mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

魂を込めた伊勢の15球がチームとエスコバーを救った



9月22日 対読売ジャイアンツ 横浜スタジアム


勝 ベイスターズ 3 ー 0 ジャイアンツ


勝利投手 石田健大(6勝4敗0セーブ)

敗戦投手 メルセデス(5勝7敗0セーブ)

セーブ 山﨑康晃(0勝2敗36セーブ)


継投 勝 石田(6回)→H 入江(1回)→エスコバー(0/3回)→H 伊勢(1回)→S 山﨑(1回)


本塁打 宮﨑敏郎13号(6回裏ソロ)


忘れられない試合がある。そして、忘れられないシーンがある。


今日の伊勢大夢の投球はベイスターズファンである私の心のアルバムにいつまでも残る素晴らしいものだった。


3-0とリードを広げて、8回表、ベイスターズベンチは勝ちパターンで逃げ切りにかかる。


昨日まで連投だった伊勢ではなく、今日はエスコバーがマウンドへ。


しかし、この回先頭の吉川尚輝にストレートをつまりながらもライト前に打ち返されると、エスコバーは続く坂本をフルカウントから歩かせてしまう。


さらに、3番丸はボテボテのピッチャーゴロに打ちとったが、エスコバーがセカンドに悪送球してオールセーフ。無死満塁の大ピンチとしてしまう、


迎えるバッターは中田翔、岡本和馬と続くジャイアンツの主軸だ。


絶対絶命と言う言葉はこの時に三浦大輔が作ったらしいよ、と言う嘘を日本語学習中のイギリス人の友達に言ってやろうというほど絶対絶命のピンチ。


ここで、ベイスターズベンチはエスコバーに代えて3連投となる伊勢大夢をマウンドに送った。


最初のバッター中田翔の初球、インコース高めのボール気味のところに150キロ超のホップするストレートを投げ込み空振りを奪う。


そして、2球目は外角の変化球。中田はこれを打ちに行くが全くタイミングが合わずライトへの浅いフライでサードランナー吉川は自重してタッチアップせず。まずワンアウトをとった。


続く岡本に対しても150キロを超えるストレートを中心に攻めて追い込み、2-2からの7球目は外角いっぱいに決まる152km/hの糸を引くような美しい軌道のストレートだった。


岡本は全く手が出ず、しまったという表情でベンチに戻って行く。これでツーアウト。


そして、6番に入っていたクロール投手に代わって中島宏之が打席へ。今シーズン彼には痛恨の満塁ホームランを喫している。


ここで伊勢はストレートとスライダーのコンビネーションで中島を追い込み、ファウルでカウントを整える。そして6球目に振り遅れた打球は初めてフェアゾーンにフラフラっと上がった。これを牧が丁寧に(そうだぞ。わかっているな、絶対落とすなよ)捕球してスリーアウト。



無死満塁で中軸打者を迎える絶対絶命のピンチを無失点で切り抜けた。


小さくガッツポーズしながらベンチに帰る伊勢大夢の顔は百戦錬磨の強者だった。昨シーズン初めてのセーブに失敗して引きつった表情をしていた伊勢の面影はもう何処にも無い。


伊勢の魂の15球がチームと2試合続けて炎上したエスコバーを救った。


その後は、9回に山﨑康晃が登場して危なげなく三者凡退で抑え、3-0のまま完封リレーで勝利した。


昨夜は膠着して重苦しかった打線は、初回の桑原将志のやや幸運なツーベースヒットから楠本の送りバントで作った二死三塁のチャンスで4番牧が基本に忠実なセンター返しで1-0と先制し、重石が外れた。



それでもメルセデスの前になかなか追加点が奪えなかったが、6回裏、2番手の平内から宮﨑敏郎が二夜連続となる13号ソロホームランで待望の追加点を挙げた。



さらに、7回にも、ジャイアンツの4番手クロールから佐野のヒットとフォアボール2つで作った一死満塁のチャンスに代打関根がライトへ犠牲フライを放ち、3-0とリードを広げた。


浅めのフライだったのでギリギリのタイミングになるかと思われたが、ジャイアンツはホームで勝負することはせずサードに送球した。この1点は必死に防ぐだろうと思ったのだが。


もう一つ印象的だったのは、左投手のクロールに対して、左打者の神里に代えてこれも左打者の関根を打席に送ったこと。チーム内の序列が変わりつつあるということなのだろう。




神宮ではスワローズがドラゴンズに敗れたため、マジック4は変わらず、首位と2位のゲーム差は6となった。首の皮一枚でつながっている逆転優勝と言う夢。


試合後、三浦監督は、胴上げを阻止しに神宮に行くのではなく、勝つために神宮に乗り込みます、と言っていた。


やっぱりアナタはあきらめていないのですね。


わかりました。頑張りましょう。


明日からの3日間、全てのベイスターズファンが神宮に念を送ります。


ラグビーの強豪オールブラックスが決戦の前に全員で踊る勇者の舞、ハカの歌詞は次のような意味だそうです。


私は死ぬ!私は死ぬ!

私は生きる!私は生きる!


見よ、この勇気ある者を。

ここに居る男たちが太陽を呼び輝かせる。


はしごを一歩上へ!さらに上へ!

はしごを一歩上へ!そして最後の一歩!

そして外へ一歩。

太陽の光の中へ!

立ち上がれ!