mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

球団史上初 先発投手が余る





実に久しぶりに平良拳太郎が1軍の試合で先発としてマウンドに上がった。


ストレート、シンカー、2種類のスライダー(曲がりの大きいものと鋭く落ちるもの)のどれをとってもキレがあり、低めのコースにまとまっている。


印象に残ったのは、左打者の内角ボールゾーンからベース上に入ってくるシュートのかかったストレートがフロントドア気味に決まって見逃し三振を奪うシーン。


そして、これを何度でも繰り返すことができる制球力と再現性。


ああ、やっぱり平良拳太郎はこんなにも良い投手だったのだなあ。



しばらく見なかったんで、おじさん忘れちゃってたよ。


昨シーズンは開幕から好調で早々に初勝利を挙げたものの右肩の違和感で離脱し、その後復帰すると自身初となる完封勝利をスワローズ戦で成し遂げたが椎間板ヘルニアで再び離脱。


好事魔多し。


結局、わずか4試合の登板で2勝0敗、防御率1.21、WHIP0.88という結果に終わった。


この数字を見れば、誰もが“怪我せずに投げ続けてくれさえすれば”と思うはずだ。


本人もそのことは痛感しているようで、昨年の再度の離脱以降は、どうすればケガせずに投げ続けることができるかという課題に取り組んでいたらしい。


その甲斐あってサステナブルな投球フォームを身につけたと信じたい。


好調ライオンズ打線を5回までノーヒットノーラン(61球、奪三振2、与四球1)に抑えた今日の投球を見せつけられると、心からそう思わずにはいられない。


前回の記事で、東、バウアー、ジャクソン、ケイ、大貫、石田裕太郎の6人で先発ローテーションが決まった、と書いたが、今日の平良投手のピッチングを見せられると三浦監督も嬉しい悲鳴とやらをあげているに相違ない。


開幕を迎えて、先発ローテーションの候補が多すぎて困る、などというのは何処かの強豪チームの話だと思っていたが、我がベイスターズにもついにその贅沢な悩みがやってくるとは。


思えば、暗黒時代と言われたあの頃は、開幕を迎えて先発投手を予想すると、三浦大輔と言いながら指を一本折り、続いてやや首を傾げながら高崎健太郎と言ってもう一本指を折ったところでパタリと止まるという状況だった。


まさに隔世の感がある。


試合の方は、5回先頭の林琢真がライオンズ3番手の中村投手の代わりバナを捉え、ライトの右を破るツーベースヒット。


シーズン戦を想定してDHを使わず打席に入った平良拳太郎が送りバントを決め、蝦名達夫がフォアボールで1死一、三塁とチャンスを作ると牧秀悟が外角に外れたボールをバットの先で拾って一二塁間を抜く技ありのタイムリーヒット。



ライオンズにとって40イニングぶりの失点となった。


その後は、佐野恵太のタイムリーで2点目、筒香嘉智の犠牲フライで3点目、そして宮﨑敏郎のフェンス直撃のタイムリーツーベースで4点目と例のケチャップのたとえ話を思い出すような連打で得点を重ねた。


ベイスターズ打線は8回にも京田陽太と松尾汐恩のヒットで一死一、三塁として林琢真がセーフティスクイズを決め5点目。


不調の森敬斗に対して、遊撃手のレギュラー争いでは林選手が一歩抜け出したように思う。


その裏、マルセリーノ投手が元山選手にツーランホームランを喫して5-2と点差を詰められたが、9回裏に登板した入江大生が三者凡退でしめてセーブを挙げた。


入江投手も2023年8月以来となる1軍の試合での登板で、実に591日ぶりとのこと。


今日は最速155キロのストレートを中心に力で押すピッチングを見せてくれた。



まだ制球がややアバウトなところがあり、良い当たりもされていたが、久しぶりの1軍での登板でこの内容なら良しとすべきだろう。


ここから実戦の感覚を取り戻して行けば、近いうちに勝ちパターンに組むこまれることになるのではないだろうか。


このブログでも以前から何度か書いているが、素材としては、次のクローザーの大任は入江投手に担って欲しいところなのだ。


失投を減らすこと、打者との駆け引きでタイミングを外すこと、そして自らも認めている“アガリ症”を克服してピンチでも冷静さを失わないこと、を心がけその座にまで上りつめて欲しい。


書き忘れていたが、もう1人、徳山壮磨投手も今日の試合で1軍復帰登板を果たし、フォアボールを一つ出したものの、7回をノーヒット、無失点で抑えた。


徳山投手も昨年後半に椎間板ヘルニアで離脱し、9月に手術を受けてからリハビリを続けていた。


平良拳太郎、入江大生、徳山壮磨。


一時は素晴らしい投球で輝きながらも故障で離脱し、その後は苦しいリハビリを続けてきた3人の投手が一斉に復帰し好投を見せてくれた今日の試合はファンにとっても本当に素晴らしい時間だった。


“怪我にだけは気をつけて、シーズンを通して大活躍を見せてください”


我々ファンのこうした一途な願いが叶えられることを祈っている。