CSファーストステージ突破 色々あるけどまずは祝杯を
昨日の初戦は甲子園での阪神戦には珍しくベイスターズの良いところが目立った試合だった。
東克樹の途中降板は不安材料となったが、その後の追加点の取り方やブルペンの一致団結した踏ん張りなど三浦監督としては、“してやったり”という試合展開だったのではないだろうか。
そして今日の第二戦、2日続けてそう上手くはいかないだろうと考えてしまうのが長く辛酸を舐めてきたベイスターズファンの良くないところだ。
今回は私も反省して、極力ポジティブな気持ちを保ち、昨日勝ったのだから今日も勝てるだろう、という怖いもの知らずの楽観を努めて前面に出すことにしてみた。
今日のベイスターズの先発は球威という意味ではリーグでも一二を争うアンドレ・ジャクソン投手。
タイガースの先発髙橋遙人投手もストレートが売り物の投手なので、この二人の投げ合いは楽しみでもある。
ジャクソン投手の立ち上がりは近本選手、中野選手という阪神の一二番を三振に打ちとり、これは良さそうだと思わせたが、3番森下選手にインコース低めの力のあるストレートを弾丸ライナーでレフトスタンドまで運ばれた。
良いバッターだなあ。
早くも0-1と1点のビハインド。
しかし、ここでジャクソン投手が自分のストレートに懐疑的にならなかったことが良かった。
その後は立ち直り、ときおり四球は出すものの、走者を背負った勝負どころでは狙って三振を奪うピッチングを続けた。
5回2/3、100球、被安打4、被本塁打1、与四球4、奪三振9、失点1という内容で先発投手の役割を果たした。
話は前後するが、このジャクソン投手の好投を支えたのは活発なベイスターズ打線の援護点だった。
先制された直後の2回表、先頭の5番宮﨑敏郎が1-1から髙橋投手のインコースのストレートを腕を畳んで振り抜き、左中間を深々と破るツーベースヒットで出塁。
そして、続く桑原将志が初球のアウトコース高めのツーシームをバットの先端で右方向に打ち返すと、打球は一二塁間を破るヒットとなり、無死一、三塁とチャンスが広がった。
右方向の進塁打を狙う場面で経験豊富な梅野捕手が右に打ちやすい球種とコースを初球から選択した理由は謎だが、これが短期決戦の怖さというものか。
さらに、次の森敬斗は叩きつけるバッティングで高く弾んだボールが落ちてくる間に俊足を飛ばして一塁に駆け込み内野安打とした。
ここで勝負強い(時もある)戸柱恭孝が2球目のストレートを迷わず振り抜いて右中間を破る走者一掃の3点タイムリーツーベースヒット。
ここまでわずか7球、あっと言う間に3点を挙げて逆転に成功した。
この後、さらに牧秀悟のタイムリーヒットも飛び出して、ベイスターズは一気に4-1と試合の主導権を握った。
3回から岡田監督は梅野選手に代えて坂本捕手を起用したが、これが機能してベイスターズ打線は6回までほとんどチャンスは作れないまま試合は進行した。
この間、タイガースは何度か得点圏に走者を進めていたので、この状態が続くと少し危ないな、と思っていた7回表。
先頭のフォード選手がタイガースの2番手村上投手からソロホームランを放ち試合の流れを再びベイスターズに呼び戻した。
見事な代打弾。
そう言えば昔、段田男(だんだだん)という演歌歌手がいたっけ。
まあ、どうでも良いか。
この後、梶原、牧の連打の後に佐野恵太のスリーランホームラン(ボールではないかというかなり高いコースをやや強引に引っ叩いた)が飛び出し、さらに絶好調の戸柱恭孝が2点タイムリーツーベースを打って5点を追加。
10-1とほぼ試合を決めた。
その後は点差もあり、故障から復帰直後のウェンデルケン、不調の上茶谷などを試運転したが二人とも現状ではもう一つの出来で、それぞれ1点ずつを失った。
もう一人の試運転、堀岡投手は5番佐藤輝明選手からの打順を三者凡退に打ちとり、今後に期待を抱かせるピッチングを見せてくれた。
彼はジャイアンツ時代からボールの力はあり、制球難が問題なピッチャーだったが、横須賀での入来コーチらの指導が実ったのか、危なげない投球に見えた。
そして、バックも堀岡投手を好守で盛り立てた。
坂本選手が放った三遊間の非常に深いところに転がったゴロに森敬斗が何とか追いつき、身体が三塁側に流れながら振り向きざまにファーストに送球して間一髪アウトにした(最初はセーフ判定だったがリクエストで覆った)。
森選手の尋常ではない身体能力が遺憾無く発揮されたスーパーなプレーだった。
森選手は打撃でも3安打の猛打賞で、今シーズン終盤から一際輝く存在となってきた。
遅れてきたスーパースターの覚醒となるか、これからが勝負どころだろう。
試合は10-3でベイスターズが勝利し、予想を裏切ってファイナルステージに勝ち上がることを決めた。
日本シリーズに出場した2017年以来、7年ぶりのファーストステージ突破だ。
エース東克樹の離脱、宮﨑敏郎の故障(田中コーチに背負われてベンチに退いた姿は衝撃的だったが、試合後、右下肢がつった、という球団からの発表があったので最悪の事態ではなさそう)という痛い代償を払いはしたが、今日のところはまず祝杯を挙げよう。
水曜日から始まるジャイアンツとの対戦は厳しい戦いになるに決まっている。
相手は優勝チームなので、それは当然のことだ。
ベイスターズは挑戦者として自分たちの積極的な野球をひたむきに続けて欲しい。
勝つと思うな、思えば負けよ、と美空ひばりさんも歌っていたではないか。
負けてもともと この胸の
奥に生きてる 熱き星が
一生一度を 一生一度を 待っている
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