-4のリードを保ったままここで一旦ゲームを落ち着かせるために積極的にリリーバーを投入すると言う考え方もあったように思う。


例えば、3回は宮城として、4回をタナケン、再び上位に打順が回る5回に上茶谷を起用することもできる。


このプランがうまく行けば、7-4で3点のリードを保ちつつ、6回から、山﨑康晃、伊勢大夢、エスコバー、ウェンデルケンを個々の状態と打順の巡り合わせを見ながら起用して最終回の森原康平に繋ぐことができる。


しかし、実際には、7-6の僅差で6回を山﨑、7回をウェンデルケンで乗り切ることとなり、ジャイアンツ打線の圧力を考えるとかなり受けに回った苦しい継投になってしまった。


それでも、1点リードの8回、エスコバーが二死走者なしまで漕ぎ着けた時にはなんとか逃げ切れるかと思ったが、完全に打ちとっていた長野のサードゴロを宮﨑がファーストへ悪送球し、これをソトが止めることもできず、走者は2塁へ。


そして、嫌な予感は的中し、この日絶好調の丸佳浩に同点タイムリーをライト前に打たれた。


この時のライト関根大気からの本塁送球も大きく逸れ、打者走者がセカンドまで進んだことも痛かった。


このため、エスコバーを諦めて上茶谷を投入せざるを得ず、さらに台所は苦しくなった。


上茶谷はいつも通り献身的な投球を見せ、坂本勇人をサードゴロに打ち取りスリーアウト。


しかし、ベイスターズベンチは不本意ながら上茶谷に昨日に続く回跨ぎを指示せざるを得なかった。同点になった以上、延長戦のための投手を残しておかなくてはならないからだ。


9回表、上茶谷はツーアウトを取ったが、吉川尚輝を歩かせ、次の岸田選手をセカンド後方のフライに打ちとった、と皆が思ったが、落下地点に入っていた牧が落球(グラブに触れていなかったため記録はヒットだが)して一、三塁となり、続く門脇が決勝点となるタイムリーヒットを打ってとうとう逆転。


試合後、三浦監督は「上茶谷に申し訳ない」と語っていたが、彼には気の毒な役回りとなってしまった。





完全に結果論ではあるが、セオリーから言えば、ホームのベイスターズはここでクローザーの森原康平を起用して、9回裏で試合を決めるという積極策もあり得た。


まあ、森原が投げていたとしても、エラーが出てしまえばどうしようもないのだが。


その裏はクローザーの中川投手が2番から始まるベイスターズの攻撃を3人で抑えてゲームセット。



かなり悔しい敗戦だが、1敗は1敗と割り切って前を向くしかない。


明日は試合はないので、気持ちの切り替えに時間を使い、火曜日からのマツダスタジアムでのカープ戦に元気よく臨んでほしい。


そして、限られた出場機会の中で最高の結果を出した知野直人は、「チームが負けてしまったら意味がない」などと言わず、胸を張って欲しい。


あの代打逆転満塁ホームランは決して空砲などではない。


だから、首脳陣には、広島でも知野選手に出場機会を与えて欲しい。


そして、宮﨑と牧は敗戦の直接的な原因となった守備のミスを分析し、これからのさらに緊迫した試合の中で繰り返すことのないよう、確実性を高める最大限の努力をして欲しい。


この二人には日頃何度も打撃で救われているので、このエラーは責められない、というファンの方もいるとは思うが、打撃の活躍と守備のエラーは相殺できる種類のものではない。


私はかねてから思っているのだが、野球に関しては、プラス1とマイナス1とが同じ試合で起きるとプラスマイナス0になるということはないのだ。


あくまでもプラス1とマイナス1が両方とも記録されており、選手たちはプラスを増やすとともに、マイナスを減らす努力をしなくてはならない。


宮﨑敏郎も牧秀悟も守備のミスは打って取り返せば良いなどとは思っていないだろう。ミスを反省し、襟を正しているに違いない。




がんばれベイスターズ。


どんなに残念な負け方をしても応援している。


いや、残念な負け方をした時こそ今まで以上に応援する。