牧秀悟のホームランと石上泰輝のタイムリーで呪いは解けた
ベイスターズがマツダでの第二戦を0-3で落としてから3試合連続で完封負けを喫しているのはご承知の通り。
対阪神3連戦の初戦と第二戦はいずれも0-1で敗れると言うフラストレーションのたまる試合だった。
特に昨夜の試合では11安打と4つの四球でしばしば塁上を賑わせたにもかかわらず、ここぞのところで一本が出ずに13残塁。
ノーアウトの走者を出したのも6イニングあったにもかかわらず無得点というのは何かスピリチュアルな力が働いていたのではないかと思うほどだった。
今日の試合開始時点で連続33イニング無得点だった訳だが、無情にもタイガースの初回の攻撃で1点を先制される。
ベイスターズ先発のアンドレ・ジャクソンはいつも通り素晴らしい球威のストレートで押して行った。
立ち上がりはストレートの比率が高いというデータでもあったのか、速球をピッチャー返しで打ち返した中野選手のセンター前ヒットに続き、森下選手にはアウトローの簡単ではないコースを右中間に運ばれ、これがタイムリーツーベースとなった。
このところ無得点の試合に慣れていたので、ああ、早くも負け確定か、と私は天を仰いだ。
ベイスターズ打線はタイガース先発のデュプランティエ投手の150キロ超の速球とキレのあるスライダーに抑え込まれ、3回までヒット一本、二塁も踏めない膠着状態。
好投したバウアー投手やケイ投手の時と同様、1点を先制されてもひたすら自分の仕事に精を出すジャクソン投手に申し訳ないという気持ちが芽生え始めていた。
しかし、とうとう、無得点の呪いが解ける時が来た。
4回表一死走者なしで牧秀悟が一球目の変化球に対して全くタイミングのあっていない空振りをした後、2球目の甘く入ったストレートを見事に捉えてセンターへのソロホームラン。
実に37イニングぶりの得点は、やはりホームランだった。
捕手の坂本選手は高めのボールゾーンでファウルを打たせようという意図だったと思うが、彼の構えたミットよりも低く、ベルトあたりの高さだった。
これで1-1の同点。
しかし、ベイスターズのタイムリー欠乏症は未だ続いており、1-1のままでは劣勢だと思われた。
攻撃のリズムは守備から、とはよく言われる言葉だが、奮闘するジャクソン投手が5回と6回をそれぞれ三振2つづつ奪ってきちんとしめたことが布石となったように感じる。
7回一死から佐野恵太が佐野シフトの逆をついてショート左への内野安打で出塁すると、タイラー・オースティンがレフト前ヒットで続く。
そして、来日以来あまり球数を多く投げることのなかったデュプランティエ投手の投球はこの時点でかなり不安定になっていた。
ストレートは浮き、変化球はしばしば抜ける。
度会隆輝は3-1から四球を選び一死満塁。
願ってもないチャンスだが、昨日までもこんなことは何度かあり、その度に落胆させられて来た。
案の定、続く山本祐大は初球に合わせただけのようなスイングでショートフライ。
私の心の中の永沢君が
“やっぱりね。僕の思ってた通りだよ”
と呟いた。
二死満塁となって打席には代打宮﨑敏郎(今日はお疲れ休みの日だった)。
この宮﨑のベテラン感と選球眼が今日の試合を決めたと思う。
フルカウントからの真ん中低めのスライダーを自信を持って見送り、判定はボール。押し出しの形で2-1と逆転した。
デュプランティエ投手は不服そうで、口の動きからすると
“Come on, man!”
と言っていたようだ。
試合後、このボールはどちらともとれる絶妙な高さだったという意見や完全にストライクだったというコメントも見られた。
しかし、その微妙なコースに手を出さなかったことが宮﨑選手の凄みだし、私には彼が確信を持って見送ったように見えた。
それでもなお、ベイスターズ打線にタイムリーヒットは出ていない。
ここで頑張ったのが孝行息子の鈴木福くん、じゃあなかった石上泰輝。
死球押し出しの懸念からこの時のデュプランティエ投手に内角は要求しにくいだろうと思っていたが、外角のストレートを狙ってレフト前に持って行った。
1打席目にヒットを打った時と同じようなコースで同じようなスイングだった。
三走のオースティン選手に続いて二走の度会選手も生還し4-1と突き放すことに成功。
この時、本当に呪いは解けた。
レフトの森下選手が捕球時に後ろ重心になっていることを見逃さず、間髪入れずに腕を回したサードコーチャーの河田コーチのファインプレイでもあった。
その後、9回にも度会選手のスリーベースから1点を追加し、ウィック、入江の必勝リレーで5-1の勝利を収めた。
明日からは横浜に帰ってヤクルト戦だ。
ケチャドバ、という言葉もあるんだぜ。
得点をドバドバ挙げてください。









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