mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

東、雨、雨、雨、雨、雨、東





8月28日 横浜スタジアム


ベイスターズ 3 ー 2 タイガース


勝 東克樹 7回、105球、被安打8、奪三振8、与四死球0、失点2

S 森原康平

本塁打 タイラー・オースティン 22号ソロ


これが台風10号の影響で試合中止が相次ぐこととなる直前の試合の結果だ。


この試合で東投手は11勝目(2敗)を挙げ、ベイスターズは3連勝で借金を完済した。


その後、名古屋に向けて新幹線で移動中の選手やスタッフが三つのグループに分断されたり、10時間以上閉じ込められた新幹線の社内でタイラー・オースティンがジャクソン夫妻にドーナツを渡したり、色々なことがあったが、試合はなかった。


“勝ち切る覚悟”のチームスローガンを発表してから状態が好転し、チーム一丸となって勝ち始めた矢先の“水入り”だったので、再び失速する懸念を持つ人も多かったと思う。


そんな状況で迎えた今日の対広島3連戦の初日、先発は中5日で8月28日と同じ東克樹。


それどころか、なんと、1番から9番まで全く同じスターティングラインアップを組んできた。


1番 梶原昴希(RF)

2番 蝦名達夫(CF)

3番 佐野恵太(LF)

4番 T.オースティン(1B)

5番 牧秀悟(2B)

6番 宮﨑敏郎(3B)

7番 山本祐大(C)

8番 林琢真(SS)

9番 東克樹(P)


連勝中なので無理に変える必要がない、というのは勿論だが、先発投手まで同じなので不思議な既視感を覚える。


カープの先発は“天敵ーズ”の一人である森下暢仁投手なので、引き締まった投手戦が予想されたが、森下投手の調子がもう一つだった。


相変わらず良いボールが多いのだが、時折、ストレートもチェンジアップも高めの甘いところに抜けてくる。


初回のベイスターズの攻撃では一、二番があっさり打ちとられたが、3番の佐野恵太が粘ってフルカウントの7球目、真ん中に入ったチェンジアップを見逃さずライト右を深々と破るツーベースヒット。


さらに4番オースティンが真ん中低めのストレートをやや詰まりながらもレフト前にゴロで運び1点先制。



東と森下の投げ合いで先制出来たことの意味は大きい。


さらに、2回には先頭の牧秀悟が2-2からの5球目、外角高めに浮いたチェンジアップを捉えてレフトスタンドにギリギリ届くソロホームランで1点追加。


VTRで見ると、ボールはフェンスの上面で弾んで紅く染まったレフトスタンド最前列に飛び込んだようだ。



4回にも先頭のオースティンがレフトフェンス直撃のツーベースで出塁すると、牧秀悟が死球、宮﨑敏郎は四球を選び無死満塁のチャンスとなった。


牧選手のデッドボールは内角高めのボールを打ちに行った左手の甲にシュート回転したストレート(ツーシーム?)が直撃したもので、直後には非常に痛そうな表情だった。


「これはヤバいやつか?」と思われたが、ベンチ裏でのチェックと治療の後に復帰したのは幸いだった。


詳細は明日まで待つ必要があるだろうが、その後、試合終了までバッティングも守備も普通にこなしていたので恐らくは大事には至っていないだろう。


牧の犠牲を払って掴んだ無死満塁のチャンスだったが、続く山本祐大は前進守備のショート矢野選手の前におあつらえ向きのゴロを打ってしまい、6-2-3のホームゲッツー。


二死二、三塁となってカープベンチは8番林琢真を申告敬遠して満塁策を採った。


しかし、結果的にこの策が裏目に出た。


打席に入った東克樹は1ー0からのスライダーを払うように逆方向に打ち返し、これが三遊間をゴロで破るタイムリーヒットとなった。


この1打は、ホームゲッツーでカープに行きかけた試合の流れをベイスターズに引き戻すという意味で非常に大きな効果をもたらした。


さらに、続く1番梶原昴希が0ー1から森下投手のインコース低めのフォークに上手くバットを合わせて一二塁間をゴロで抜く2点タイムリーヒットを放った。


このコースは梶原選手の好物なのだが落ちが良い変化球だと空振りの可能性も高い弱点でもある。


この時の森下投手のフォークは落ちがもう一つだったように見えた(それにしても、キッチリ捉えた梶原選手が今季ステップアップして別次元になったことは間違いない)。


5-0、未だ4回だが、今日の東投手の出来を考えれば勝ちに大きく近づいたと言っても良いだろう。


今日の東克樹は初回から気合が入り、かなり飛ばしていたように見えた。


初回を三者凡退。


2回には二死一、三塁のピンチを作ったが、會澤選手を1球でサードゴロに打ちとりリズムに乗った。


その後、3回〜5回を三者凡退に抑え、6回、7回には走者は出したものの、ギアを上げて後続を打ちとり無失点で切り抜けた。


力のあるストレートが両コーナーの低めにビタッと決まり、しっかりと空振りやファウルに抑えることができていたことが好投の要因だったと思う。



8回には二死から3連打を許して1点を失い、なおも二死一、二塁で打席に5番坂倉選手が入ったところで降板。


中5日の影響なのか、7回あたりから制球、キレともにやや落ちてきていたと思う。


ベンチも同じ判断だったようで、ここで2番手のウェンデルケン投手をつぎ込み、フルカウントから坂倉選手をインローのストレートでセンターフライに打ちとって2点目は許さなかった。


最後は、前回のカープ戦で菊池選手にサヨナラスリーランホームランを打たれて敗戦投手となった森原康平が、その菊池選手から始まる9回表のカープの攻撃を3人で終わらせ、5ー1のままゲームセット。


東投手は7回2/3、96球、被安打7、奪三振4、与四死球0、失点1のHQSで12勝目を挙げたが、これで昨シーズンからの連続QS記録が32まで伸びたことになる。


エースを立てて再開後の初戦をとれたことは大きい。


明日からも負けられない闘いは続くが、チームに自信と勢いをもたらしてくれる勝利だったことは間違いないと思う。