九州パワーで阪神に完封勝ち そしてカープとの決戦へ
昨日の大逆転負けには驚かされましたね。
今シーズンは有力なリリーバーたちの不調や故障でブルペンが弱体化したこともあり、大事な試合で悔しい逆転負けを喫したことが何度かあったが、昨日の試合はその象徴のような敗戦だった。
客観的でなくてはならない予測と願望とを取り違え、願望があたかも確からしいものであるかのように錯覚して選手の起用や戦術の選択をしてしまう。
三浦さんの指揮官としての弱点が出てしまった試合であるように感じた。
おーっと、いけない。
このブログを始めた時に、采配批判はしないと心に決めたのだった。
危ない、危ない。
今日の試合は順位の確定した阪神にとっては勝敗よりもCSに向けた戦力の見極めを重視した戦いだったようにも感じたが、いや、それでもグラウンド上では選手たちは常に100%の力を出していたはずだ。
先発の青柳投手、第二先発の村上投手はCSでの使い方を決めるために起用したようだし、初めての1軍登板となった佐藤投手と川原投手は順位の確定した最後のホームゲームという舞台をデビュー戦に選んだということなのだろうと思う。
一方、ベイスターズ先発の吉野光樹投手はこのところ序盤で失点を重ねることが多く、首脳陣としては先発ローテーションに組み込むべきか否か、悩んでいる最中だったように思う。
そして蓋をあけてみると、今日の吉野投手の投球は前回とは全く異なる素晴らしいものだった。
まず、腕の振りが格段に良くなっており、このためストレートの球質、球威ともに先週から大きく改善されていた。
また、変化球も今日は良いところに決まる確率が高かった。
フォークは落ちない時もあったが、要所で決まっていたし、何よりもカットボールで空振りをとれていたのが大きい。
今日は6回、94球、被安打0、与四死球3、失点0という成績でノーヒットノーラン継続中の降板となった。
この吉野投手の素晴らしい投球の背景には、勇気を持って力を抜く時としっかり力を入れるポイントを明確にした方が良い、という三浦監督からのアドバイスがあったらしい。
意識を変えてキャッチボールをしたところ感覚が良かったということなので、何かを掴んだのかも知れない。
打線は先発青柳投手から3回で5安打を放つなど活発だったが、併殺打や走塁死などで得点には結びつかない。
試合が動いたのは6回表、マウンドには2番手の村上投手。
一死一塁で青柳キラーとして起用された神里選手に代わって、宮﨑敏郎が打席に入った。
1-1からの3球目、インコースへのストレートを巻き込むようにして打ったボールはレフトポールのはるか上を通り過ぎる特大のファール。三浦監督のリクエストも結果は変わらず。
しかし、その次のボール、これまたインコースの速球をデジャブのように巻き込んで打つと、今度はレフトスタンドの左隅に飛び込む正真正銘の先制ツーランだ。
芸術的な内角打ちは宮﨑ならではのものだし、左に切れずに飛んでいくのも彼独自の技術だ。
打たれた村上投手も驚いた表情をしていたっけ。
結局、両軍通じて得点はこの2点だけ。
ベイスターズは7回から伊勢大夢、佐々木千隼、森原康平とつなぎ、完封リレーで2-0の勝利を挙げた。
考えてみれば、勝利投手の吉野は熊本の九州学院出身で決勝打の宮﨑は佐賀、そして継投の伊勢大夢も九州学院だし、宮﨑のホームランで生還し得点を挙げた戸柱も鹿児島、と主要人物が全て九州出身ということになる。
これで4位カープとは2ゲーム差をつけ、CSクリンチナンバーを3.5とした。
ベイスターズが残り6試合を3勝3敗だった場合の勝率が.4071で、カープが全勝の場合の.4072にわずかに及ばないため、3勝2敗1分以上が求められることとなり、中途半端なクリンチナンバー3.5ということになる。
しかし、カープが一敗した場合、その他のゲームを全て勝っても勝率は.500ちょうど。
ベイスターズが2勝4敗の場合も.500となって勝率では並ぶが、セリーグの規定では勝利数の多い方が上位となるため、ベイスターズが3位となる(カープは引き分けが多い)。
つまり、明日の試合でカープに勝てば、ベイスターズは残り5試合で一つでも勝てばCS出場ということになる。
つまり、1日でクリンチナンバーが2.5減るという不思議な状況だ。
早い話しが、それほど10月1日のカープ戦は重要だということ。
我が社の先発はこのところ好調のアンドレ・ジャクソン投手。
シーズン前半にはカープ打線につかまる、というよりは四球で自滅して炎上したことがあったが、今の状態であれば試合を作ってくれるだろう。
問題は、ベイスターズ打線がカープ先発の若手左腕、森投手を打てるか、という点だ。
これはもう、祈るしか無い。
頑張れベイスターズ。
ゴールは手の届くところにあり、希望の光はすでにこちらにも差し込んでいる。
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