mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

タイラー・オースティンのめざめ





ベイスターズの先発は自身2連敗中の石田健大、ヤクルトの先発はファームでの調整を経て約1ヶ月ぶりの登板となる高橋圭二。


どちらも勝ちに飢えている状況での登板だった。


先手をとったのはベイスターズ。


初回、先頭の蝦名達夫が高橋投手の高めのボールを上手く叩いてセンター前にゴロで抜けるヒット。


先発投手は先頭打者にヒットを打たれると自分の出来に関して疑心暗鬼になりがちだが、一ヶ月ぶりの一軍のマウンドだった高橋投手はなおさら不安を持っただろう。


続く桑原将志はセカンドフライに倒れたが、佐野恵太が四球を選び一死一、二塁となったところで今日はお疲れ休みの筒香に代わって久しぶりの4番に入ったタイラー・オースティンが打席に入る。


1-0から見送ればボールの高めのストレートを思い切り振りに行った。


打ちとられた当たりだったが、力でショートの頭上を越えるヒットとした。


セカンドランナー蝦名が素晴らしい打球判断であっという間にホームまで駆け込んでベイスターズが先制。


その後、一死満塁まで攻め立てたが、山本祐大の深いショートゴロは間一髪のダブルプレーとなり最初のチャンスはここで潰えた。


一方、石田健大はいつものように帽子を弄ることもなく良いテンポで丁寧に多彩な球種を投げ込んでいった。


スローカーブでカウントをとったり、カウント球でフォークを使ったりして投手有利のカウントを作り、ストレートをズバッとコーナーに決める好調な立ち上がりだった。



さて、2回以降立ち直りつつあった高橋投手だったが、3回表、先頭のオースティンが0-1からの2球目、真ん中高めのカットボールをコンパクトに強振。


打った瞬間にそれとわかる打球はレフトスタンド上段にまで達する大きなソロホームラン。


さらに、続く宮﨑敏郎も2-2からの6球目、高めのボールを思い切り叩いて左中間フェンス直撃のツーベースヒット。


山本祐大もヒットで続き、無死一、三塁となると、大和が注文通りにセンターへの犠牲フライで追加点を挙げた。


3-0とリードを拡げ、ベイスターズが主導権を握る。


続く5回表にもヒットの桑原将志と死球で出塁した佐野恵太を塁において、三たびオースティンが左中間深いところへのタイムリーツーベースヒット。これで4-0


その後、一死満塁のチャンスが続いたが、ここでは後続が倒れて無得点。一気に行きたいところだったが攻撃の流れが絶たれ、これがその後のヤクルトの反撃につながったように思う。


石田健大はその後も帽子を気にすることもなく快調に投げていたが、好事魔多し。


先頭の村上宗隆への3球目、アウトコースを狙ったスライダーがコントロールミスで真ん中に入ってしまった。


ツボに入るとやはり村上は怖い。


あっという間にライトスタンドへ運ばれた。



さらに、続くサンタナ選手にも高めに浮いたチェンジアップをバックスクリーンに運ばれるソロホームラン。


4-2とリードが縮まった。


石田健大はこのまま崩れるかと思われたが、なんとか持ち直し、オスナ、中村悠平、濱田を5球で打ちとり、追加点は許さなかった。


今日の石田は7回、89球、被安打7、奪三振5、与四球0、失点2のHQSで投球終了。


これでこの3連線の先発投手は全員がQS以上を達成したことになる。ヨシヨシ


8回はこのところ安定している伊勢大夢が登板。


しかし、二死から長岡の打ちとった当たりはセンター桑原のチャレンジ及ばず不運なポテンヒット。


続く山田哲人にもセンター前に打ち返され、二死一、三塁となって打席には怖い村上宗隆。


やはり打たれたか、という感じでセンター前へのクリーンヒット。


これで4-3と1点差まで追い上げられてしまった。


さらに、サンタナをデッドボールで出塁させてしまい、二死満塁のピンチ。


神宮球場にはヤクルトファンの歓声が湧き上がり、スタンドは熱を帯びた。


ここで打席に入ったのは現在打点王のオスナ選手。


やっぱりスワローズ打線は怖いなあ。


外角低めの変化球で誘うがオスナは手を出さず、3-1と打者有利のカウントを作られてしまう。


しかし、これまで幾多の修羅場をくぐって来た伊勢大夢の経験値は既に高いレベルに達しているようだ。


外角高め一杯に投げ込んだストレートは十分な力があり、オスナ選手のバットを押し込んだ。


ファーストファウルフライをオースティンがややよろけながら捕球してスリーアウト。


同点にはさせなかった。


こうやって絶体絶命のピンチを切り抜けた後には、得てして流れを取り戻せるものだが、9回表、先頭の森敬斗がヤクルト5番手の木澤投手からレフトオーバーのツーベースヒットを放ってチャンスメイク。


蝦名が体勢を崩しながら一塁方向への進塁打で一死三塁とチャンスを拡げた。


ここで打席に入った桑原将志は木澤投手の初球をコンパクトにセンターがえし。


鋭いゴロが前進守備のセカンド武岡選手のグラブをかすめてセンター前へ。


このタイムリーヒットで再び5-3と引き離して勝利を手繰り寄せた。


最後は安定感の出てきたクローザー森原康平が7番からの3人を8球で抑えてゲームセット。



最後の打者、代打で登場の青木宣親は森原の低めのフォークボールに手が出てバットが止まらず空振り三振。昨夜の再現のような幕切れだった。


これで今シーズン初めてのスイープとなり、勝率5割に復帰した。


神宮球場を苦手としていた石田健大はなんと7年ぶりの勝利。


来週は交流戦最初のカード、楽天戦での登板になると思うが、とにかく帽子のことは忘れて大胆かつ丁寧に投げて欲しい。


今日のヒーローはなんといっても3安打、1本塁打、3打点のタイラー・オースティン。


お休みが多すぎるという批判がベイスターズOBからも出ているようだが(そう言えば今日のフジテレビONEの解説はこの人だった)、やはり彼が居てくれると打線の迫力が違う。


彼が復帰した5月17日以来、5勝1敗とチームは快進撃を続けている。


彼自身もこの6試合で24打数、8安打、四球2、本塁打1、二塁打3の活躍。


打率 .364、出塁率 .417、長打率 .636でOPS 1.053という数字は文句なしに故障明けの大砲が覚醒したことを示している。


明日からのカープ戦はもちろん、2年連続の交流戦優勝を目指してチームをさらに勢い付けて行って欲しい。