mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

週刊ベースボールの呪いを解け 東克樹と今週登板予定の左腕たち





東投手は先週日曜日(5月15日)の阪神戦で先発したが、3回を投げて被安打6、与四死球3
、奪三振4、失点4で敗戦投手となった。前週(同8日)の広島戦でも3回、被安打10、与四球1、奪三振3、失点7とやはり打ち込まれており、15日の試合後に三浦監督から登録を抹消することが告げられた。


今シーズンは開幕投手の大役を任されたものの、正直言って、オープン戦の段階から球威もコントロールも手術前の好調期に及ばないのはもちろん、手術後復帰したばかりの昨年後半と比べても、もの足りないものだった。


開幕投手の大本命だった今永昇太が左前腕部の筋肉の炎症(後に肉離れであることが判明)で離脱したため、消去法という意味合いがあったようにも思うが、トミージョン手術から復帰したばかりの東には少し酷なのではないかと思っていた。


いずれも3回で降板した直近二回の一軍での登板では、ストレートが指にかからず抜けたような軌道でキレもなく、そして高めの甘いところに言ってしまうという状態のように見えた。ひょっとすると、開幕戦で痛めた指先(投球中に皮膚がめくれた)の影響もあったのかも知れない。


今年習得した遅めのチェンジアップも含め、変化球でかわそうとしても、やはり生命線はストレートの威力であり、直球に差し込まれる恐怖のない一軍の打者に通用するほど甘いものではなかったということだろう。


斎藤隆ピッチングコーチによれば、今回の2軍降格は単なる抹消と言うよりはミニキャンプと呼ぶべきもので、下半身の再構築や、ひょっとすると、手術後の恐怖心を克服して、左肘を無意識に庇うようになっていたフォームを修正するというような作業も含まれているのかも知れない。




その東克樹が、前回登板から一週間を経て昨日のイースタンリーグ西武戦に先発した。
結果から言うと、6回、81球、被安打4、与四球1、奪三振6、失点1という投球だった。


ネット上では、ファームで失点しているようではまだまだ、2軍のバッターたちは圧倒できるようにならないと再昇格はおぼつかないと言ったコメントも多かったが、その判断を下す前にもう少し内容を見る必要があると思う。


確かに、2回までは、前週までの一軍での登板時と同様に、キレのない抜けたストレートが高めに浮いていて、2軍の打者にも綺麗に捉えられていた。しかし、一軍の打者と違ってこれらの良い当たりはファールになったり、野手の真正面に飛んだりしており、運よく仕留められることがなかった。


立ち上がりに打ち込まれて降板しなかったこと、つまり、この猶予期間が幸いしたように思う。3回に入ると、急に指にかかったストレートが低めに決まり始めた。球速自体は140キロ台中盤でありほとんど変化がないのだが、軌道が明らかに違っていた。


そして、ライオンズの打者たちはストレートに差し込まれ、ファウルを連発し始めた。
こうなると、得意のチェンジアップやスライダーが効き始める。久しぶりに見る東克樹の東克樹らしいピッチングだった。


この日、唯一の失点は、4回表の先頭打者にインコース低めの緩い変化球(カーブあるいはチェンジアップ)をうまくすくい上げられたソロホームランだった。そして、この打者は指の骨折からリハビリを経て実戦に復帰した森友哉だ。


森選手は、ご存知の通り、通算94本塁打を放ち、首位打者を獲得したこともある強打者で、”2軍のバッターたち”と一括りにされるような相手ではない。


そして、この森選手と東投手は昨日三回対戦したが、他の2打席はいずれも三振に切って取っている。特に、第3打席でフルカウントから見逃し三振を奪ったアウトローギリギリのストレートは素晴らしかった。球速は145km/hと全盛時にはまだ4~5キロほど及ばないが、テレビの画面でもスピンの良く効いたキレのあるボールであることはよく分かった。


