mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

2025年ベイスターズがリーグ優勝する7つの理由





ベイスターズファンの皆さん、あけましておめでとうございます。


昨年は26年ぶりの日本シリーズ優勝という快挙を達成する一方でリーグ戦は3位に終わるという、自信と悔しさが絶妙なバランスでブレンドされた非常に期待の持てる結果だったと思っております。


今年こそはリーグ優勝からの日本一をということで、元日の夜には枕の下に宝船の絵を敷いて、星、あるいはハムスターもしくはリーゼントの初夢を見ようと準備万端だったのですが何一つ夢は見ませんでした。


大晦日の晩には自分が空を飛び回ってビル街を破壊しまくるという快感と罪悪感とが半分ずつ混ざった不思議な読後感の夢を見たんですけどね。


しかしまあ、結論から言うと、今年のセリーグはベイスターズが優勝すると言うことで決まったみたいですよ。


年頭にあたって、今日はそのあたりのことを書いてみようと思います。



【今年ベイスターズが優勝する理由その1:先発三本柱が確立されている】


昨年のポストシーズンは東克樹、アンドレ・ジャクソン、アンソニー・ケイの三投手が先発した試合の安定感が抜群だった。


2年連続二桁勝利を挙げた東投手の実力は既に折り紙付きだが、ジャクソン投手とケイ投手の速球の威力と変化球のキレも一級品であり、この三人が今年の先発ローテーションの核となることは間違いない。


新外国人だった二人は前半戦でやや苦労したが、NPBの野球に順応した後半は安心して見ていられる試合が多かった。


この三人の先発する試合は2勝1敗ペースが期待できるので、合計で40勝20敗というのは現実的な予想だろう。


つまり、3人で貯金20を積み立ててくれるということだ。



残りは勝率5割で良いので、大貫晋一、平良拳太郎、吉野光樹、石田裕太郎、先発に転向する伊勢大夢、そして即戦力のドラフト1、2位である竹田祐、篠木健太郎と言ったところで十分にやり繰りできる。


加えてトレバー・バウアーが復帰してくれたら、アカーン、確実に優勝してまう。



【今年ベイスターズが優勝する理由その2:捕手陣の充実ぶりが12球団トップレベルだ】


ベイスターズの暗黒期は谷繁さんの移籍から始まり、その後、相川さんもいなくなるなど捕手陣が壊滅的な打撃を受けたことで決定的になったという印象だ。


それほど、頼りになるキャッチャー達の存在というのは強いチームには不可欠のものである。


その点、伊藤光、戸柱恭孝という安定感のある守備と勝負強い打撃がウリのベテラン捕手と侍ジャパンの正捕手候補となった山本祐大、さらには若いが天才的なバッティングセンスを持つ松尾汐恩が競い合うベイスターズの捕手陣はNPB全体でもトップレベルだ。


持ち味がそれぞれ異なる彼らが知恵を出し合って投手陣をリードすることで相手チームも的を絞りにくいだろう。


打撃は水ものと言われ、ましてや守備的なポジションであるキャッチャーの打撃が一年を通じて好調を保つというのは至難の業だが、4人の捕手達の中から調子の良い選手を使うことで捕手の打順が打線の足を引っ張ることは避けられる。


これはセリーグの他チームには見られないベイスターズの強みだと思う。



【今年ベイスターズが優勝する理由その3:外野手の層が分厚くなった】


筒香嘉智、桑原将志、関根大気、佐野恵太、蝦名達夫、梶原昴希、度会隆輝の7人が三つのレギュラーポジションを巡って競い合うベイスターズの外野は激戦区だ。


この中で、私は梶原、度会という若手二人に特に注目している。


二人とも守備で不安定な面があり、バッティングでもそれぞれ弱点が残されているという問題はあるものの、非常に大きな伸びしろを感じさせてくれる。


この二人のうちどちらかが今年レギュラーの座を手に入れ、トップバッターあるいは3番打者で固定される可能性はかなりあると思う。


そうなると打線の機動性は大いに高まる筈で、これも優勝するチームには必要な要素だ。




【今年ベイスターズが優勝する理由その4:タイラー・オースティンが無事こそ名馬という言葉を覚えた】


オースティン選手は「怪我さえなければ」と言われ続けてきたが、今年初めて規定打席に到達し、首位打者というタイトルをとってチームの日本一にも貢献したことで、怪我をしないことの価値というものを身をもって実感した筈だ。


