mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

明日からの9連戦の展望 ピッチャーの役割とバッターの役割



9月5日 試合予定なし


悪夢のような三戦連続完封負けを喫したマツダの週末が終わり、新しい週が始まった。


そして、今日から始まるのは6勤1休の一週間ではない。明日から来週の水曜日まで休みなしで続く9連戦なのだ。


今シーズンの集大成となる九月の長期連戦のパート1を目前にして、今日はその展望をまとめてみたいと思う。




今朝の日刊スポーツで報じられていたが、この連戦に向けて先発ローテーションの再編成を行う可能性があるらしい。


この記事によれば、明日の巨人戦で予告先発が既に発表されているエース今永昇太を中5日で12日のヤクルト直接対決に回し、これまで金曜日担当だった右のエース大貫晋一を中8日で11日のヤクルト戦に配置転換するとのこと。


今永はどちらかと言えばヤクルト戦は苦手なイメージがあるが、エースであるということ、そして8月は5戦無敗と好調であることから理解できる。もちろん、明日の巨人戦では少ない球数で上がるようにすることが前提だが。



しかし、大貫の中8日はもったいないし、彼の防御率が対阪神では1.29なのに対して対ヤクルトだと3.49と約3倍に跳ね上がることから、あまり得策ではないように思える。


元々、この記事は横浜スタジアムでの投手指名練習に上茶谷大河が参加したことから始まっている。


上茶谷を9日金曜日の阪神戦に先発させて大貫の登板日を後ろにずらすという発想なのだと思うが、彼は大貫とは逆に、ヤクルトに対する防御率2.25で阪神には13.50と打ち込まれているのだ。


普通に考えれば、先週と同じ金曜日の阪神戦を中6日で大貫に託し、11日土曜日のヤクルト戦で上茶谷を起用する方が得策と思われる。


首位との直接対決に右のエース大貫をぶつけるというのは筋が通っている反面、3位を叩いて2位固めする方が現実的な戦術という考え方だって当然ある。


7日と8日の巨人戦は先週までのローテーション通り、濵口遥大とフェルナンド・ロメロが先発でまず間違いないだろう。


この二人は先週の中日戦では安定したピッチングを見せてくれた。ロメロがドラゴンズ以外のチーム相手にも同じような好投を見せてくれるかどうかが注目すべきポイントだ。


この二週間ほどパッとしないが阪神戦は苦手ではない(タイガース打線が左腕をやや苦手としているという方が正解かも知れない)石田健大をローテーション通り10日土曜日の阪神戦で先発させるのもほぼ間違いないと思う。


よく分からないのは、13日と14日のバンテリンドームでの中日戦だ(15日木曜日は試合なし)。少なくとも次の3通りの可能性が考えられる。


(オプション1)今永がスライドして空席になる13日火曜日に東克樹を先発復帰させ、14日水曜日は今週と同じく濵口遥大が先発(この場合、ロメロは一週お休み)


(オプション2)13日火曜日に東克樹を先発復帰させ、14日水曜日はバンテリンドームの中日戦が大好きなロメロを中5日で起用(この場合、濵口遥大は16日の広島戦に移動して悪夢の3連続完封から変化させる(ただし、濵口の広島戦の防御率は悪い))


(オプション3)濵口遥大とフェルナンド・ロメロ二人とも中5日で中日戦に起用する(この場合は今週と同じローテーションの六人で来週をやりくりすることができる)


どのオプションを採るかは、東克樹の状態を首脳陣がどのように捉えているかによっても左右される。


東は、8月26日のイースタンリーグヤクルト戦で7回、88球、被安打8、2失点。


被安打8という数字が目に付くが、コースヒットも多く、内川のツーベースと赤羽のホームラン以外はコースヒットや一軍の守備だったらという当たりが多かった。


投球自体は、左右のコース低めに決まる東らしいストレートもあったが、甘い変化球もかなりあった。こういう曖昧な結果を首脳陣はどう評価しているのか、そして、その後の練習で東の状態が上がってきているのかどうかが判断の決め手だろう。


