mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

一打同点の好機を逸したが 牧君の授業料と思えば安いものだ



6月12日 対千葉ロッテマリーンズ ZOZOマリンスタジアム 4-5 負け


勝てば貯金2で交流戦を終えると言う最終戦。相手先発はこれまで何度も好投しながらプロ未勝利の佐藤奨真投手。初勝利をあげるとすれば相手は自分のところなのではないか、と思うのがベイスターズファンのメンタルなのだが、これがまた当たるのだ。


常にマリーンズが先行し、ベイスターズが追いかけるという展開の今日の試合。


クライマックスは8回表一死満塁と言うベイスターズの一打同点のチャンスだった。その後、両チームとも点を取り合ったが、それはもうオマケのようなものさ。




代打でツーベースヒットと結果を出したソト選手を7番DHに戻し、その代わりに左投手の対戦成績がはかばかしくない柴田をベンチに下げた。宮崎は久しぶりのサードでスタメンからの出場となった。


1. 佐野(1B)
2. 関根(LF)
3. 蝦名(RF)
4. 牧(2B)
5. 宮﨑(3B)
6. 大和(SS)
7. ソト(DH)
8. 嶺井(C)
9. 桑原(CF)


投手 石田健大(5回1/3)→三上(1/3回)→入江(1回1/3)→平田(1回)


1回裏 マリーンズの攻撃


無死一塁から2番マーティンのライトスタンドに飛び込む先制ツーランホームランで0-2とリードを許した。その後も石田は不安定だったが、一死一、三塁のピンチはなんとか抑えた。


2回以降は立ち直った石田が5回までヒット1本とフォアボール一つに抑え、ベイスターズの反撃に向けて流れを手繰り寄せた。


6回表 ベイスターズの攻撃


先頭の9番桑原がライトへのヒットで出塁し、打順はトップバッターに戻る。


打席に入った佐野恵太が佐藤投手の初球カットボールを狙いすまして振り抜くと打球はライトスタンドに飛び込む同点ツーランホームラン。2-2の同点として試合を振り出しに戻した。



6回裏 マリーンズの攻撃


自身の好投に報いるように打線が同点に追いついたところで、この回だけは抑える必要のあった石田投手だったが、それが簡単ではないことは経験的に知っている。


先頭の5番山口にフルカウントから三塁線ギリギリを破るツーベースを打たれた。


打球がベース手前でラインに当たり白煙が上がったのが見えたがそこからファウルゾーンに切れて行き、審判も微妙なジャッジを強いられるようなあたりだった。これがこの日のベイスターズの運を表していたのかも知れない。


続く6番佐藤(都)の送りバントで一死三塁となったところで、石田に代わって三上がマウンドに上がったが、今日は甘いボールが多かった。エチェバリアと荻野に2本のタイムリーを打たれてセンターフライの一死しか奪えず降板した。2-4と再びマリーンズのリードは2点に広がる。


8回表 ベイスターズの攻撃


マウンドにはマリーンズの3番手西野投手が上がった。


先頭の桑原が深いショートゴロで一塁に執念のヘッドスライディング。口のあたりをベースにぶつけながら何とか内野安打で出塁すると、続くこの日好調の佐野はセンター前ヒット。


さらに関根の送りバントの後、蝦名の代打藤田一也が追い込まれながらフォアボールで出塁した。一死満塁となり、一打同点のチャンスで打席に4番牧が入る。


牧は西野のボールになるフォークを冷静に見逃し、3-0と圧倒的に打者有利のカウントとなった。


ピッチャーはもうストレートしか投げられない場面で、牧はストレート一本に絞り、来たら打つと決めていたのだろう。


西野の投じた4球目は低めに決まって、牧のバットはボールの上っ面を叩いてしまった。


ボテボテのピッチャーゴロで併殺。絶好のチャンスを逸してこの回無得点で終わった。



8回裏 マリーンズの攻撃


二死から高部がヒットで出塁し、すかさず盗塁を決めた。実はこれが痛かった。


もう一点もやりたくないベイスターズベンチは外野に前進守備を命じ、続く荻野のライトへの当たりが蝦名に代わって守備についていた神里の頭上をぎりぎり超えるタイムリースリーベースとなり、2-5とダメを押された。


9回表 ベイスターズの攻撃


先頭の宮﨑がヒットで出塁し、ソトが今日2本目となるフェンス直撃のツーベースヒットで一死二、三塁のチャンスを作る。


続く戸柱のセカンドゴロの間に一点返し、さらに桑原の打席で益田投手が珍しくスライダーを引っかけて暴投の間にもう一点。土壇場で4-5と追いすがった。



しかし、二死走者なしで桑原は平凡なレフトフライに倒れゲームセット。
久しぶりに追いつかない程度の反撃を見て、何だか懐かしかった。




負けはしたものの、今後に期待させるようなこともいくつかあった。


まず、キャプテン佐野が一時同点となるツーランホームランを含む猛打賞で打率 .332まで上げて来たこと。この調子を保って金曜日に再開されるリーグ戦でも大暴れして欲しい。


ソト選手は、先日代打で出場した時もツーベースを打っていたが、今日も2本のツーベースで復調気配を見せた。フェンス直撃の当たりがもう少し上がってスタンドインしてくれるようになると相手バッテリーにとって再び脅威になるだろう。


入江投手は良い時と悪い時がはっきり分かれるのが現状だが、今日は良い方の彼の投球だった。二死満塁のピンチで降板した三上投手の後を継いで登板し、3番中村奨吾選手をフルカウントから見事に三振に打ちとった。


回跨ぎの7回も二つの三振と内野ゴロで完璧に抑えた。完全なタラレバだが、もし、石田投手から入江投手に直接リレーしていたら、と思わせるような好投だった。


ストレート、スライダー、フォークとも球威は抜群なので、制球とメンタルを安定させてこれから登板の度に好投の割合を高めていくことができれば、勝ちパターンに組み込まれるだけの資質を持っていると思う。


桑原選手もマルチヒットで打率を .227まで戻した。昨シーズンの活躍を考えれば、まだまだ満足できる数字ではないが、彼らしいホームランや泥臭い内野安打なども出て来つつあるので、リーグ戦再会後は再びトップバッターを任せられるかも知れない。


そして、一死満塁の同点機を逸した牧秀悟について。


押し出しの可能性もあるスリーボールから打って行く積極性は良いと思う。
しかし、あの時の彼には珍しく気負いや焦りのようなものが感じられた。このところチャンスで凡退することが何度かあったのでプレッシャーを感じていたと言うことはあるだろう。


ストレートを狙ってストレートが来た。それは低めの難しいボールだったがやや強引に打ちに行ってしまい、バットを止めることが出来なかった。


すでにベテランの貫禄と言われる彼の24歳らしい若さを久しぶりに感じた瞬間だった。
しかし、これと似たような試練はこれまでも何度かあり、その度に彼はあっという間に学習して次の機会に雪辱を果たして来た。きっと今回もこの反省を活かして、今後は相手バッテリーから見るともっと恐ろしい4番バッターへと凄みを増して行ってくれることだろう。


プロ野球で本当に必要な技術と精神は真剣勝負で勝つことあるいは負けることでしか身につかない。


だから、これは彼にとって最高の修行に違いない。


牧秀悟の授業料と思えば今日の負けは安いものだ。


きっとこれから何倍にもなって返ってくる。