現に、ハッスルプレーは相変わらず彼のセールスポイントだが、昨シーズン終盤には、ここぞと言う時以外は自重する気持ちを持っていたようだ。


シーズンを通じて最大限にファンの期待に応えるためには、我慢も必要だと悟ったに違いない。


だから、来年こそは離脱することなく彼がベイスターズの打線を引っ張ってくれることだろう。


ああ、タイラー・オースティンが球団史上初となる三冠王に輝き、チームのリーグ優勝に貢献する近未来が見える。




【今年ベイスターズが優勝する理由その5:三森大貴選手が入団した】


現役ドラフトでの上茶谷大河、そして年末の電撃トレードでのハマちゃんのソフトバンクへの移籍には驚いた。


2016年と2018年のドラフト1位が相次いで放出されると言うのは、随分と思い切った手を打ったものだと思った。


野球評論家の諸氏やファンの間では3P両論、いや違った、賛否両論があるようだが、私はむしろ彼らよ入れ換えで入団する二人の選手に注目している。


ドラ1二人を出してまで取りたかった浜地真澄投手と三森大貴選手の実力は相当なものだと思うのだ。


同リーグで何度も対戦経験のある浜地投手(もう一度ハマのハマちゃんと呼ぼう)はもちろん、2年ほど前の交流戦でソフトバンクと対戦した時の三森選手の印象は非常に強いものだった。


しぶとく勝負強いバッティングと脅威的な俊足で高い確率で得点に絡んでくる三森選手は対戦相手からすると非常に困った存在だった。


あの三森選手がベイスターズに来てくれることによって、攻撃力も高い内野のユーティリティと言うカードが切れるようになる。


宮﨑敏郎の休養時のサード、タイラー・オースティンをベンチに下げた後に牧秀悟がファーストに入る際のセカンドなどで攻撃力の低下を避けるという意味では非常に有効なオプションだ。


彼が入団することによって、柴田竜拓、知野直人、林琢真、石上泰輝、井上絢登といったライバル達の競争がさらに激化し内野全体のレベルアップが期待できる。




【今年ベイスターズが優勝する理由その6:筒香嘉智が日本の野球に適応した】


昨年はMLBとの間合いの違いで日本の投手にタイミングが合わず、骨折による離脱などもあり一年を通じて活躍したとは言い難かった筒香嘉智だが、ポストシーズンで見せた打棒はさすがの迫力だった。


日本シリーズ第6戦での先制ホームランとダメ押しとなる走者一掃のフェンス直撃のツーベースの際には、本人も感覚を掴んだと言っており、今年はいよいよ本領を発揮してくれることだろう。


そして、米国での苦労の甲斐あって、筒香選手は今やジャイアンツの岡本選手と同様の重量級ユーティリティでもあるのだ。


彼は守備が売りものの選手ではないが、レフト、サード、そしてファーストをそれなりに守ることができる。


従って、彼がいるおかげで、オースティン、佐野、宮﨑の誰かが不調あるいは故障の折でも牧秀悟に加えて更に3人の強打者を打線に配置することができる。


これは143試合を戦い抜く上で非常に大きな冗長性となる。


ベイスターズの打線は今年もリーグトップの爆発力で優勝を後押ししてくれるだろう。




【今年ベイスターズが優勝する理由その7:牧主将以下全員が勝つことの尊さを体感した】


そして、何よりも、クライマックスシリーズと日本シリーズの優勝で日本一という世界観を体感したことがチームに大きな自信をつけるとともに、あの頂に登るためにはどんな努力も厭わないという王者のメンタルを身につけたことが大きい。


プロ野球は勝つことが全て、という言葉があるが、暗黒時代の負の遺産からスタートしたベイスターズはファンも含めて「負けたらいけない」というネガティヴな感情を持つ傾向があった。


しかし、これからは、勝つことだけを目標に出来得る全ての手を打ち、労力を惜しまないというプラス思考の集団になることができそうだ。


実績という裏付けがあった上でこうした勝者のメンタルを持つことこそが本当の意味での強いチームの仲間入りなのだ。


26才の若いキャプテンが率いるこのチームは彼の成長とともにこれから黄金期を迎えて行ってくれることだろう。




ということで、やっぱり今年はベイスターズの優勝で決まったようですね。


めでたし、めでたし。

優勝パレードを天高くから見守る人





雲ひとつない晴天の横浜でベイスターズの日本シリーズ優勝パレードが行われた。


ハンマーヘッドから横浜スタジアム前まで1.5kmの区間に詰めかけた観衆は30万人、単純計算して100mあたり2万人という凄い人数になる。


先導するリリーフカーに相乗りした三浦大輔監督と南場智子オーナー、木村球団社長と牧秀悟キャプテン、山中市長と大貫晋一選手会長に続いてラッピングバスに乗り込んだ選手たちが皆晴れがましい笑顔で沿道のファンたちに手を振っている。


