再び輝きはじめた二人の活躍でロッテに快勝
珍しく日曜日の横浜スタジアムで勝利したベイスターズ。
しかも相手が難敵ソフトバンクだったということなので、この勢いを大事にしたい。
元々火曜日は勝率が高いので、ロッテとの3連戦の初戦は是非とも取りたいところだ。
このところ、火曜日の先発は好調のアンソニー・ケイ投手がつとめてきたが、ここに来て登板の順序を入れ替えて火曜日アンドレ・ジャクソン、水曜日ケイという先発ローテーションに変更した。
ジャクソン投手はMLBでも多く経験した中5日を希望していることもあり、この変更は問題ないはずだ。
ケイ投手はローテーションを守り続けており、特に5月21日のヤクルト戦での120球をはじめとして球数も嵩んでいることから、前回登板(6月4日オリックス戦)で82球で降板するとともに、一日多めの休みをとったのだと思う。
ジャクソン投手はオープン戦で無双していた。
捕手のミットに突き刺さるようなストレートと大きく曲がるナックルカーブ、鋭いスライダー、緩急をつけるのに有効なチェンジアップなど一級品の投球を見せてくれた。
シーズンが始まっても昨年のバウアー投手と同じあるいはそれ以上の活躍を見せてくれるものと期待していたのだが、初登板で初勝利を挙げて以降は制球に苦しみ、走者を溜めて痛打される場面が多かった。
ファームで再調整ということになったが、ここでも炎上するなどトンネルは長いかと思われた。
しかし、今年からベイスターズに戻った入来コーチのカウンセリング能力は素晴らしく、短期間で本来の投球を取り戻すことに成功した。
6月5日のオリックス戦でも打者を支配するような投球を続けていたが、1-0で迎えた5回表、勝利投手の権利を気にしていたかどうかはわからないが、二死からの内野安打に続いて太田選手にフルカウントから外角高めの速球を捉えられ逆転ツーラン。
太田選手のスイングは振り遅れているように見えたのだが、ライトポール付近のフェンスギリギリでスタンドインするホームラン。
そう言えば同じ右打者のソト選手もこの軌道のホームランが多かったような気がする。
復調傾向にあったジャクソン投手はここからまた沈降していってしまうのかと危惧したが、昨日の試合でそれが杞憂に過ぎないことを教えてくれた。
7回、101球、被安打2、奪三振8、与四球2、失点0
素晴らしいHQSでオープン戦の時に見せてくれた投球が本来の姿であることを証明した。
昨夜の試合では、150キロ台中盤のストレート、特に高めのストレートの伸びが素晴らしかった。
スタメンマスクの伊藤光はあまり細かいコントロールは要求せず、上下高低をおおまかに区切るような要求でジャクソン投手の球威をうまく引き出していた。
このバッテリーのコンビネーションも彼の復活に一役買っているのだろう。
100球投げていても155キロを維持していた伸びのあるストレートと大きな変化球はNPBでもトップレベルの実力と言って良い。
ジャクソン、ケイ、東というリーグトップレベルの3人が先発ローテーションの柱となって交流戦以降のベイスターズの快進撃をもたらしてくれるような予感がする。
加えて、大貫晋一の復調(中10日で満を持して迎える明日の登板が試金石だ)、ファームで登板を重ねている平良拳太郎、イースタンの試合で四球病を克服したように見えるハマちゃん(彼も今週後半の西武戦で真価が問われる)が少しでも貯金を作るような投球を続けてくれれば、一旦は諦めかけたAクラスの道も再び見えてくるだろう。
昨夜の試合では再び輝きはじめた選手がもう一人いた。
5月16日の登録抹消以来ファームで雌伏の時を過ごしてきた度会隆輝だ。
守備難と言われていたが、打球音や角度に加えてその日の天候も加味して飛球の落下位置を予測するには経験が必要だ。
高校までは内野を守っていた度会選手が各球団の本拠地球場の風や太陽の位置などを知り、どこでも適切に対処できるようになるには時間が必要なのだ。
そして、ファームで基本を再確認した後はやはり一軍の試合に出ることが一番の解決策だと思う。
昨日の試合前にも強風で有名なZOZOマリンに備えてあえて小さいグラブで守備練習をするなど、ファームから戻ってきて野球に取り組む姿勢にも変化が見られたように思う。
そして、もう一つの課題はバッティングでの選球眼だ。
積極的なバッテイングは彼の持ち味だが、やはり、ボールを打っていては打率は上がらない。
そして、プロの投手は際どいボールを振ってくれるバッターにはストライクは投げてこなくなる。
それが5月に彼が壁に当たった最大の理由だろう。
内角のさばきなど非凡なバットコントロールと技術があるが故になんでも手を出してしまう。
これを我慢できるようにならないといけない。
昨日の第一打席では、1-1から小島投手の投じた高めに浮いたボールをとらえて右中間を破る2点タイムリースリーベースヒットを放った。
ヘッドスライディングでサードに到達したシーンは彼らしいガッツと華やかさを感じさせるものだった。
しかし、それ以降はピッチャーゴロ二つとセンターフライと小島投手の投球術とキレのあるボールに封じ込まれた。
以前の課題をクリアしているかどうかは未だよく分からない。
ボールを打たない、ということ頭では分かっているのだとは思う。しかし、身体が反応してしまう。
そして、その反応を抑えてしまうと打つべきボールにも対応できなくなる。
おそらく、今日の試合でも彼は先発で起用されることだろう。
相手は高卒4年目で今シーズン初先発となる中森投手。同学年の好投手だ。
今日の彼の打席では、結果よりも、打つべきボールを打ち、手を出すべきではないボールを見送るという大人の適切な対応ができるかどうかに注目してみよう。
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