森敬斗の森敬斗による森敬斗のためのCS最終戦に勝って日本シリーズへ
ベイスターズファンの皆さんおめでとうございます!
昨夜の試合が終わってから私のところにも沢山のお祝いメッセージを送って戴いた。
皮肉な先輩からは、“こんな弱いチームを何十年も応援していて馬鹿なんじゃないかと思っていましたが、馬鹿だからこそ何倍も嬉しいってこともあるのですね“という弄りもあった。
そうなんです。馬鹿の方が喜びは大きいんです。
1982年の夏、私は友人とローマに居た。
その年のワールドカップでイタリア代表が3度目の優勝を果たしたのだが、その翌日、コロッセオ付近の路上で突然乗用車が停止し、運転していたオジさんが降りてきて道の真ん中で立ち止まり天に向かって祈りを捧げはじめた。
恐らく彼は前夜から何度目かの歓喜のピークを迎え、こみ上げる喜びを抑えることができず、道の真ん中でも祈りを捧げたのだろう。
その時はそういうものかと思ったが、昨日から今日にかけての私も同じような精神状態だった。
ああ、生きていて良かった。
神様ありがとう。
昨日の試合、1回裏に森敬斗の送球ミスで失点という見覚えのある展開から逆転勝ちという最後を予測していた人は少なかったと思う(多くのベイスターズファンが祈ってはいたが)。
森選手の魅力の一つは積極的な守備だと思うのだが、それは時折見せる無理な体勢からの送球ミスと表裏一体の関係でもある。
そして、タイラー・オースティンの一塁守備は下手と言うわけではないのだが、ショートバウンドの送球を捕球するのは苦手のようだ。この二人が今日のようなエラーをおかすのは今季何度か見た気がする。
その後、4回裏には先発のアンソニー・ケイが先頭の坂本選手にツーベースを許し、犠牲フライで三進した後、戸郷選手にスクイズを決められて0-2とリードを拡げられた。
3連勝の後、2連敗して流れがジャイアンツに傾いていたことから、このまま完封負けで終わるのかと言う嫌な予感がしていた。
しかし、その嫌な予感はミスからしっかり切り替えた森敬斗のバットでかき消された。
5回表、今日は7番に入った先頭の梶原昴希が戸郷投手の投じたインコース低めのボールを上手く引っ張って一二塁間を抜くゴロのヒットで出塁。
続く森敬斗は2-0から戸郷投手がやや不用意に投げ込んだ真ん中高めのストレートを振り抜いた。
打球は右中間を深々と破り、梶原は1塁から長駆ホームへ、森敬斗も俊足を飛ばして三塁に達した。
なおも無死三塁のチャンスでベイスターズベンチは代打マイク・フォードのカードを切る。
これが見事に当たって、フォードはフルカウントから戸郷投手のフォークを叩いてゴロで二遊間を抜ける連続タイムリー。
一気に2-2と同点に追いついた。
これで雰囲気がガラリと変わり、3試合ぶりに試合の流れがベイスターズに傾く。
総力戦で勝ちに行くジャイアンツは8回から菅野投手をマウンドへ送ったが、私は逆にこれで行けるかも知れないと思った。
ファーストステージの阪神村上投手もそうだったし、シーズン最終盤でリリーフに回ったビーズリー投手もそうだったが、先発からリリーフにまわった彼らは何故か回またぎの後に打たれるのだ。
私の都合の良い予感は珍しく当たった。
9回表、先頭の森敬斗がライト前ヒットで出塁。
代打柴田がバントで送り、続く桑原将志のサードゴロの間に森敬斗はサードまで進んだ。
彼のこの走塁で勝った、といっても過言ではない。
サードの坂本選手は捕球後、二走の森を目で制し、離塁していた森もセカンドに戻る素振りを見せたのだが、坂本が一塁に送球した瞬間、踵を返してサードに猛然とダッシュしたのだ。
ファーストの岡本選手が間髪おかずにサードに送球したが森敬斗の足が一瞬早くセーフ。
そして、二死三塁で打席に入った牧秀悟が1-1から外角のスライダーを引っ張り込んで三遊間を抜けるタイムリーヒットでとうとう逆転。
決して良い当たりではなく、いわゆるコースヒットというやつだったが値千金の逆転打となった。森敬斗がサードまで進んでいたからこそタイムリーとなったのだ。
9回のこの逆転劇を招いたのは7回から回またぎで無失点に抑えた伊勢大夢の好投だった。
7回も8回も得点圏に走者を進められたが勝負どころで落ち着いて三振をとるピッチングは彼自身の成長を見せつけるものだった。
そして、9回裏の森原康平は素晴らしかった。
最速153キロのストレートと鋭く落ちるフォークボールで門脇、丸、そしてラスボス岡本和真を三者凡退に打ちとりゲームセット。
ライデル・マルティネスと良い時の栗林良吏を混ぜて合体させたようなピッチングだった(こうやって書くとトムブラウンのネタのようだと言うことに今気がついた。ライデル、ライデル、ライデル、栗林、合体、、、)
さあ、あとは日本シリーズで今シーズンの総決算となる戦いに挑むばかりだ。
ソフトバンクの貯金42に対してベイスターズはわずかに2と言う大差があることから、下馬評では圧倒的にホークス有利となっている。
なあに、クライマックスシリーズのファーストステージは阪神有利、ファイナルステージは俄然ジャイアンツ有利、などと言われていたのだから、短期決戦はやってみないと分からないのだ。
勿論、ホークスに対して4連敗で終わると言う結末もあり得るし、3勝3敗で最終戦までもつれ込む展開だってあり得る。
3位からの下剋上で出場する日本シリーズなのだから怖いものなど何もない。
挑戦者として思い切り自分たちの野球をやり切ってもらいたい。
現時点ではっきりしていることはただ一つ。
今年のNPBで最後の最後まで野球をやっているチームの一つがベイスターズだと言うことだ。
だから皆さん、最後まで思う存分に楽しもうぜ。









このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。