mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

牧秀悟対佐々木朗希 新たな名勝負伝説の始まり



6月11日 対千葉ロッテマリーンズ ZOZOマリンスタジアム 2-1 勝ち


今日はマリーンズの佐々木朗希投手が先発ということで、何と言っても佐々木対ベイスターズ打線の対決が見ものだ。


勝負ごとである以上、勝ち負けが大事なのはもちろんだが、それとは全く別の次元で素晴らしい選手同士の対戦を見ることもプロ野球本来の楽しみ方の一つだろう。


特に、完全試合を達成した佐々木朗希投手と三冠王に最も近い右打者と言われている牧秀悟選手の初対戦はこれから毎年の交流戦やオールスターで繰り広げられることになるだろう伝説の名勝負の始まりだ。


交流戦の勝ち越し云々と言うような細かいことは気にせずに、今日は純粋に野球を楽しもう。
→と、ここまでは負けることも想定しつつ書いていたのだが、結局勝ったのでなお良し。これで交流戦は五分以上となることが確定し、中日が敗れたため今シーズン初めて4位に浮上した。




スタメンは昨夜の試合と全く同じ。


佐野の1番はそろそろ変えても良いように思うが、おそらく交流戦はこのラインアップで走り切ると言うことだろう。


1. 佐野(1B)
2. 関根(LF)
3. 蝦名(RF)
4. 牧(2B)
5. 宮﨑(DH)
6. 桑原(CF)
7. 柴田(3B)
8. 嶺井(C)
9. 森(SS)


投手 京山将弥(6回)→H 伊勢(1回)→H エスコバー(1回)→H クリスキー(1回)→勝 田中健二朗(1回)→S 山﨑康晃(1回)


2回表 ベイスターズの攻撃


ファーストストライクに積極的に手を出していく作戦のベイスターズ打線は、初回全て内野ゴロ、5球で佐々木投手に抑えられたが、2回先頭の牧は落ち着いてボールを見ていた。


1-1からの3球目だった。高めに浮いたスライダーあるいはカットボールを思い切りよく振り抜いた打球はライトスタンドに吸い込まれていった。今シーズン第16号となるソロホームラン。


このところ不調気味だった牧秀悟の久しぶりの一発でベイスターズが1-0と先制した。



6回裏 マリーンズの攻撃


先頭の高部が意表をつくセーフティバント。後ろ目に守っていた柴田は全く間に合わず一塁セーフ。さらに高部はあっさりと盗塁を決めて無死二塁。


ここでマーティンにフォアボールを出したが、最後の球となった外角のフォークボールを嶺井が痛恨のパスボール。無死一、三塁とピンチが広がった。


そして3番中村奨吾の犠牲フライで高部がホームインして1-1の同点に追いつかれた。


11回表 ベイスターズの攻撃


マリーンズ4番手の東條に対して、先頭の柴田がショートの頭上を越えるセンターへのヒットで出塁。続く嶺井はツーストライクまで追い込まれながらも何とか送りバント成功で一死二塁のチャンスを作った。


ここで、ベイスターズベンチは今日ヒット無しの森に代わって勝負強い大和を代打に送る。
大和は期待に応えて初球の真ん中のボールを振り抜き、左中間を深々と破るタイムリーツーベースヒット。土壇場で2-1と再びリードを奪った。



その裏は山﨑康晃が登場して安田を見逃し三振、荻野を空振りの三振、最後の打者となったエチェバリアをショートゴロに打ち取ってゲームセット。


ベイスターズが接戦を延長でものにした。



先発の京山は今シーズンのベストピッチだった。キレのあるストレートと変化球が低めに制球され、6回92球、被安打3、与四球2、奪三振3、失点1だったが、許したヒットのうち一つはセーフティバントだったし、失点も嶺井のパスボールが絡んでのものだったので自責点は0だろう。


相手投手がエース級でなければ勝ちがついて当然という投球だった。


勿論首脳陣もそのように評価するだろうし、その評価を自信にしてリーグ戦での好投を祈る。
今日のような投球を続けていれば、必ず今シーズンの初勝利に結びつくはずだ。



9回裏に4番手で登板したクリスキー投手は連続ヒットとフォアボールで一死満塁という一打サヨナラの大ピンチで高部をセカンドゴロ、マーティンを素晴らしいキレのスプリットチェンジで空振りの三振に打ち取った。


相変わらず不安定な投球を見せることもあるクリスキー投手だが、最大のピンチを切り抜けたことが彼のNPBでの経験と自信を積み重ねることになることを期待したい。



牧については最後に書くとして、打のヒーローは大和。


昨年の交流戦でもサヨナラヒットを打っていたことを本人も勿論覚えており、初球から思い切りいくと決めていたところに東條の失投気味の甘いボールが来た。


さすがに百戦錬磨のベテランという大きな仕事だった。



上述の通り、第一打席は3球目の高めに浮いたスライダーをコンパクトに強振してライトスタンドへのホームラン。牧の勝ちだった。


振り返ってライトスタンドに飛んでいく打球の行方を見送る佐々木投手が意外そうな表情をしていたのはなぜだったのだろうか?


考えられるのは、一つ前のボールが同じコースのストレートだったので、意識して同じところに投げて緩急差をつけたのに、牧が本能的に反応してうまくためて打ったことが予想外だったのかも知れない。



第二打席は2-1からの4球目、161km/hのストレートを振りに行ってボテボテのショートゴロに終わった。この打席は佐々木投手の勝ち。


やはり良いコースに佐々木投手のストレートが決まるとジャストミートすることはかなり難しいようだ。


第三打席は回の先頭だったが、5球目の内角のスライダーを引っ張って詰まった当たりは浅いレフトフライ。逆球になったがその分、佐々木投手が普段は狙わない右バッターのインコースに行って牧はやや裏を書かれた形になった。


今日の初対戦は3打数1安打、ホームランで1打点の牧秀悟に軍配が上がったと言って良いだろう。しかし、これは、これからずっと続いていく物語の最初の1ページに過ぎない。


既に伝説となった過去の名勝負の一つ、掛布雅之が好敵手だった江川卓の浮き上がるような速球について語った言葉。



”江川君のボールには、”江川”とはっきり名前が書いてあるんですね。”