山崎伊織投手の攻略法を考えてみよう
先週はヤクルト、阪神と対戦して2勝3敗。
勝利はいずれも復帰した筒香嘉智が8回裏に放った逆転ホームランによるものであり、5試合のほぼ全てのイニングでリードされた展開。ベイスターズのペースで進んだ試合はなかった。
流れとしては、5戦全敗でもおかしくないような状況だったとも言える。
借金が一つ増えたことは残念だが、下手をすれば1チームだけ飛び抜けたビリになっていてもおかしくなかったので、二つ勝てたことを喜ぶことにしよう。
しかし、新しい週が始まったのだ。
風向きも変わってくれることだろう。
などと思っていた矢先、先ほど発表された明日の対戦相手である読売の先発は天敵(何人いるんだ!)の山崎伊織投手。
いや、本当は知っていたのだが、敢えて考えないようにしていたのだ。
昨シーズンは1勝5敗とお得意様扱いにされ、特にハマスタでのCS開催を賭けた10月4日東京ドームでの最終戦ではわずか2安打で完封され、東克樹の力投虚しく0-1と敗れた。
まさに天敵中の天敵と言っても良い相手だ。
しかし、こうして予告された以上はしっかりと準備して対策をとらなければならない。
と言うわけで、誰からも頼まれてはいないのだが、山崎伊織投手の攻略法について私なりに考えてみた。
【打者の左右別から見た山崎投手の傾向と対策】
下の表は山崎投手の今シーズンの左右それぞれの打者との対戦成績をまとめたものである。
目につくのは、右打者の打率が.187と極めて低いのに対して、左打者には .258とそこそこ打たれていることである。
そして、右にはツーベースを1本打たれたのみだが、左にはツーベースとスリーベースをそれぞれ3本ずつ打たれている。
このため、長打率で見ると、右の .213に対して左は .485と2倍以上高くなっている。
さらに、フォアボールについては、右に対して3つなのに対して、左には10となっており、出塁率は右 .238、左 .364とこれまた差が大きい。
以上をまとめれば、当たり前ではあるが、被OPSは右が .451と極めて低いのに対して、左は .848となり、左打者についてはほぼ皆が強打者という結果になっている。
このデータを見れば、明日のベイスターズ打線には左打者を並べるべきであることは明白だ。
また、宮崎敏郎は打球が頭部直撃したことに加え、山崎投手に対しては昨シーズンの打率が .105と苦手にしていることから、ベンチスタートとしたい(試合後半で代打の切り札としてベストのタイミングで使おう)。
私のオススメは以下の通り。
1番 度会隆輝(ライト)左
2番 関根大気(センター)左
3番 筒香嘉智(レフト)左
4番 牧秀悟(セカンド)右
5番 佐野恵太(ファースト)左
6番 京田陽太(サード)左
7番 戸柱恭孝(キャッチャー)左
8番 森敬斗(ショート)左
9番 ケイ(ピッチャー)左
牧秀悟以外は左バッターであり、これでOPSが8を上回る打線が構成できる。
【カットボールとフォークを打たない】
今シーズンの山崎投手の投球割合と平均球速を見てみよう。
平均球速146キロ程度のストレートがおよそ38%で、カットボール(23%)とフォーク(16%)の速い変化球の割合も同程度ある。
以前はシュートピッチャーという印象だったのだが、シュートは9%程度とそれほど多くはない。各チームの対策が進んだのだろうか。
遅い変化球(カーブ、スローカーブ、チェンジアップ)は合計で3%程度しかないので、いわゆる緩急で打者のバランスを崩すタイプの投手ではない。
そして、重要なのは被打率だが、ストレートは .292、シュートは .368(これが投球割合の減った理由か)と結構打たれている。
従って、対策としてはこの二つの球種(合わせて全投球の48%程度)を打っていこう、ということになるのだが、そうは行かないのが難しいところだ。
おそらく、ここが山崎投手の生命線だと思うのだが、ストレートと思って振りに行くと実際にはカットボールで凡ゴロになる、あるいはフォークボールで空振りを取られる、という術中にハマってしまう。
そこで、発想を逆転して、ストレート系のボールを打ちに行くのではなく、カットボールとフォークボールを打たないという消極的な目標設定に変更して欲しい。
ともかく、低めのフォークボールには手を出さない。
実際、山崎投手が左打者から三振を奪っているコースについてデータを集計した結果(SPAIAを参照しました)ではほぼ全てがアウトコース低めのボールゾーンとなっている。
これらの多くはフォークボールだと思うのだが、コースも高さもストライクゾーンから外れているのだ。
従って、追い込まれてアウトローのボールが来たら、ストレートはカットして逃げ、フォークだったら見逃す、というチームオーダーを徹底することによって山崎投手の球数は嵩み、元々左打者に対しては多い四球もさらに増えるという悪循環になるはずだ。
もう一つの問題は、積極的に打つべき高めのストレートとカットボールの見分けなのだが、左打者の場合にはこの問題がそれほどクリティカルとはならないはずだ。
山崎投手は左打者のインコースに投球する頻度は極めて低く、当然、高めのボールもアウトコースということになる(SPAIA参照)。
アウトハイのストレートを狙って振りに行った場合にヨミが外れても、それが身体に向かってくるカットボールであれば対応しやすいだろう。このコースはレフト方向にファウルで逃げることもそれほど難しくない。
今シーズン、イニング別の山崎投手の失点を見ると、複数失点しているのは7回のみ。
特に、中6日のローテーションで6度目の先発となった先週の山崎投手は中日相手に119球の完封劇を演じており、お疲れもあることでしょう。
上記の戦術は消極策ではあるが、球数を稼いで後半を迎え、そこでアウトハイのストレートとカットボールをひっくるめて積極的に打ちに行くのが良いと思うのだが、いかがだろうか?
それまでに我が社のケイ投手が最小失点で凌いでくれることも必要なのだが、こちらについては天に祈りを捧げるのみである。
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