選手たちは口々にこの素晴らしい光景に感動したこと、ファンから有難うと声をかけられてこちらこそ有難うございますと言ったこと、こんなに素晴らしいイベントを来年また経験できるように精一杯頑張ること、などを常よりも興奮した口調で語っていた。


1998年の時もそうだったが、ファンの中には遺影を掲げていた方も居られたようだ。


日本一になるのが二十何年ぶり、三十何年ぶりというのはこう言うことなのだろう。


その間に多くの選手たちが入れ替わり、チームの顔も変遷して行くことになるわけだが、我々ファンの人生だって否応なしに進んでいってしまうのだ。


そうしたことを踏まえた上で、南場オーナーはパレード出発時の挨拶でこう呼びかけた。


“今も天高くから見守ってくださっている往年のファンの皆さま”


その言葉を耳にして、私は思わず真っ青な空を仰ぎ見た。


そこには懐かしい顔が浮かんでいた。




私がベイスターズファンになったきっかけは、小学校2年生の時、同級生のおとうさんで熱心な大洋ホエールズファンだった方との出会いだった。


当時はジャイアンツのV9の最中で、東京中の少年たちは王選手や長嶋選手を英雄だと思っていたし、我が家でもご多分にもれず、巨人ファンの父が毎晩テレビでナイター中継を観ていた。


その友人のお父さんはダンディーな人で、旅行に出かけては旅先の風物を8ミリ映画におさめるという多趣味な方だった。


母親同士が仲良しだったこともあり、その友人の家族とは一緒に出かけることも多かったのだが、私としては、周囲には唯一の大洋ホエールズファンだったお父さんにとても興味があった。



そこで、ある日、恥ずかしがりながらも意を決して質問してみた。


“巨人が勝つことの方が全然多くて、みんなも巨人を応援しているのに、なんでオジさんは大洋を応援するの?”


その時のオジさんの答えが、その後のプロ野球ファンとしての私の人生を決めたと言っても良い。


“巨人は強くて、いつも勝つから応援しているというのはよく分かるし、それはそれで全然良いと思うよ。


でも、もう一つ別の考え方もあるんだよ。


なかなか勝てないかもしれないけど、勝つととっても嬉しいチームを応援したっていいんだ。


オジさんはそっちの方なんだと思う”


晩酌のかたわらテレビで巨人戦を観て、負けると口汚なく采配批判をしている父よりも、勝つととっても嬉しいチームを信じてひたすらに応援するオジさんの方がカッコイイと子供ごころに思った。


そして、その気持ちは今も変わらない。


オジさんは1998年の優勝を見ずに病気で亡くなってしまった。


もう大人になっていた私の同級生は最後に病室のベッドの上でオジさんと1mくらいの距離でキャッチボールをしたらしい。


私はその頃英国に住んでいたため、とうとうオジさんには会うことができなかった。





南場さんの言っていた“今も天高くから見守ってくださっている往年のファンの皆さま”の中の一人はこのオジさんであるに違いない。


オジさんはこの晴れ渡った横浜の空の下をゆっくりと進んでいく優勝パレードをいつものように穏やかな笑みを浮かべて見ているはずだ。


今日のこの素晴らしい瞬間は、なかなか勝てないかもしれないけど、勝つととっても嬉しいチームを信じて何年も何年も応援し続けてきたホエールズ・ベイスターズのファンへの最高のご褒美だ。


皆さん、おめでとうございます。


そして、オジさん、有難う。


オジさんのおかげでこんなに素晴らしい秋の日を迎えることができたよ。


横浜に残る喜び





2024年のフリーエージェント(FA)の権利を取得した選手がその行使を宣言できる期間は日本シリーズ終了後の11月5日から今日(15日)までである。


FA宣言をした主な選手は以下の通り。


菅野智之投手(読売ジャイアンツ)海外


大山悠輔内野手(阪神タイガース)国内

原口文仁内野手(阪神タイガース)国内


九里亜蓮投手(広島東洋カープ)海外・国内


木下拓哉捕手(中日ドラゴンズ)国内

福谷浩司投手(中日ドラゴンズ)国内


甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンクホークス)国内

石川柊太投手(福岡ソフトバンクホークス)国内


茂木栄五郎外野手(楽天ゴールデンイーグルス)国内


青柳晃洋投手(阪神タイガース)ポスティング

小笠原慎之介投手(中日ドラゴンズ)ポスティング

佐々木朗希投手(千葉ロッテマリーンズ)ポスティング


ジャイアンツの菅野投手や千葉ロッテの佐々木朗希投手のMLB挑戦(佐々木投手は25歳以下のため当面はマイナー契約に限定されるようだが)が注目されており、この二人が何らかの契約を得ることはほぼ確実だろう。



