mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

東克樹は30試合連続QSで10勝到達 初回のバントには理由がある





ベイスターズ東克樹、ドラゴンズ松木平優太の先発は8月7日のバンテリンドームでの対戦の時と同じ組み合わせ。


この時は東が9回無失点、松木平も7回無失点と互いに譲らず、延長12回でスコアレスドローとなった。


今日も息詰まる投手戦が予想されたが、昨日に続いて初回からベイスターズの打線が爆発し、想定外の大差がついた。


初回、先頭の梶原昴希はこのところ数試合続けてヒットで出塁している。


今日も1-2からやや甘く入ったカットボールを狙いすましてレフト前に弾き返した。


そして2番に入った蝦名達夫が送りバントを決めて一死二塁のチャンスを作った。


走者を一塁に置いての送りバントは得点効率が悪いと言われるが、それはあくまで一般論であり、状況によっては有利に働くこともある。


昨日の試合で桑原将志にバントを指示したのは、相手が髙橋宏斗投手であり容易に連打が出るような相手ではなかったことが理由の一つだったと思う。


今日の場合は、当社の先発が東克樹であり、特に中日には相性が良いことから、先制することができればかなり優位に試合を進めることができると言う理由があっただろう。


実際、ドラゴンズの立浪監督は試合後のインタビューで、


“東投手にはこれまでも抑えられているので、序盤からベイスターズに先制を許すと試合の組み立てが非常に難しくなる”


と語っており、ここでバントを絡めて点をとりに行った作戦はドラゴンズにかなりプレッシャーを与えるものだったと思う。


そして、3番佐野恵太が0-2と2球で追い込まれてから、松木平投手が内角(恐らくはストライクゾーンから僅かに外れたところ)を狙って投げ込んだストレートがシュート回転して真ん中付近に入った。


佐野選手はこのボールを見逃さず、鋭く体を回転させながら思い切り引っ張った。


ヒーローインタビューで佐野自身が語っていた通り、「自分でも驚くような凄い打球」が飛んで行った。



その後、オースティンのツーベースと牧のどん詰まりのレフト前タイムリーもあり、初回で3-0とリードすることに成功した。


ベイスターズ打線は3回にもオースティンの四球から始まり、牧、宮崎のヒットで満塁。山本祐大の押し出しフォアボール、京田陽太と蝦名達夫のタイムリーでさらに3点を追加して6-0とほぼ勝負を決めた。


5回に1点を返されたが、6回裏先頭のオースティンがドラゴンズ2番手の斉藤投手からソロホームランを放って再び6点差として、勝負あり。


バットの先端に近いところに当たったように見えたが、右手で押し込んでスタンドまで運んだパワーはやはりMLBレベルだと思った。


先発の東克樹は初回からドラゴンズの山本選手に10球粘られ、その後、川越選手、細川選手に連続フォアボールを出すなど球数を要したが、何とか立ち直り、6回、104球、被安打3、奪三振7、与四球2、失点1、で昨シーズンから続く連続QSを30に伸ばした。


これで昨年に続き二桁勝利(2敗)となったが、ベイスターズの左腕としては野村弘樹さん以来とのこと。おめでとうございます。


今日は左腕の大きな武器である右打者のインコースへのストレート、いわゆるクロスファイアがことごとくボール判定となり苦しかったが、それでも打者を抑える引き出しの多さがこの抜群の安定感をもたらしているのだろう。



上にも書いたが、二試合続けて珍しく初回から送りバントを選択したことがネット上で議論されているが、こうした戦術は固定するべきものではなく、状況に応じて柔軟に使い分ければ良いと思う。


ただし、トップバッターの梶原昴希の好調が続き、3番から佐野、オースティン、牧、宮﨑という強打者が続くことを考えれば、ヒットで出塁した梶原を二塁に進めてコアの4人に託すという戦術の有効性はある程度一般化できるようにも思う。


強打者が4人いるからこそ、送りバントが1点では終わらない可能性があることは昨日と今日の試合で実績として示された、とも言える。


相手の先発が好投手である場合、あるいは今日のようにこちらの先発が強力である場合には今後も有効な戦術となるだろう。