私は、イースタンの試合から二週間あけていきなり一軍で復帰登板させるという決断はしないだろうと思う。つまり、オプション3の可能性が高いのではないかと思う。


この場合、濵口とロメロの投球数を抑えるために中継ぎの負担が増すので、京山と場合によっては阪口や東もリリーフ待機ということも考えられる。


以上、まとめると次のようなローテーションになる。


6日巨人戦(東京ドーム)今永昇太

7日巨人戦(東京ドーム)濵口遥大

8日巨人戦(東京ドーム)F.ロメロ

9日阪神戦(横浜)大貫晋一

10日阪神戦(横浜)石田健大

11日ヤクルト戦(横浜)上茶谷大河

12日ヤクルト戦(横浜)今永昇太

13日中日戦(バンテリンドーム)濵口遥大

14日中日戦(バンテリンドーム)F.ロメロ




先発ローテーション以上に悩ましいのが打線だ。


三試合連続完封負け、27イニング連続無得点というのはかなり重症と言って良いだろう。


週末の試合でも、カープの各打者が外角のボールを逆らわずに逆方向に打ち返していたのに対して、ベイスターズの打者達は肩に力が入って無理やり引っ張ろうとするシーンが目立った。


芯で捉えたように見えた飛球もフェンス手前で外野手に捕球されることが多かった(まさか、飛距離がハマスタ仕様になっている?)。


昨日と一昨日の試合では、3番佐野恵太、4番牧秀悟、5番宮﨑敏郎、6番ネフタリ・ソトの中軸4人合計で1試合につきヒット一本ずつしか打てていない。これでは勝てるはずがない。


しかし、この4人全員が今週も不調のまま、というのはかなり考えにくい。きっと状態を戻してきてくれるだろう。


そのためには、やはり難しいボールを見送って打てるボールを一球で仕留める集中力、そして肩の力を抜くことだ。


試合のなかった月曜日を活用して、メンタル面でのリセットと疲労回復ができていることを願う。


しかし、佐野、牧、宮﨑の3人は巧打者あるいは好打者であり、一振りで試合を決める凄みのあるバッターという感じではない。ソトは一発があるが、現在の状態では少し難しい。それに、彼がホームラン王をとった時でも、凄みというよりは、意外性と爆発力という印象だった。


凄みのあるバッターということで私が思い出すのは、例えば村上宗隆であり、例えば中田翔だ。打率というような指標とは別の次元で勝敗を左右する力を持っていて、対戦する投手もそれがわかっているので、ついビビってしまうようなバッターだ。


暴力的なほどのスイングスピードと打球速度を持ち、ここぞというところで配球を読み、読み通りのボールが来れば決して逃さず一発で仕止める。あるいは、ビビったピッチャーの不用意な失投をあっという間にスタンドに放り込む、そう言うバッターだ。


今、ベイスターズにはこう言う凄みのある強打者がいない。これは打線全体の怖さを大きく左右する重要な因子だと思う。


そう、一つしか手はないのだ。



タイラー・オースティンをスタメンでフル出場させる。肘が本調子ではない彼の守備には多少目をつぶっても、最初の数試合は全く結果が出なくても、ともフル出場させる。


その時初めて、ベイスターズ打線は相手バッテリーから恐れられるものとなり、前出の好打者達の勝ちも一層高まると言うものだ。




明日から始まる9連戦。ピッチャーはピッチャーの、そしてバッターはバッターの役割をもう一度思い出してチームとしての戦力を高めて欲しい。


ピッチャーとバッターの役割、それについては海を渡った二刀流の若きスーパースターの次の一言に集約されていると思う。



”ピッチャーはゲームを作ることができる。バッターはゲームを決められる。”  大谷翔平