森選手は、このボールに全く反応することができず、見逃し三振でベンチに帰って行った。


私はピッチングに関しては素人なので全く的外れかも知れないが、昨日の試合である程度球数を投げてからストレートが指にかかり始めたことを考えると、トミージョン手術後に投球数を制限して進めてきた東投手の復帰プログラムを少し見直して、そろそろ多くの球数を投げ込むことが必要なのではないかと思った。


勿論、左肘に少しでも不安があるのであれば絶対にやめた方が良い。しかし、医師やトレーナーも本人も問題ないという判断があるのであれば、こうした昭和な練習が今一番必要なのではないかと思う次第である。



上述した東投手は、最速で26日木曜日に再登録が可能となる。しかし、斉藤コーチもミニキャンプと言っているようにこの機会にしっかりと基礎を作りフォームを見直すべきだと思う。復帰するのは交流戦明けでも構わない。


今週始まる交流戦で登板が予定されているのは、今永昇太と浜口遥大である。そして、他の候補との兼ね合いや本人の状態によっては石田健大が本日抹消された有吉投手に代わって日曜日(29日)に先発するかも知れない。


今永昇太の先週火曜日の登板は、121球完封、被安打4、与四球1、奪三振13という快投で、チーム防御率が12球団で唯一4点台にあるベイスターズ投手陣を引っ張ろうと言うエースの気概を感じさせるものだった。


彼は、交流戦の初戦、明日(24日)の横浜スタジアムでのソフトバンク戦に先発するだろう。ただ一つ心配の種があるとすれば、それは、前週の121球の疲労が残っていないかということ。


そして、先週の試合後に”この一勝が来週には小さいものに見えるように頑張らなくてはいけない”という趣旨の今永語録を出していたこと。私のデータベースによれば、彼の責任感溢れる発言の後は気合いが空回りしてうまくいかない場合が多い。


誰か彼のところに行って、(できれば吉本新喜劇風の緩い関西弁で)”ぼちぼち行ったらええやん”と伝えて欲しい。もっとも彼も、もう今年29歳になることでもあるし、セルフコントロールのしっかりできる大人の投手になっているだろうという気もする。なっていてください



浜口投手も、先週のイースタンリーグでの登板は素晴らしいものだった。もともと、コロナで離脱する前の今シーズン最初の登板となった中日戦でも、8回112球、被安打6、与四球1、奪三振7、失点0という非常に良い内容であり、4月7日にコロナ陽性判定となって離脱してからもこの調子を保って(あるいは取り戻して)復帰してくれた。


今週の宜野湾キャンプのブルペンの映像をインターネット配信で漫然と眺めていると、やたらと頻繁に浜口が投げ込みをしている姿が目についた。そして、小谷アドバイザーはじめ、斉藤コーチや木塚コーチが総出で彼のフォームに細かな修正を施す時間が長かった。


ひょっとして、こうした彼やコーチ陣の努力が実を結びつつあるのではないだろうか?


開幕投手を任せられながらなかなか勝てず、終盤には故障で離脱してしまった昨シーズンの自分が情けなく、相当悔しい思いをしていたのではないかと思う。何となく目の色が変わっているように見えるのはそのせいかも知れない。


浜口投手は、木曜日26日のソフトバンク戦での登板が濃厚だ。
忘れもしない2017年の日本シリーズ第四戦、3戦全敗で後がなくなったチームの命運を握ることになった当時新人のハマちゃんが8回途中までノーヒットノーランの好投を見せた。まさに快刀乱麻という感じだった。


ハマちゃんも今年の3月で27歳になった。1イニングあたりの最多押し出し記録更新など、あれから色々あったが、今週のソフトバンク戦でもう一度、自身のポテンシャルがどれほど素晴らしいものであるかを”浜口ってピッチャーは大仁田厚に似てるよなー”とか言っている人たちに知らしめて欲しい。


