mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

左腕カルテットの復活とオースティン復帰そしてカープのいない世界



先週は前半の巨人戦で2勝1敗と勝ち越したものの、広島に週末恒例となったスイープを達成されて2勝4敗。借金返済どころか逆に二つ増やしてしまう悔しい展開となった。


しかし、今週は今週の風が吹くさ。


試合のない今日は、三つのポイントに注目して今週の展望をまとめてみた。




石田健大、東克樹、今永昇太、そして浜口遥大のいわゆるベイスターズの左腕カルテットが怪我なく揃うのは何年ぶりだろうか?


東が新人王に輝いた2018年は一応揃っていたのだが、今永が絶不調で先発ローテーションには入らなかった。そして、その時の打たれ方とこの2試合の彼の炎上ぶりが似ているような気がしてならないのは私だけだろうか?


先週のこの4人の成績は次のとおり。


22日水曜日 対巨人 石田健大 3回 打者15 奪三振2 被安打6 被本塁打2 与四死球1 失点4


同23日木曜日 対巨人 東克樹 5回2/3 打者25 奪三振6 被安打7 与四死球3 失点3


同24日金曜日 対広島 今永昇太 5回 打者24 奪三振5 被安打8 被本塁打2 与四死球1 自責点5


同25日土曜日 対広島 浜口遥大 4回 打者20 被安打6 与四死球5 自責点5


勝ちがついたのは東のみで、今永と浜口は敗戦投手、石田は勝敗つかずだったが、4試合で1勝3敗と負け越した。


4人全体としての防御率 8.66、被打率 .365、WHIP 2.09とかなり厳しい数字になっている。被打率に関しては全員が3割を超えており、特に石田と浜口は4割も超えてしまっている。


今週もこの4人は恐らく同じ順番で先発のマウンドに上がると予想されるが、立て直すことはできるだろうか?


6月29日 石田健大 対 阪神打線


コロナの隔離期間前の石田投手は往年のストレートの威力を取り戻して空振りやファウルを取ることが出来ていた。この状態であれば、変化球も生きてくるので、投手有利の投球が可能になる。


4月6日の前回の阪神との対戦では、勝敗はつかなかったものの、6回を被安打4、与四球1、自責点1の好投でチームに勝利をもたらした。


先週の石田投手はストレートが弱く、攻める投球が出来ていなかった。そして、阪神打線は連敗中の4月初旬とは見違えるほど活発になっているので厳しい戦いが予想される。


ここでのポイントはただ一つ。石田投手のストレートの走りだろう。彼もこの一週間でトラックマン等でデータをとり、速球の球質改善に取り組んでいるはずだ。長い回を投げたい、などと言わずに初回から飛ばして行けるところまで頑張って欲しい。



6月30日 東克樹 対 阪神打線


石田投手とは対照的に先週の東投手は速球が走っていたし、要所で厳しいコースにズバッと決める彼らしい制球も見せていた。しかし、6回になって球数が100に近づくと球威、制球共に不安定になり、巨人打線につかまって吉川、坂本、中島にヒットを浴びて降板した。


この時点では2失点だったのだが、代わったクリスキーが代打中田翔にホームランを浴びて3失点となってしまった。


そもそも6回途中で105球というのは多すぎる。これは序盤から巨人打線に粘られたこと、そして逆球や浮いた変化球など無駄なボールが多かったせいでもある。


復帰第一戦で気負いもあったと思うので、今週の登板では序盤から冷静に安定した制球を見せて100球前後で7回を投げ切るHQSを目指して欲しい。



7月1日 今永昇太 対 ヤクルト打線


今永は恐らくメンタルの問題だろうと思う。ご不幸のことを引きずっているというよりは、いつも以上に頑張ろうという気持ちとノーヒットノーラン後さらに乗っていこうという気持ちが気負いにつながってしまったのではないだろうか?


右肩の開きが早く、真ん中にボールが集まってしまうという2018年の不調時と同じような傾向がみられたように感じた。


彼の場合は、チームの浮沈がかかっているなどということを背負わずに努めて淡々と投げることができるかどうかがポイントだろうと思う。


もし本当に2018年と同様の問題が原因だとすれば、そこからどうやったら脱出できるかという方法についても彼なりのノウハウを持っているはずだと思う。


対戦相手は彼自身今シーズン初となる強力ヤクルト打線だが、それはあまり意識せず、自分のピッチングをすることが重要だと思う。


絶対勝てるように、などとは考えない方が良い。チームの勝ち負けは先発投手とはいえ一人の力で決めることなどできないのだから、このところ安定している大貫晋一投手のように、自分のできる仕事をしっかりやるという現実的な目標に目を向けてもらいたい。



