ずっと待っていた 4本柱で4連勝
開幕前夜 東克樹、トレバー・バウアー、アンドレ・ジャクソン、アンソニー・ケイといういずれも一線級の先発投手4人を擁するベイスターズはセリーグでも屈指の投手陣だと考えていた。
確かに、ライデル・マルティネスの獲得に失敗したブルペンにはやや脆弱性があるものの、これだけの先発陣は球団史上最高と言っても過言ではなく、投げ勝っていく野球ができると予想していた。
蓋を開けて見ると、バウアー投手が巨人戦と阪神戦で炎上するなど中々勝てず、そして、ジャクソン投手とケイ投手も好投しながら勝ち星に恵まれなかった。
しかし、
その4人がここに来てやっと揃って勝利投手になってくれた。
4月25日 東克樹 ベイスターズ 2 - 1 カープ
4月26日 アンソニー・ケイ ベイスターズ 2 - 0 カープ
4月27日 トレバー・バウアー ベイスターズ 2 - 1 カープ
そして今日 アンドレ・ジャクソン ベイスターズ 6 - 1 スワローズ
4試合でわずかに3失点、この期間に限ってはチーム防御率 0.75と極めて安定している。
4試合とも先発投手に勝ちがつき、のべ8人のリリーバーたち(ウィック、入江、伊勢、入江、伊勢、宮城、ウィック、颯)は全員が無失点で役目を果たした。
開幕時に思い描いていた投手陣がとうとう現実のものとして機能し始めた感がある。
懸念点は4月16日の試合でジャイアンツの田中将大投手を攻略して9得点を挙げて以来、連続9試合2得点以下というサブクリティカルな状態の続いている打線だが、投手陣に引っ張られるような形でとうとう着火した。
今日の試合を簡単に振り返ってみよう。
スワローズ先発のランバート投手は150キロを優に超えるストレートと切れ味の鋭い変化球を駆使する好投手だが制球はやや不安定だった。
初回一死から2番蝦名達夫がセンター前ヒットで出塁すると、3番度会隆輝は四球、4番牧秀悟は死球でそれぞれ出塁し、一死満塁のチャンスを掴んだ。
5番に入った筒香嘉智の当たりはお世辞にも捉えたとは言えないポップフライだったが、故障で離脱した長岡選手に代わってショートに入った武岡選手が捕球するも三走の蝦名がタッチアップしホームに滑り込んで1点先制。
武岡選手は正面を向きながら後退りしていき後傾して伸び上がりながら捕球したため、直ぐには送球出来なかった。
本来はセンターが処理すべき打球だったが、同期入団とは言え出場機会が長岡選手に比べてかなり少ない武岡選手の焦りが出てしまったか。
一方、ベイスターズ先発のジャクソン投手も必ずしも良い状態ではなかったように思う。
いつもの圧倒的なストレートは鳴りをひそめ、ヤクルトの各打者に捉えられた打球も多かった。
1-0とリードした2回に先頭の山田選手を歩かせてしまい、一死後、ランバート選手を0-2と追い込んでおきながらスリーバントを決めさせてしまったのは、山本祐大捕手も含めバッテリーとして不用意だった。
そして先ほど守備でわずかな隙から失点を許した武岡選手が起死回生のタイムリーヒットを打って1-1の同点に追いつかれた。
この武岡選手のクリーンヒットなどはストレートを完璧に捉えられており、いつものジャクソン投手のボールと球速はさほど変わらないが打者への圧力が弱かったように感じた。
しかし、ベイスターズ打線は5回にも蝦名選手のヒットを足がかりに、ランバート投手の2度のワイルドピッチで一死三塁として、3番度会隆輝が低めの変化球に体勢を崩されながら一、二塁間を破るタイムリーヒットで2-1と再びリードした。
この度会選手のバット捌きは確かに天性のセンスを感じさせるもので、この一打で今日のヒーローの座を勝ちとった。
ジャクソン投手はその後は粘りの投球を見せ、6回、98球、被安打5、奪三振5、与四球2、失点1のQSで勝利投手の権利を持って降板した。
球数もそこそこなので、次回も中5日で5月5日の中日戦に回るのではないだろうか。
9試合続けてベイスターズ打線を阻んでいた2点の壁が崩れたのは7回、エラーとヒットのランナーを置いて二死一、二塁から不振に喘ぐ宮﨑敏郎がスワローズ3番手のバウマン投手の2球目を捉えセンター前にゴロで抜けるタイムリーヒットを放った。
3-1とリードを2点に拡げる。
7回裏には2番手宮城滝太が登板してヒット2本を許し、一死一、二塁のピンチを招いたが、リードが2点あったことが幸いしてスワローズベンチの策は限定的となり、後続を絶って無失点で終えた。
8回には3番手のローワン・ウィックが登板したが、こちらはサンタナ、茂木、オスナの怖い3人を寄せつけず三者凡退に抑える。
ホールドを挙げたこの2人の踏ん張りがベイスターズ打線にさらに勢いをつけた。
最終回の攻撃では、回跨ぎの阪口投手から蝦名達夫がこの日3本目となるヒットで出塁し、二死二塁となって代打佐野恵太は申告敬遠、そして守備固めの柴田竜拓もストレートのフォアボールを選んだ。
柴田選手は終盤に打席に立って四球を選ぶことが多い印象だが、このストレートのフォアボールはさすがに阪口投手のミスと言って良いだろう。
続くバッターは4回に今季初ヒットを放ち気をよくしている石上泰輝。
1-2と追い込まれてから低めのボールにバットを逆らわずに当てると打球は投手の足下を抜けセンター前にゴロで転がるヒット。
これで走者2人が還って5-1、さらに続く山本祐大も詰まりながらライト前に落とすヒットで6-1とリードを広げて試合を完全に支配した。
点差の開いた最終回には颯投手がマウンドに上がり、二つの三振を含む三者凡退に抑えてゲームセット。
こうして冒頭に書いた“4本柱による4連勝”が完成した。
6-1と点差の開いた勝利だったが、相手投手の自滅や野手のミスなどに助けられた面も多分にあり、未だ完勝とまでは言えない。
しかし、今のチーム状況で連勝は最大のカンフル剤だ。
明日の予告先発は先日ファームの試合で完封勝利を挙げた吉野光樹投手。
そろそろホームラン攻勢でスワローズ先発予定の山野投手を攻略し、吉野投手が余裕を持って投げられるようなベイスターズらしい試合を見せて欲しい。
今日の試合はそのための序章だった、と明日の記事で書くことができるように今はただ祈ろう。
Go, Baystars!







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