mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

速報 今の感染状況が続いても開幕は迎えられるのか?

今日は「東克樹の全体的なもっこりについて」というのんびりした記事を書こうとしていたのだが、そんなことは言っていられないようなニュースが各紙によって報道された。
https://news.yahoo.co.jp/articles/33ff7a9e0627cd00f5122b0d3250d6e268de2ecf



“DeNAは28日、牧秀悟内野手、京山将弥投手、浅田将汰投手、大和内野手、スタッフ1人の計5人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表した。牧は喉の痛みと鼻水などの症状があり、現在は自主隔離している。


2月1日からの春季キャンプに向けて27日にPCR検査を実施し、牧らの陽性が判明した。大和は発熱の症状があったものの、現在は回復。


チームスタッフには喉の痛みの症状があり、京山と浅田は無症状。また、伊勢大夢投手が濃厚接触者と判定され、自主隔離をしている。  


陽性が判明した5人と伊勢はキャンプへの合流が遅れる見込み。また、松本隆之介投手は20日に陽性判定を受けていたことも併せて発表し、こちらもキャンプへの合流が遅れる見込みとなっている。“


これは流石に気になったので、PCR検査の陽性率、つまり検査を受けた方の中で陽性と判定された方が何%いらっしゃるか、を調べてみた。


厚生労働省のホームページによると、1月28日0時時点での速報値として、PCR検査実施総数が空港や海港も含めるとおよそ3281万人で、そのうち陽性と判定された人数がおよそ242万人となっている。陽性率にして7.37%ということになる。


ベイスターズのキャンプ参加予定者総数が75人(1軍40人、2軍35人)だったので、単純にこの総数に陽性率7.37%をかけると5.5人となり、上記の記事で報道されている陽性と判定された選手数(松本投手を含めて5人、濃厚接触者の伊勢投手まで含めると6人)はある意味予想通りということになる。


NPBの発表によると、今後も週2回の頻度でPCR検査を行うことを各チームに要請するとのことだ。もしもこのペースで陽性者が出続けると開幕を迎える3月25日で出場可能な選手は足りているのか、気になったのでシミュレーションしてみた。


このシミュレーションでは、次の条件を仮定した。


○ 週2回の頻度で検査をしていても、その間(3.5日)に感染してPCRで陽性と判定される確率は一般の人と同じで毎回7.37%とする
○ 一度感染した選手は期間中に再度感染することはない(オミクロン株への免疫がこの期間であれば有効と仮定し、ステルスオミクロン等の新しいタイプは考慮しない)
○ 陽性と判定された選手は2週間の療養と隔離を経て練習に復帰する
○ 濃厚接触者は陰性である限りは未感染としてカウントする


結果は下の図のようになった。


2月初旬には陽性判定による離脱者が20人に達し、キャンプに参加できる選手数が1軍と2軍合わせて55人にまで減ってしまうが、その後、療養や隔離を経て復帰する人数が新たな陽性判定者数を上回るようになり、出場可能な選手数は徐々に増加に転じて開幕時には70人弱となる。


この様に、人数だけを見れば開幕戦を戦うことはできるのだが、キャンプとオープン戦の期間中にコロナに感染し2週間程度の離脱を余儀なくされた選手の数(3月25日時点での出場可能選手数(黄色の線)と未感染の選手数(オレンジ色の線)の差に相当する)は50人近くに達する。


チーム全体の4分の3にあたるこれらの選手達には調整不足がある程度生ずることが避けられないだろう。つまり、人数は揃っているもののチーム全体としての準備ができているとは言い難い状態となってしまう。



上に書いた条件のうち、週2回もPCR検査をしているのに毎回一般の人と同じ7.37%が陽性になるのはあまりに過大評価と言う批判があるだろう。


私もそう思うので、もう少し現実的な予想として、一般の方の半分程度まで陽性率が低下するとしてみた。この場合、1週間での陽性率(つまり2回の検査どちらかで陽性判定が出る確率)は一般の方と同じ7.37%と言うことなので、これでもまだ過大評価かも知れない。


この場合の結果は以下の通り。


開幕時点で1軍と2軍を合わせて70人弱が出場可能なことは同じだが、この場合は、キャンプとオープン戦の期間中にコロナに感染し2週間程度の離脱を余儀なくされ調整不足が懸念される選手の数は30人程度となり、半数を下回る。


NPBの要請として、キャンプ中は観客と選手の動線を完全に分離することや、濃厚接触者の自主的な隔離を進め、また、キャンプ期間中の選手たちの外食等は禁止されると思うので、実際の陽性率はさらに低下することが期待できる。


例えば、上記の陽性率をさらに半分にしてみよう。


このケースでは、期間中にコロナに感染し2週間程度の離脱を余儀なくされ調整不足が懸念される選手の数は20人程度となり、これは全体の4分の1強にあたる。つまり、大半の選手たちは感染により離脱することなくしっかりと調整できるため、何とか1軍と2軍ともにチームとしてある程度の準備をして開幕戦を迎えることができそうだ。


さらに、先行してオミクロン株の急激な感染の広まった南アフリカ等の諸外国の例を見ると、オミクロン株はピークアウトも速いと言う見解がある。決して楽観はできないが、仮に2月末には沈静化し新規陽性者がほぼゼロになるとすると、次の様な結果となる。


この場合は期間中にコロナに感染し2週間程度の離脱を経験した選手数は10人程度。しかも全員が復帰してから開幕までに1ヶ月程度の準備期間を確保することができる。この場合はチームへの影響は微小だろう。



こうしてみると、陽性率がどのように推移するかによって、コロナに感染し2週間程度の離脱を余儀なくされ調整不足が懸念される選手の数がチーム全体の4分の3に達する場合から、影響がほとんど問題とならないと考えられる場合まで変動することとなり、この変動幅は各チームの本来のチーム力や選手層の厚さの差あるいはオフ中の補強の程度などよりずっと大きな影響を持つ可能性があることがわかる。


感染対策が医療の観点から重要なことは言うまでもないが、それに加えて、上に書いたことは、つまり、これからのキャンプとオープン戦期間中の各チームの感染対策の成否が、開幕ダッシュができるか否かを分ける大きな要因にもなるものと考えられる。


賢明なベイスターズ首脳陣はこのくらいの簡単な予想は既に立てていることと思うので、感染対策がスタートダッシュを決めるための重要な戦略の一つと考え、得意のIT技術を駆使して積極的に取り組んでいただきたい。


ひょっとすると、今春のキャンプの目玉は各チームの感染対策競争になるかも知れない。