mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

選手が選ぶハマスタベストプレーで2022年シーズンを振り返る(守備編・攻撃編)



12月30日 ベイスターズの選手たちが選んだ守備、攻撃、投球それぞれのベストプレー(上位3位)が発表され、該当するプレーそして票を投じた選手たちのインタビューの動画が公開された。


それぞれ通して見返してみると、今年一年の名勝負そして様々なプレーがその時の自分自身の感情と共に鮮やかに甦ってくる。




【守備編】


守備については、捕手たちがワンバウンドのフォークボールなどを身を挺して止めるシーンなどにも他の選手たちから感謝の言葉がかけられたが、選手間投票のトップ3となったプレーは次の通り。


(3位)ネフタリ・ソトの捕球とトス


今シーズンのソト選手の一塁守備は素晴らしく安定していた。


守備の指標であるUZR1000で9.5という数値を記録しており、2位のビシエド選手(中日)の3.8やゴールデングラブ賞を受賞した中田翔選手(巨人)の1.5を大きく上回っている。


ゴールデングラブ賞の発表後に、ソト選手自身も「ゴールデングラブ賞って何なんでしょうね」というような意味合いのコメントをSNSで発信していたが、その気持ちは良くわかる。


しかし、まあ、印象で選んでいると言われてしまえばそれまでなんですけどね。


一塁線を抜けようかという鋭いゴロに飛びついて捕球するプレーや小フライを飛び込んで捕球するプレーなどでチームは何度も助けられた。


そして、投手陣が語っていたように、ピッチャーが一塁ベースカバーに入る時のトスが安定しているのも素晴らしい。


マウンドから一塁に駆け寄ってくる投手たちがスピードを落とす必要もなく、ぴったりのタイミングで彼らのグラブに収まるトスはまさにプロの技術だった。


ゴールデングラブ賞は逃したが、チームメイトのこうした評価を聞くことは彼にとっても嬉しいニュースに違いない。


(2位)森敬斗の爆肩


投票した入江投手によるとバクケンと読むらしい(知らなかった。ひょっとすると爆乳とかいう最近の言葉に影響されているのではないだろうか?やだあ)。


シーズン後半にバントのミスやプライベートの記事などでやや落ち着かない森選手だが、客観的に守備のレベルを見ると、かなり向上しているのは間違いないと思う。


去年あったように、明らかに間に合わないタイミングで無理に送球して大暴投というようなことはなくなり、少し大人っぽいプレーができるようになってきた。


守備範囲の広さと送球の強さは彼の長所だと思うので、基本に忠実で確実な捕球、そしてボールを捕ってから投げるまでの時間差の解消が今後の課題だろう。


京田選手の入団によってますます遊撃手のレギュラー争いは激化することと思うが、この競争でライバル全員がレベルアップできることを願っている。



(1位)桑原将志のダイビングキャッチ


そして一位はセンター桑原将志の献身的なダイビングキャッチ。


投手が「やられた」と思うような大飛球や内外野の中間にポトリと落ちそうなポテンヒット風の打球を飛び込んで捕球する姿を今シーズン何度も観た。


投手たちは、「とてつもない守備範囲に助けられた」と口々に語っており、彼がセンターを守っていることによる安心感が伝わってくる。


特に印象的だったのは、バッターが打った瞬間に素晴らしいダッシュで前進し、前方に思い切り飛び込んでフライをキャッチするプレーだ。


同じく元来は内野手でセンターでもゴールデングラブ賞を受賞した大和選手が語っていたように、こうした思い切りの良いプレーは内野手の基礎があるからできることなのだろう(同じことは藤田一也選手も言っていた)。


そう言えば、2009年に行われた第二回WBCの決勝で当時ベイスターズに所属していた内川聖一選手がライナーをスライディングしながらダイビングキャッチし、飛び出していたランナーも刺してゲッツーとした有名なあのプレーも内野手の動きだった。


桑原選手も今年はゴールデングラブ賞を逃したが、チームメイトたちも口々に言っているように彼がそれに値する能力を持っていることは明らかなので、来年こそ、チームの優勝と共に本人のゴールデングラブ受賞も狙って欲しい。





【攻撃編】


攻撃についても、今永昇太投手と石田健大投手の綺麗なインサイドアウトの軌道を描くスイングでのレフト前ヒットが野手たちの賞賛を受けていたが、トップ3に選ばれたプレーが次の3つだった。


(3位)佐野恵太の好打


佐野恵太選手の場合は一つのプレーということではなく、最多安打のタイトルを受賞したヒットメーカーとしての安定した巧打と勝負所での長打によるチームへの貢献が選手たちに評価されていた。


選手たちのコメントでは、キャプテンとしてチームを引っ張る姿にも感謝の言葉が多くみられた。前任の筒香選手とは異なったタイプのキャプテンシーでのびのびとした楽しいベイスターズの雰囲気作りに成功していると思う。


佐野選手の打撃の凄さはやはり強く鋭いスイングを支える回転軸の安定感だと思う。


この点については、入団当初から出色のものがあった。そして、プロの投手のボールに慣れ、様々な球種や球質に対する彼の脳内データベースが充実し、彼自身の技術の引き出しも豊富になって、押しも押されもしないリーグを代表する好打者に成長したと思う。


来年の悲願の優勝のためには、彼が万全の状態で開幕を迎え、一年を走り通すことが必要だが、先日の手術後の経過も順調なようで、その点については安心して見ていることができそうだ。



(2位)大田泰示の神走塁


大田選手は試合の趨勢を変える力がある稀有の選手だと思う。


そのことは大和選手をはじめチームメイトたちも口々に語っていた。


守備編では触れなかったが、ライトの大飛球をフェンスにぶつかりながら捕球してノーバウンドでファーストに送球しゲッツーを完成させたプレーも明らかに試合の流れを大きく変えた。


そして、攻撃編で選手たちに選ばれたプレーは自身のフェンス直撃のツーベースで同点に追いついた後、嶺井選手のしぶといライト前ヒットで間一髪ホームを落とし入れ逆転サヨナラの得点となったあの「神走塁」だった。


タイミングはアウトでもおかしくないところだったが、キャッチャーのタッチを間一髪交わして左手でホームベースを撫でるように滑り込んだあのプレーはリクエストの結果判定通りセーフとなり、サヨナラの歓喜の爆発が2度起きたように感じた。


大田選手には華がある。


来年は怪我なくできるだけ多くの試合に出場し、チームを鼓舞するような働きを見せてくれることだろう。



(1位)京山将弥のホームラン


私にとって意外だったのは、1位が京山投手のプロ入り初ホームランだったことだ。


確かに「狙っていた」という彼の確信犯的なバッティングは素晴らしかったが、個人的には牧選手や宮﨑選手の活躍が評価されるだろうと考えていたのだ。


しかし、選手たちからすると、あの試合で勝利をもたらした京山投手のピッチングとこのホームランの組み合わせが、言ってみれば二刀流的な意味合いでも印象深かったと考えれば、なるほどと思う。


高卒ドラフト1位で2年目の小園健太投手や今年のドラフト2位の吉野光樹投手など新たなライバルの台頭が予想される来季、まずは本業のピッチングでローテーション入りを果たすことが最大の目標だが、自分を助ける意外性のあるバッティングも期待して良いかも知れない。



例によって思ったよりも長くなってしまったので、投球編は明日、今年最後の記事として書いてみようと思う。