日曜日29日に先発する可能性がゼロではない石田健大は、先々週のファーム交流戦(日本海オセアンリーグ選抜)での好投につづき、先週は18日のジャイアンツ戦で先発して4回を投げ、63球、被安打2、与四球1、奪三振4、無失点と順調な調整ぶりを見せてくれた。


一時期見られたマウンド上での落ち着きのなさやちょっとビビったような投球は微塵も見られず、コロナ陽性で離脱する前の良い状態がキープできているように思う。


石田投手はスライダー、カーブ、チェンジアップなど多彩な球種を操ることができるが、やはり、他の投手と同様、生命線となるのはストレートのキレで、今年はこれが非常に良いように思う。


こういう安定感のある先発投手が一軍に戻ってきてくれるとやはり大変頼りになる。
何とか、明日のイースタンリーグヤクルト戦で調整登板して短いイニングを投げ、抹消された有吉投手に代わって日曜日の西武戦に先発してくれないだろうか?


他の候補としては、先週のイースタンリーグで好投した京山投手がいるが、まだ安定感に欠けており、フォアボールから崩れて結局打ち込まれるという未来像が脳裏に浮かんでしまうのだ。


仮に今週の日曜は見送った場合でも、遅くとも交流戦の第二週あたりで一軍での復帰登板が見られるだろう。



野球ファンの皆さんはよくご存知だと思うが、これは、ベースボール・マガジン社の『週刊ベースボール』誌に特集されたチーム・選手が、極度の絶不調に陥るというジンクスのことである。週刊ベースボール社の方も自ら”週べの呪い”と呼んでいるのがタチが悪い。


ベイスターズファンにとって忘れられない例としては次のものがある(新・ナンJ用語集wiki
より抜粋 https://wikiwiki.jp/livejupiter/週刊ベースボールの呪い)。


”2015年5月27日に「17年ぶりのVへ突き進め! 熱き星たちよ!!」と横浜DeNAベイスターズを特集。


すると直後に首位から引き分けを挟んで12連敗、交流戦歴代最低勝率.176を叩き出す。


それでも前半戦を首位で折り返すが、7月29日に2度目の特集「BAY DREAMS COME TRUE!夢を叶える星たちよ!!」を組まれた結果、前半戦首位ターンから最下位というプロ野球史上初の不名誉記録を打ち立ててしまった。”


そして、もう一つ。こちらが今日の本題。


”2018年2月26日号では最強!左腕カルテットと題してDeNAが誇る先発左腕4人を特集。


しかし今永昇太と濱口遥大が怪我で開幕に間に合わず今永は復帰後も炎上続きで先発が軒並み不在のチーム事情からそのまま投げ続け終わってみれば4勝11敗。


濱口も復帰後は援護が貰えなかったり中継ぎに勝ちを消されたりと中々勝ちが付かず7月に初勝利。押し出しグランドスラムもあったが状態は今永・石田と比較して良かったのだがシーズン負け越し。


石田は開幕投手を務めたものの援護があってもすぐ吐き出す不安定なピッチングが原因で先発を剥奪されて一時期は中継ぎに回された。


結果的に下馬評通りの活躍をしているのがルーキーながらタイトル争いも狙える成績を残し新人王を獲得した東克樹のみという状態に陥った。


またこの呪いは翌2019年以降も続いており、2019年は今永・石田は復活と遂げたものの今度は濱口・東が怪我やアクシデントで離脱を繰り返しており2020年のキャンプ中に東がトミージョン手術を受け翌2021年夏場まで離脱。


更にシーズン中が始まると石田がリリーフに専念、濱口もローテこそは守っているが内容が非常に悪く、エースとして開幕投手を任された今永もシーズン途中に左肩を痛めそのまま左肩のクリーニング手術を行いシーズン絶望となっており、発売から左腕カルテットが揃ったことは殆どない。”


上等だ。今年こそ全員揃って左腕王国を建国してやろうじゃあないか。


そう、今がその時だ。