mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

僕らはいつもそっと言うのさ 風雨よ今夜もありがとう





今日の横浜の天気は日中こそ何とか持ち堪えていたが、夕刻になり試合が始まる頃になると今にも降り出しそうな気配。


そして、とにかく風が強い。


3連敗で迎えた交流戦、最初の試合はホームに楽天を迎えて行われる。


試合をやりたいような、やりたくないような、横浜地方の空模様と同じような心持ちだった。


ベイスターズの先発は左腕のアンソニー・ケイ投手。


前回登板のヤクルト戦(5月21日)では、8回を投げて被安打4、無失点の好投。


4連続QSと安定したピッチングを見せており、現状では東克樹に次いで期待できる先発投手と言えるだろう。


今日もケイ投手は初回から常時150キロを越える球威十分のストレートと曲がりの大きなスイーパー、カットボールとチェンジアップに加えてナックルカーブも駆使して攻めたピッチングを見せてくれた。


捕手の山本祐大もゾーン内に構えて適度にバラつくケイ投手の持ち球の威力を上手く引き出していた。


打線の方では、このところトップバッターに定着している蝦名達夫が好調を維持している。


今日も初回から思い切りの良いバッティングを見せてくれた。


楽天先発のポンセ投手が1-0から投じた2球目の外角ストレートに対してコンパクトにスイングし右方向にライナー性の打球を放った。


一瞬ホームランかと思ったが、ライトフェンス最上部に当たるツーベースヒット。あと数cm上だったらスタンドインしていただろう。


その後、今日は2番ショートに入った森敬斗が思い切り引っ張った打球は一塁手のフランコ選手のファインプレーで捕球されたが進塁打となり、続くタイラー・オースティンの打席でワイルドピッチの間に労せずして先制点を挙げた。



さらに、二死二塁で宮﨑敏郎が真ん中に入ったストレートを捉えて右中間を破るタイムリーツーベース。初回から2-0とリードした。



3回表には内野安打とクリーンヒット、無死一、二塁でのポンセ投手の送りバントに続き、小郷選手のセカンドゴロの間に1点を失った。


しかし、その裏、再び蝦名がライトフェンス直撃のツーベース。


森は三振に倒れたが、オースティンもツーベースで一死二、三塁として打席には筒香嘉智。


2球で追い込まれたが、4球目のチェンジアップに体勢を崩されながらもショートの右を抜けるタイムリーヒットで1点追加。



さらに、一死一、三塁の場面でランアンドヒットを仕掛ける。


宮﨑はおあつらえ向きの大きく弾むショートゴロを打ち、スタートを切っていた筒香はセカンドセーフ。


一塁に送球して打者走者の宮﨑敏郎がアウトになる間にサードからオースティンがホームに還りもう1点。


4-1と突き放すことに成功した。


そして今日のベイスターズ打線はなおも攻撃の手を緩めなかった。


6回には一死一塁から6番佐野恵太がライトの右を破るツーベースヒットで二、三塁とし、好調の山本祐大がポンセ投手の投じた真ん中低めのパワーカーブを上手く拾ってセンター前へのタイムリーヒット。


続く西浦選手の打席でも、大きなバウンドのゴロがサードの頭上を超えてタイムリーヒット。


これで6-1となり、試合を支配することに成功。


このあたりで風雨はかなり激しくなっており、ポンセ投手のピッチングにも影響があったかも知れない。


そして続く7回表には、その風雨がケイ投手も追い込むことになる。


フランコ選手のライト右を破るツーベースヒットなどで二死三塁となったところで、足下が滑るようになり、ケイ投手のボールが明らかに抜けはじめる。


四球を二つ出して二死満塁となった時点では豪雨と言っても良いほどの本降りとなっていた。


三浦監督は堪らずベンチを飛び出して投手交代を球審に告げに行ったが、そのタイミングで審判団から中断が申し渡された。


そして、その後も結局は試合が再開されることはなく、このまま雨天コールドで試合終了という判断が下された。


6-1でベイスターズの勝ち。


交流戦初戦の勝利はこれで8年連続とのこと。


今日のヒーローインタビューは7回途中コールドながら被安打3、奪三振5、失点1で切り抜けたケイ投手。



私としては、共にマルチヒットだった蝦名選手と山本祐大選手もお立ち台にあげたかった。


この2人はこのところ打撃の好調を維持し続けているが、これはもう一時的なものではなく、ヒットを打つためのコツを掴んだと言って良いように思う。


山本祐大は昨シーズン後半に打撃開眼したようだが、今季になって蝦名も完全に一皮向けた。


彼はヤクルトの塩見選手のようなトップバッターになってくれそうな期待感を持たせてくれるまでに成長した。


故障の少ない塩見選手が1番にいてくれるなんて最高じゃあないですか?


ブルペンでは坂本裕哉、徳山壮磨という同年代の2人が頭角を現しており、牧秀悟も加えて1997年から1999年生まれの世代がチームの中核を形成する未来がすぐそこにまでやって来ているようだ。


そう言えば、もう1人ヒーローがいた。


7回表の楽天の攻撃で二死満塁のチャンスが生まれ、打席には代打伊藤裕季也。三浦監督がベンチを出たあのタイミングで激しく降り始め審判団に中断の判断を下させた雨と風だ。


考えてみれば、蝦名の2本のツーベースも宮﨑のツーベースも皆ライト方向にフライを打つことで風を味方につけた打撃だった。


振り返って見ると、これまでにも横浜スタジアムの試合では雨や風に味方されることが多かったよう気がする。


いや、実際にそうなのだろう。


だから、僕らはいつもそっと言うのさ


風雨よ今夜も有り難う