7月2日 浜口遥大 対 ヤクルト打線


先週のハマちゃんは素晴らしい立ち上がりを見せたのだが、3回に野間選手にツーベースを打たれると、そこから一気に崩れた。


ツーアウトから5失点のビッグイニング。まさに広島打線らしいつながりだったが、ヤクルト打線の破壊力はこれに勝るとも劣らない。


制球が不安定になって走者をためたところで村上選手や山田選手に一発を打たれると言った嫌なシーンが何となく目に浮かぶ。


唯一の救いは濱ちゃんの意外性だ。難しそうな時ほど好投するということがあったような気がするので、極めて根拠は薄弱だが、2017年の日本シリーズでのソフトバンク相手の快投をもう一度と念じているようにしよう。





昨日の報道で、タイラー・オースティン選手が28日からのイースタンリーグ西武戦(横須賀)で実戦に復帰する可能性が高いという記事があった。複数社が報じていたので、そういう話があることは間違いないのだろうと思う。


これまで球団のSNSなどを見ていると、数週間前からバッティング練習やジョギングそして捕球中心の守備練習は行っていたようなので、少なくとも打撃に関してはフルパワーに近い状態で出場できるということなのだろう。


イースタンリーグの試合にはDH制があるので、まずは指名打者として出場を続け、実戦勘を取り戻すとともに状態が上がれば守備にも就くということだろうか。


一軍の試合にライトのスタメンで出場するとなると、送球は必須の条件になるので、クリーニング手術を行なった右肘が強い送球にも耐えられるまで待つか、あるいは当分の間は代打としてベンチスタートするような起用法でも早期に昇格させるかという判断を今週にも下すことになるのだろう。



オースティン選手が加わることによる打線へのインパクトはかなり大きい。佐野、牧、宮﨑の3人はいずれも強打者だがホームランバッターではなく、どちらかといえば中距離打者だろう。


その上、ホームランキングに2度輝いたソト選手が不調で今シーズンまだ5本しかホームランを打っていない状況だと、相手バッテリーはヤクルトや巨人打線ほどには一発を警戒する必要がないことになる。オースティン選手が加わり、調子が上向いてくると、ここが大きく変わってくるのは間違いない。


もう一つ考えるべきことは、オースティン選手に代わって誰をファームに落とすかということだ。


普通であれば外野手の誰かということになるが、好調の蛯名選手と復活傾向の桑原選手は落としにくいだろう。


神里選手はこのところ勝負を決定づける働きをしているのでこれもちょっと難しいし、上げたばかりの楠本選手ももう少し様子を見たいと思うだろう。


そう考えると関根選手あたりになるだろうか?あるいは、佐野選手をファースト専任ということにして、不調のソト選手をファームで手首のリハビリと調整に専念させるというオプションもある。


さらに悩ましいのは、ファームで細川成也選手が絶好調だということだ。


6月に入ってから打率 .419、7本塁打、18打点で現在18試合連続ヒット継続中という無双状態なので、これで昇格させないということになると彼自身そしてファームの他の選手のモチベーションにも関わるということがあるかも知れない。



一つの可能性は、オースティン選手の昇格時にファーム行きとなる選手を早めに細川選手と入れ替えて、オースティン選手が昇格するまでの間彼を積極的に起用するという手だ。


そして、オースティン選手の昇格の際に、細川選手も含めて他の外野手やソト選手などと比較して誰を残すかを決定するということは考えられる。


そう思って今日の公示に注目していたが、何も動きはなかった。
明日の公示そしてイースタンリーグのスタメンなど今後の動向を見守ることとしよう。




SF小説では、「もし〇〇が××だったら」という設定のものが多くある。
一番有名なのは、第二次世界大戦で枢軸国側が勝利し、アメリカ合衆国がドイツと日本に分割統治されている世界を描いたフィリップ・K・ディックの「高い城の男」だろう。


試合のない月曜日は、こういうどうでも良いことを少し考えてみても良いかも知れない。


もし何かのご事情で広島東洋カープさんが今年のセリーグのペナントレースに参加できていなかったら世界はどうなっていただろうか?


カープのいない世界での現在のセリーグ5球団の順位表は次の通りとなる。



我がベイスターズは28勝27敗、勝率 .509で阪神に次いで3位にいることになる。この世界でもヤクルトは他チームを引き離して首位にいるが、巨人はベイスターズと1.5ゲーム差で中日とゲーム差なしの4位に下がる。


ちなみに、現実の世界では、ベイスターズはこれまで得点232、失点285とこちらもかなり失点が超過している状態だが、カープのいない世界では得点198、失点202とかなり見栄えが良くなる。


以上、簡単にまとめると、カープのいない世界ではベイスターズは結構健闘しているのだ。


そして、皆さんに朗報があります。


昨日の横浜スタジアムでの試合を終えて、これから「カープのいない世界」は7月12日まで続くことになるのです。


その間にオースティン選手の1軍合流や左腕カルテットの復活があれば、その時には本当に横浜反撃の狼煙をあげて広島にリターンマッチを挑むことができるだろう。