mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

連勝ならず守備のミスで大敗 エラーの連鎖について考える



5月25日 対ソフトバンクホークス 横浜スタジアム 2-8 負け


昨日の試合に競り勝った勢いで連勝といきたいところだったが、柴田、ソト、嶺井といずれも失点に絡むエラーが出て大敗した。以前から気になっていたのだが、エラーというものは一度始まると連鎖して発生する傾向がある。何故だろうか?→少し調べてみたので後述します。


連勝できなかったことは残念だが、この一敗よりも、最近痛めたハムストリングスの張りが強くなったという理由で5回の守備から交代した宮﨑の方が心配だ。下手をすると癖になる箇所の故障だと思うので、これからの選手声明を最優先に考えた慎重な対応を強く望む。




昨日の記事にも書いたが、やはり三浦監督は2番神里という部分を見直してきた。

彼の選択は2番に柴田を入れて7番に関根というもの。


スタメンでマスクをかぶるのはロメロのいつものパートナー山本祐大ではなく、このところ攻守にわたってチームを支える働きを見せる(ことの多い)嶺井。相手先発の東浜は高校、大学でバッテリーを組み日本一に輝いた一年先輩であり、打席での対決も楽しみだ。


ロメロは前回の登板では得意としていたドラゴンズに5回で被安打8、与四球2、5失点と打ち崩された。初対戦となるホークス打線に対して、ゴロを打たせる彼本来の投球ができるかどうか。


ソフトバンクの先発は先日ノーヒットノーランを達成したばかりの東浜。先週の登板でも強力なライオンズ打線を7回無失点に抑えており(連続21イニング無失点)、好調を維持しているようだ。厳しい戦いになると思うが、主軸の牧、佐野、宮﨑、ソトに打てるボールを確実に仕留めて欲しい。


1. 佐野(LF)

2. 柴田(SS)

3. 宮﨑(3B)

4. 牧(2B)

5. ソト(1B)

6. 桑原(CF)

7. 関根(RF)

8. 嶺井(C)

9. ロメロ(P)


継投 フェルナンド・ロメロ(4回1/3)→砂田毅樹(2/3回)→宮國椋丞(2回)→三上朋也(2回)


1回表 ホークスの攻撃


先頭の三森が初球を引っ張ってライト戦を破るツーベースヒット。続く川瀬がこれも初球に送りバントを決めて一死三塁とした。


3番柳田は4球目を打ってレフトフライ。やや浅めのフライだったが、俊足の三森は迷わずタッチアップして0-1とホークスに先制を許した。


4番グラシアルは外角低めのスライダーで空振り三振にうちとって何とか最小失点で抑えた。


3回裏 ベイスターズの攻撃


先頭の8番嶺井が先輩の東浜の3球目を捉えレフトへのヒットで出塁。その後、二死二塁から2番に入った柴田がセンターへのタイムリーツーベースを放ち1-1の同点とした。




4回表 ソフトバンクの攻撃


柳田フォアボールの後グラシアルのおあつらえ向きのショートゴロを併殺を焦った柴田がファンブルしてオールセーフ。しかし、その後、今度は中村晃の送りバントがゲッツーとなり紆余曲折の末、二死二塁となる。


ここで6番牧原がレフトへのタイムリーツーベースで1-2となり、突き放された。


4回裏 ベイスターズの攻撃


2回裏の関根のピッチャー返しが足に当たった影響で東浜が降板し、2番手の松本がマウンドに上がった。


先頭の4番牧秀悟が松本の4球目を左中間スタンドに放り込むソロホームランで2-2 の同点とし、ソフトバンクに傾きかけた流れを手繰り寄せようとする。



しかし、拮抗した好試合だったのはここまで。5回のソフトバンクの攻撃で一死一塁からファーストゴロで併殺を焦ったソトが悪送球でオールセーフとなり、ここから、ヒット、デッドボール、と続いてロメロの心理も全く余裕がなくなって行った。


ロメロに代わった砂田もピリッとせず、犠牲フライ、嶺井の悪送球などが続けざまに出て、一挙に6点を失い、2-8と試合が決まった。




野球にエラーはつきもので、どれほど減らしてもゼロにはできないというのはよく言われることだ。各ポジションあるいは各野手ごとに1シーズン通算のエラー数を守備機会の総数で割ればエラーの確率が計算できる。そして、その確率でエラーが起きることは想定内としてプレーすべきであることはわかる。