また、タイガースの青柳投手とドラゴンズの小笠原投手についても、近年の日本人投手の相場が上向いていることからそれなりのオファーはある可能性が高い。


ベイスターズはカープの九里投手について獲得調査に乗り出したというニュースがあったが、彼自身はMLBを優先的に考えているという情報もある。


今年のFA市場のいわゆる目玉となるのは、タイガースの大山選手、ホークスの甲斐選手と石川投手の3人となるが、彼ら3人とも”他球団の評価を聞いてみたい”という姿勢であり、宣言残留の可能性も残されているように思う。


特に、ホークスの二人は金銭面で言えば現在の所属球団での待遇も決して悪くないので、出場機会等の別の側面での条件次第というところか。


タイガースの大山選手は茨城出身で関東の球団への移籍希望があるという噂や、昨シーズンオフに球団からの複数年契約を辞退していることなどからある程度は移籍の可能性があるかも知れない。


このクラスの選手を獲得する在京球団ということだと、やはりジャイアンツになるだろうが、エースと4番の同時流出を避けるために岡本和真選手のMLB挑戦が見送りになりそうだという情報もあり、もしこれが本当だとするとタイガースの4番からジャイアンツの4番へのスライドという前代未聞の動きは起こらないことになる。



一方、FA宣言をせず残留した主な選手は次の通りだ。


大城卓三捕手(読売ジャイアンツ)


坂本誠志郎捕手(阪神タイガース)

糸原健斗内野手(阪神タイガース)


佐野恵太外野手(横浜DeNAベイスターズ)

京田陽太内野手(横浜DeNAベイスターズ)


髙橋周平内野手(中日ドラゴンズ)


石井一成内野手(日本ハムファイターズ)


西野勇士投手(千葉ロッテマリーンズ)


酒居知史投手(楽天ゴールデンイーグルス)


西野真弘内野手(オリックスバファローズ)


いずれも、それぞれの所属球団で活躍し、ファンに愛されている選手であり、本人たちもそのことを十分に理解し感謝しつつ残留という選択を下した。


活躍の場を求めてFAの機会を活用するのも、宣言せずに残留するのも選手自身の判断であり、長年の努力でやっと手に入れた権利なので、熟慮の上、後悔のない選択をして欲しいということに尽きる。


ただし、特定のチームのファンという立場では、やはり、長年に渡って声援を送り続けてきた選手が残ってくれる、来年以降も同じユニフォームで共に戦ってくれるというのは嬉しい限りだ。


特に、暗黒時代が長く続き、”横浜を出る喜び”などというフレーズも飛び出した我がベイスターズにあっては、ここ数年、主力選手が残留してくれる傾向にあることは喜ばしいし、隔世の感もある。


数年前に、梶谷隆幸選手と井納翔一投手が揃ってジャイアンツにFA移籍した際のファンの反応をみて、球団としても危機感を覚えたというコメントがたしか萩原本部長あたりからあったと思うので、それ以降に方針変更があったとみて良いだろう。


(佐野選手のコメント)


“2016年のドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから指名をしていただいて、自分のプロ野球人生はスタートしました。


指名待ちをしていたあの時の長く、苦しく、悔しい時間は今も自分の原動力となっています。


ドラフト会議で指名してくれた恩を活躍することで返せるのであればベイスターズのために活躍をしたい。その思いが変わることはありませんでした。


ファンの皆さまと一緒に勝利を分かち合えるようチームのために頑張って行きたいと思います”



(京田選手のコメント)


“ドラゴンズからこっちに拾って頂いたとき、声をかけていただいた球団。


今年日本一になりましたけど、リーグ優勝という目標を達成していないので、チームメートとリーグ優勝の瞬間を味わいたい。


とにかく、中心となって、もちろんレギュラー目指していく。


今から勝負が始まっているので若手の壁となれるようにしっかりやっていきたい”



二人とも、チームに対する愛着やチームメイトと共に野球をすることの喜びを感じてこのチームに残りたいと言う心情が表れている。


我々ファンの応援もこの決定に何がしかポジティブな影響を与えているとすれば本当に嬉しいことだ。


あの暗黒時代はすでに過去のものとなり、今や


“横浜に残る喜び”


が語られる時代になったのだ。


I can see clearly now the rain is gone!


と言うことさ。