mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

アンドレ・ジャクソンの力投がCSクリンチナンバーを1まで減らした





昨日の記事でも書いたが、セリーグの順位決定ルールにより同率の場合には勝利数の多い方が上位になるため、今日の試合でベイスターズがカープに勝てばCS出場のクリンチナンバーが一気に2.5減るというボーナスステージのような試合。


ベイスターズの先発はこのところ好調のアンドレ・ジャクソン投手。


9月25日のジャイアンツ戦で6回無失点で勝利投手となってから中5日での登板となったが、MLB時代からこのペースに慣れており、むしろやりやすいとのこと。


対するカープの先発は若手左腕の森翔平投手。


今季は未だベイスターズとの対戦はないが、昨シーズンは2度対戦して1勝0敗、防御率1.50と苦手意識はないだろう。


今日の試合、立ち上がりの森投手はキレの良いストレートと変化球を内外角にしっかりと制球できており、1巡目のベイスターズ打線は森敬斗のショートへの内野安打のみと抑え込まれた。


一方のジャクソン投手もいつもながら素晴らしい威力のストレートにチェンジアップで緩急をつけながらカープ打線から多くの三振を奪っていく。



試合が動いたのは3回表、一死から秋山選手に低めの際どいストレートを見送られて歩かせると、カープベンチは続く矢野選手の2球目でヒットエンドランをしかけた。


ジャクソン投手の投球は高めのボールゾーンに浮いてくるストレートだったが、矢野選手は大根ぎり(昭和な表現ですね)でなんとかセンター前に打ち返した。


一死一、三塁のピンチで次打者の野間選手にはバッテリーの狙い通りセカンドゴロを打たせたが、牧秀悟が捕球後に上手く握れず、野間選手はファーストに達してセーフ。


この併殺崩れの間にサードランナーの秋山選手がホームに突っ込んでカープが1-0と先制した。



4回裏、ベイスターズ打線は先頭の牧秀悟が先ほどの先制点のきっかけとなった守備の綻びを挽回するかのようなレフト前へのクリーンヒットで出塁。


佐野恵太は三振に倒れたが、その後、オースティン、宮﨑が軽打でつなぎ一死満塁とすると、残暑男の桑原将志が初球のチェンジアップに泳がされながらバットの先になんとか当てた。



フラフラっと上がった打球はファースト後方、ライト線ギリギリのところに入りワンバウンドするとシュート回転しながらファウルゾーンに転がっていった。

非常にラッキーなツーベースヒットとなり、その間に2者が生還して逆転。


さらに、続く戸柱恭孝もセンター前へタイムリーヒットを放ち、3-1とリードを広げた。



その後、なおも一死一、三塁のチャンスで森敬斗の放った三遊間の当たりは矢野選手の神がかったファインプレーに阻まれて追加点は取れなかったが、好投の森投手を一気にKOする打線の爆発力を見せてくれたイニングだった。



ジャクソン投手は安定した投球を続け、5回から7回はいずれも三者凡退に抑えてカープの追撃を許さなかった。


7回、106球、被安打3、奪三振7、与四死球2、失点1のHQSで8勝目(7敗)を挙げ、ベイスターズではモスコーソ投手以来の規定投球回に到達した。


彼は単年度契約らしいが、飛び抜けた実力と文化面も含めた日本への順応もあり、ブヒとも来季も残留して欲しい。


彼のように穏やかな性格で幅広く好奇心を持っている選手は異国で活躍する大きな可能性を持っていると思う。


8回から継投に入ったが、連投の伊勢大夢は打者1人を打ちとったところで違和感を感じて降板。



2球目に捕手の戸柱選手がフォームと球質がいつもと異なることに気づき、ベンチに直訴したようだ。


背中の違和感ということだが、軽度の肉離れあるいはその一歩手前の筋肉の炎症という状態だったのではないか。


戸柱選手のファインプレーで大事に至らず、CSでまた元気な姿を見せてくれることを願っている。


緊急事態に急遽登板した左腕のディアス投手は危なっかしいところもあったが、残りツーアウトを重ねて8回を無失点で切り抜けホールドポイントを得た。


最終回はクローザーの森原康平が菊池選手にヒットを打たれながらも最後は好打者田村選手を(寿命が縮むような大きなファウルフライの後)ストレートで三振に打ちとりゲームセット。



3-1での勝利、冒頭述べたようにこれでクリンチナンバーは一気に2.5減って1となった。


ベイスターズが残り5試合のうち一つでも勝てば、あるいはカープが残り3試合のうち一つでも負ければ3年連続のCS出場が決まる。


かなり有利なのは間違いないが、決まるまでは油断できない。


そう言えば、たしか、徒然草に「高名の木登り」という段があった。


木登り上手の人に教わろうと出かけてみると、手頃な木に登ってみろと言われる。


登っていると、高いところや危ないところにいる時には全く声をかけず、降りてきてもう地面に足が着きそうになった時に初めて「気をつけてください」と言う。


なぜ、危ない時には声をかけず、最後もう一歩と言うところで注意したのかと聞くと、


「危ない状況では言われなくても自分で注意するものだが、もう大丈夫と思うと油断して落ちてしまう、そう言うものだ」


と答えた。


と言うことなので、高名の木登りであるラミレス前監督あたりに一声かけてもらい、油断することなく次の大事な1勝を手にして欲しい。


「過ちは、やすきところになりて、必ずつかまつることに候ふ」





今日のジャイアンツ戦は山﨑伊織投手と石田裕ちゃんか、まあ、打線が頑張ればなんとかなるでしょ。