しかし、不思議なのは、一つエラーが出ると同じ試合の中で連鎖的に複数のエラーが出ることが多いということだ。


開幕戦での知野のマルチエラーは記憶に新しいし、その他にも、守備の上手い大和が併殺を焦ってショートゴロをファンブルしたところから他の野手や投手の暴投などが続いて大量失点した試合もあった。


フト思い立って調べてみると、元オリンピック スピードスケート メンタルコーチの松下信武さんがインターネット上で書かれている連載エッセイ「ビジネスパーソンのための心理学」の中に面白い記事があった。


詳しい内容は松下さんの「なぜエラーは連鎖するのか」というエッセイ(https://www.somjp.com/magazine/2016-06-5.html)をご覧戴きたいが、概要だけ述べると次のようなことが書いてある。


松下さんの最初の問題設定は次のようなものだ。


”例えば野球で内野ゴロを野手がファンブルし、慌てて一塁に投げたら暴投になり、別の選手が二塁に向かったランナーを刺そうと二塁に投げたら、また暴投になったというケースなど枚挙にいとまがありません。なぜ、チームスポーツでエラーが、連続して起きるのでしょうか?”


ここまで読んで、私は、エエッ?これはベイスターズのことですか?と思った。そして、次のようにも書いていらっしゃる。

 

”個人スポーツではその選手の技量が不足しているとか、その日は調子が悪かったのだろうと思われますが、チームスポーツだと一人の選手だけにとどまらず次々と 別の選手がエラーをしますので、観客は「あれ?いったい何をしているんだ!」と応援している人は腹ただしさと落胆を感じます。相手側の応援団は大喜びしますので、エラーをしたチームはさらにプレッシャーを受けます。”


やっぱり、ベイスターズのことを仰っているんだ。大喜びする相手側の応援団というのは、多分、H神Tガースですね?それで、それは何故なんですか?


”チームスポーツも、個人スポーツも、連続してエラーをしたり、ミスをする心理的な原因は同じだと私は考えています。それはエラーやミスによる失点を取り戻そうとする心理が働き、不必要に力んでしまうからです。”


”人間はまずいことをして落ち込んだ気分の方を過大に評価します。ですから、傷口の大きさを実態よりも大きく見積もって、それを取り返そうと実力以上の力を発揮しようとします。実力以上の力を発揮しようとしたら余分な力が入ってしまい、さらに傷口を広げてしまいます。試合中にエラーやミスをしたら、それを脇に置いて、勝つために次にやるべきことに集中することがメンタル上の対処方法です。ここまでは個人スポーツとチームスポーツに共通する対処方法です。”


それで、チーム内で別の選手間でエラーが連鎖することに対してはどうすれば良いのでしょうか?


”チームスポーツではさらなる心理的な手当が必要になります。それはチームワークとの整合性をとることです。

 

チームワークができあがってきますと選手同士の連帯感が強くなります。連帯感にも副作用があります。チームメートがエラーをすると同僚の選手たちは「彼の失敗をとりもどさなければならない」と思って、100%以上の力を出そうとします。その結果、投手は力んで投げたりデッドボールを投げ、野手はエラーをしてピンチを招きます。つまり、チームワークの良さがエラーを伝染させるのです。”


最後に、松下さんからのアドバイス。


”スポーツでもビジネスでも、失敗をしたら失敗からくる損害を取り戻そうとするよりも、損害を横に置いておき、ゼロベースで次のプレーに集中すれば、エラーやミスの連鎖を防止できる可能性が大きくなります。起こしてしまったエラーやミスは過去の出来事です。私たちは過去と他人を変えることはできません。”


なるほど、よく分かりました。


我々ファンは(少なくとも私は)、エラーが続く長い守備の時間をテレビの前で耐えていると、チームがバラバラになってしまっているように思いがちだが、実はエラーの連鎖はチームワークの裏返しという側面もあったのだ。


それを知ることができただけでも、調べてみる価値はあった。

ベイスターズも専属のメンタルコーチを置くようになったので、私がちょっと調べてわかるようなことはとっくにご存知で既に対策を講じていることだろう。


これも、ベイスターズが成熟した「勝てる」チームになるまでの成長プロセスの一つと思って見守り、明日からも変わらず応援を続けようと思う。