行け我が想いよ 金色の翼にのって
そもそも、コロナとは無関係の怪我人たちがいる。
今永昇太は左前腕部の筋肉の炎症で先月から離脱中。先週イースタンリーグの試合で復帰登板し、2回を投げたが、その後のクラスター発生により2軍戦再開の目処が立っておらず、1軍合流までにはまだ時間を要する。5月の連休前後になるだろうか?
東克樹は開幕戦で左中指の皮がめくれて降板しそのまま登録抹消となった。既に故障は完治しており、今回の中断が終わって試合が再開されれば即復帰の予定。
伊藤光は練習中に脚に違和感があり、大事をとって抹消。最近、この「大事をとって」というのが本来の意味と異なってきている気がするが、ともかく、現在はファームでリハビリ中。
そして、最も大きな痛手が、3月初旬から右肘のはりを訴えていたタイラー・オースティンが手術のためアメリカへ帰国。手術の内容は明かされていないが、今シーズンの復帰は難しいかも知れない。
そして、コロナのクラスター発生による離脱者のリストは日毎に長くなっていく。
4月6日検査 陽性判定:牧、戸柱、倉本 濃厚接触者:桑原、大田、石田
4月7日検査 陽性判定:浜口、神里
4月8日検査 陽性判定:砂田、楠本
4月9日検査 陽性判定:山﨑康晃
4月10日検査 陽性判定:桑原
現在のところ、離脱者は合計15人。これほどの戦力ダウンが同時に生じたことは、ベイスターズの球団史上初めてのことではないだろうか。
まさに暗黒という状況だ。
しかし、忘れてはいけない。
暗くならなければ、星は見えないのだ。
※ 濃厚接触者だった大田選手と石田選手は今日チームに再合流した。そして、ファームの試合を中止にして多くのメンバーを1軍に上げて明日からの那覇での巨人戦は開催することになった。
※ ファームにいたソト選手、クリスキー選手、東克樹投手の一軍合流も決まった。
※ タイラー・オースティンの手術は、何とかシーズン中に復帰できるもの、と言うコメントもあった。術後次第ではあるが楽しみに待つこととしよう。
今日(4月11日)のNHK-BS1スポーツ×ヒューマンで“横浜DeNAベイスターズ監督・三浦大輔”が放送された。
昨年コテンパンにやられたから、チームも監督しての自分自身も変わらなくちゃいけない。
どうやったら変わることができるのか?
昨年最下位になって目の前でヤクルト高津監督の胴上げを見て悔しかった。
今でもその悔しさは変わらない。
やられたらやり返す。このままじゃあ終われない。
といった趣旨のことを三浦監督は繰り返しコメントしていた。
その言葉は、悔し涙を流した山﨑康晃や三嶋一輝の気持ちとも重なるものだった。
そして、石井琢朗、鈴木尚典、斎藤隆といった球団OBをコーチに迎えて意識改革を進めた今春のキャンプの風景も伝えられた。
この番組の中で私が興味を持ったのは、三浦監督の次のような一言だった。
“胴上げされている夢を見たんだ。”
しかし、主力を含む選手15人が離脱した今の状況から見ると、その光景はあまりにも遠い、遥か彼方にかろうじてうっすらと見えるほどのものだ。
ヴェルディの歌劇にナブッコという作品がある。
その第三幕。エジプトに囚われの身となっている多くのユダヤ人たちが夢に見る遥か彼方の故郷にむかって合唱する。
“行け我が想いよ 金色の翼にのって
運命の預言者が持つ金の竪琴よ、神による美しい音を奏でてくれ。
それが、我々の苦しみに耐えられる勇気を与えてくれるように!“
海外のサッカーをよくご覧になる方はご存知だろう。そう、イタリア代表の試合でスタンドのイタリア人全員が歌うあれです(欧州で統一国家の成立が遅れていたイタリア人が幽囚のユダヤ人たちに想いを託して歌い、今や第二のイタリア国歌と言われているアレです)。
我々もまた、人数をそろえて試合を成立させるのが精一杯の現状からは手が届くはずもないように思える優勝、三浦監督の胴上げに向けて、チームの皆と共に金色の翼にのせて想いを飛ばす必要がある。
ゴールが遠くにあることは問題ではない。今こそ、チームもファンも全員が心を一つに想いを込めて優勝を目指すことが大事なのだ。





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