横浜に残る喜び
2024年のフリーエージェント(FA)の権利を取得した選手がその行使を宣言できる期間は日本シリーズ終了後の11月5日から今日(15日)までである。
FA宣言をした主な選手は以下の通り。
菅野智之投手(読売ジャイアンツ)海外
大山悠輔内野手(阪神タイガース)国内
原口文仁内野手(阪神タイガース)国内
九里亜蓮投手(広島東洋カープ)海外・国内
木下拓哉捕手(中日ドラゴンズ)国内
福谷浩司投手(中日ドラゴンズ)国内
甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンクホークス)国内
石川柊太投手(福岡ソフトバンクホークス)国内
茂木栄五郎外野手(楽天ゴールデンイーグルス)国内
青柳晃洋投手(阪神タイガース)ポスティング
小笠原慎之介投手(中日ドラゴンズ)ポスティング
佐々木朗希投手(千葉ロッテマリーンズ)ポスティング
ジャイアンツの菅野投手や千葉ロッテの佐々木朗希投手のMLB挑戦(佐々木投手は25歳以下のため当面はマイナー契約に限定されるようだが)が注目されており、この二人が何らかの契約を得ることはほぼ確実だろう。
また、タイガースの青柳投手とドラゴンズの小笠原投手についても、近年の日本人投手の相場が上向いていることからそれなりのオファーはある可能性が高い。
ベイスターズはカープの九里投手について獲得調査に乗り出したというニュースがあったが、彼自身はMLBを優先的に考えているという情報もある。
今年のFA市場のいわゆる目玉となるのは、タイガースの大山選手、ホークスの甲斐選手と石川投手の3人となるが、彼ら3人とも”他球団の評価を聞いてみたい”という姿勢であり、宣言残留の可能性も残されているように思う。
特に、ホークスの二人は金銭面で言えば現在の所属球団での待遇も決して悪くないので、出場機会等の別の側面での条件次第というところか。
タイガースの大山選手は茨城出身で関東の球団への移籍希望があるという噂や、昨シーズンオフに球団からの複数年契約を辞退していることなどからある程度は移籍の可能性があるかも知れない。
このクラスの選手を獲得する在京球団ということだと、やはりジャイアンツになるだろうが、エースと4番の同時流出を避けるために岡本和真選手のMLB挑戦が見送りになりそうだという情報もあり、もしこれが本当だとするとタイガースの4番からジャイアンツの4番へのスライドという前代未聞の動きは起こらないことになる。
一方、FA宣言をせず残留した主な選手は次の通りだ。
大城卓三捕手(読売ジャイアンツ)
坂本誠志郎捕手(阪神タイガース)
糸原健斗内野手(阪神タイガース)
佐野恵太外野手(横浜DeNAベイスターズ)
京田陽太内野手(横浜DeNAベイスターズ)
髙橋周平内野手(中日ドラゴンズ)
石井一成内野手(日本ハムファイターズ)
西野勇士投手(千葉ロッテマリーンズ)
酒居知史投手(楽天ゴールデンイーグルス)
西野真弘内野手(オリックスバファローズ)
いずれも、それぞれの所属球団で活躍し、ファンに愛されている選手であり、本人たちもそのことを十分に理解し感謝しつつ残留という選択を下した。
活躍の場を求めてFAの機会を活用するのも、宣言せずに残留するのも選手自身の判断であり、長年の努力でやっと手に入れた権利なので、熟慮の上、後悔のない選択をして欲しいということに尽きる。
ただし、特定のチームのファンという立場では、やはり、長年に渡って声援を送り続けてきた選手が残ってくれる、来年以降も同じユニフォームで共に戦ってくれるというのは嬉しい限りだ。
特に、暗黒時代が長く続き、”横浜を出る喜び”などというフレーズも飛び出した我がベイスターズにあっては、ここ数年、主力選手が残留してくれる傾向にあることは喜ばしいし、隔世の感もある。
数年前に、梶谷隆幸選手と井納翔一投手が揃ってジャイアンツにFA移籍した際のファンの反応をみて、球団としても危機感を覚えたというコメントがたしか萩原本部長あたりからあったと思うので、それ以降に方針変更があったとみて良いだろう。
(佐野選手のコメント)
“2016年のドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから指名をしていただいて、自分のプロ野球人生はスタートしました。
指名待ちをしていたあの時の長く、苦しく、悔しい時間は今も自分の原動力となっています。
ドラフト会議で指名してくれた恩を活躍することで返せるのであればベイスターズのために活躍をしたい。その思いが変わることはありませんでした。
ファンの皆さまと一緒に勝利を分かち合えるようチームのために頑張って行きたいと思います”
(京田選手のコメント)
“ドラゴンズからこっちに拾って頂いたとき、声をかけていただいた球団。
今年日本一になりましたけど、リーグ優勝という目標を達成していないので、チームメートとリーグ優勝の瞬間を味わいたい。
とにかく、中心となって、もちろんレギュラー目指していく。
今から勝負が始まっているので若手の壁となれるようにしっかりやっていきたい”
二人とも、チームに対する愛着やチームメイトと共に野球をすることの喜びを感じてこのチームに残りたいと言う心情が表れている。
我々ファンの応援もこの決定に何がしかポジティブな影響を与えているとすれば本当に嬉しいことだ。
あの暗黒時代はすでに過去のものとなり、今や
“横浜に残る喜び”
が語られる時代になったのだ。
I can see clearly now the rain is gone!
と言うことさ。
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