mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

昨年入団した3人の活躍で2位攻防戦に連勝 そして貯金生活へ

その後の濱マイク





2位、3位直接対決のこのカード第二戦はベイスターズがアンソニー・ケイ、ジャイアンツが田中将大を先発に起用。


アンソニー・ケイは三連勝中で、9月2日のカープ戦3回から連続12イニング無失点と好調だ。


対する田中投手も自身の日米通算200勝がかかった試合で、ファームでの前回登板では5回を2安打無失点に抑え調子を上げている。


この両先発の投げ合いでゲームは投手戦の展開となった。


ケイ投手は、最速150キロ台半ばのストレートと曲がりの大きいスイーパーにカットボール、ツーシーム、チェンジアップを交えて三振の山を築いて行った。


やはり、左打者のインコースにツーシームをきっちり投げられるようになって、アウトコースのスイーパーやカットボールも活きてきたようだ。



右打者には得意の膝下のカットボールよりもバックドアのスイーパーを多用して配球を変えていたように見える。


三振はとれるものの、コースヒットや詰まった当たり、そしてセーフティバントなどで出塁は許しており、2回、4回、6回にはいずれも二、三塁のピンチを背負った。


しかし、その度に三振や内野ゴロで切り抜ける粘りがあった。


一方、今日の田中投手は、序盤、制球と緩急の使い方が冴えており、ベイスターズは4回までチャンスらしいチャンスを作ることができなかった。


田中投手に隙が見えたのは5回裏、山本祐大、石上泰輝の連打などで二死満塁のチャンスをつかむ。


この回あたりから、変化球がやや浮いてきたようで、ベイスターズの打者たちが芯で捉える打球が見え始めた。


そして、二死満塁でフルカウントまで粘った度会隆輝が7球目の外角低めに沈む変化球を捉えた打球はレフトの左を破るかに見えたが、丸選手が飛び込んでグラブの先端で捕球した。



抜けていれば2点あるいは3点が入ったところなので、田中投手を救うスーパープレイだったし、ベイスターズとしては守備から流れを持って行かれる嫌な展開に見えた。


しかし、続く6回裏、田中投手はさらに疲労が増し、ボールのキレ、制球ともに徐々に低下していったようだ。


先頭の筒香嘉智が放った打球は右中間を破る飛球だったが、今度はセンターのキャベッジ選手が先ほどの丸選手以上の離れ業のジャンピングキャッチで田中投手を盛り上げる。



ジャイアンツがチーム一丸となって田中投手の200勝を後押ししているのがはっきりと分かったし、こうしたチームプレイはジャイアンツの良い文化だと思う。


しかし、田中投手の投球の綻びは少しずつ広がり、それでも200勝のかかった彼を無失点のまま代えることはできない、というジャイアンツベンチの苦悩は、2位攻防戦という重要な試合では大きかったことと思う。


試合が動いたのは、その筒香の打席の直後。


タイラー・オースティンのヒットと佐野恵太の四球で二死一、二塁の場面で打席に入った石上泰輝が初球の真ん中に浮いたスプリットを思い切りよく振り抜くと、背走するライト中山選手が差し出したグラブの先端をかすめる2点タイムリーツーベース。


田中投手はもっと低めのボール気味のところを狙ったはずだが、やはり疲れのせいだろうか。失投といえば失投だった。


石上選手のバッティングも素晴らしかった。


バットがスムーズに出てきて、フォロースルーも綺麗な面を描く非常に良いスイングに見えた。



この回で田中投手は降板。200勝達成はお預けとなったが、今日のような投球ができるのであれば、今シーズンまだチャンスはもらえるだろう。


さらに、ベイスターズは7回にも度会隆輝がジャイアンツ2番手の船迫投手の初球を払うようにスイングしてライトスタンド中段まで運んだ。


これで3-0となり、ベイスターズのリードは3点に広がった。


石上選手のスイングは努力の賜物だが、度会選手の綺麗な弧を描く滑らかなスイング軌道は天才のなせる技のように感じる。



そして、8回表のジャイアンツの攻撃をケイ投手があっさりと三者凡退に退けたことで、ベイスターズの勝利は濃厚になったように思えた。


しかし、例年通り、シーズン終盤のジャイアンツ打線の粘りは凄みがある。


8回で105球を投じていたケイ投手は中5日ということもあり、そこで交代かと思っていたが、ベンチで三浦監督と言葉を交わした後、前列に座った誰か(オースティン選手か?)に聞かれて発した言葉は、“One more”だったと思う(読唇術ができるわけではないが、口の動きはそのように見えた)。


9回のマウンドに上がったケイ投手は先頭の岡本選手にツーベースヒットを打たれ、続く岸田選手はショートゴロ(セカンドランナーは動けず)、代打の切り札坂本選手はバックドアのスイーパーで空振り三振で二死二塁まで漕ぎつけた。


しかし、このところ好調のリチャード選手にはフルカウントまで粘られてレフト前ヒット。


二死一、三塁でジャイアンツベンチは一発のあるオコエ瑠偉選手を代打で起用。


ここが今日の熱視線!


2-2からオコエ選手が放ったピッチャー返しの鋭いゴロはセカンド寄りにポジションをとっていた林琢真が追いつき、セカンドベースに入った石上泰輝にトスしてフォースアウト。


3-0のままベイスターズが勝利。


ケイ投手は9回、126球、被安打5、奪三振11、与四球2、無失点で来日後初となる完封勝利で9勝目を挙げた。


ヒーローインタビューはそのケイ投手と殊勲打の石上泰輝、度会隆輝。


思えば、3人とも昨シーズンからベイスターズに入団した選手たちだ(ケイ投手は3Aラスベガスからの移籍、度会選手と石上選手はそれぞれ2023年のドラフト1位と4位)。



来日してから球速、制球ともにレベルアップしたケイ投手も含め、ベイスターズの育成プログラムが機能し始めている兆しを感じさせてくれる。


今日の勝利でベイスターズはとうとう貯金1を記録し、ジャイアンツに代わって2位に浮上した。


貯金を持っている限り、引き分け数の多いベイスターズはゲーム差無しでも勝率が若干高くなるというアドバンテージがあるため、1ゲームの差は実質1.5ゲーム差ということになる。


ジャイアンツとの2位争いはこれからどうなるものか全く分からないが、ベイスターズが貯金を一つでも増やしてシーズンを終えることを日々祈っている。