mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

さあ打て筒香 飛ばせ空のかなた

その後の濱マイク





ホームランバッターというのは特別な存在だと思う


野球というスポーツの競技時間の大半はバッテリーと打者との駆け引きに費やされる。


そこでは、18.44メートルの距離を挟んで打者と対峙するピッチャーがアウトコースのスライダーをボール一個分出し入れするような精妙な投球を続ける。


その制球は、誤差数センチメートルというスケールのものだろう。


しかし、ホームランバッターがバットを一閃すると、野球というスポーツの世界は数センチメートルから一瞬で100メートルのスケールに切り替わる。


その瞬間の躍動感


非常なスピードで振られるバットの暴力的と言っても良いほどのエネルギー


そして美しく大きな放物線を描いてスタンドに消えていく真っ白なボール



だから、ホームランバッターには夢があるのだ。


今日の試合、ドラゴンズ先発の涌井投手は流石に百戦錬磨のベテランで、絶妙な制球と緩急でベイスターズ打線に隙を見せなかった。


2回二死満塁で石田裕太郎が押し出しの四球を選び1点を先制したが、攻略と呼ぶには程遠い状態だった。


3回裏には、石田裕太郎の打たれ始めると止まらない悪癖が久しぶりに出て、その涌井選手のヒットから長短の三連打で3点を失った。


1-3と逆にドラゴンズにリードを奪われる。


石田投手は性格が素直過ぎるのだろうか。


打たれると同じリズムで真ん中よりにボールを投げ込んでいってしまうように見える。


しかし、4回には立ち直り、二つの三振を含む三者凡退でドラゴンズの下位打線を抑えた。


そして5回表、簡単にツーアウトをとられた後、打順が1番に戻って、蝦名達夫がライトへのヒットで出塁し、続く桑原将志の死球で二死一、二塁となった。


打席には筒香嘉智。


ゆったりとした懐の深い構えで横浜高校の先輩である涌井投手と対峙した。


1-1からの3球目、低めだがコースは真ん中に入ってしまったスライダーを見逃さず、渾身のスイングをかける。



バットとボールがぶつかった瞬間、ボールは方向を変えて凄まじい速さで吹っ飛んで行き、あっと思った時には呆然と見上げる右翼手のはるか上空を超えて広いバンテリンドームの右中間中段に達した。



逆転スリーランホームランだ。


今までに何度も見た、打った瞬間に皆が腰を浮かすような素晴らしい打球。


筒香嘉智のホームランは我々ベイスターズファン全員の夢なのだ。




その後、石田裕太郎はストレート主体のピッチングに切り替えて立ち直り、4回から6回までヒットはわずかに一本、その間だけでも三振を6個奪う快投を見せてくれた。


ベイスターズ打線は6回にも、戸柱恭孝の1ヶ月ぶりのヒットから林琢真のフェンス直撃のツーベースで一死二、三塁とし、石田裕太郎のファーストゴロの間に1点(これで石田投手は今日2打点の活躍)。


さらに、桑原将志と筒香嘉智のタイムリーでもう2点を追加した。


7回に宮城滝汰が板山選手にライトオーバーのスリーベースを打たれ、1点を返されたが、8回は森原康平、9回はローワン・ウィックはいずれも完璧に抑えて7-4で勝利。


3勝目を挙げた石田裕太郎は、6回、103球、被安打7、奪三振10(自身初の二桁奪三振)、四球0、失点3の内容だった。



これで8月12日のヤクルト戦から5試合連続でQSを達成したことになる。


今日の3回のように連打を浴びることがなくなれば、ローテーション投手のポジションを確固たるものとして、二桁勝利も狙えるピッチャーだと思うので、今日の試合で見えた課題に取り組んでさらに上を目指して欲しい。


これでチームは6連勝、貯金3で3位ジャイアンツとのゲーム差を2に広げた。


明日からは甲子園で今季最後のタイガース戦に臨む。


タイガースはCSに向けて再び状態を上げつつあるので、決して楽な闘いではないと思うが、高い集中力を保ち、一戦必勝の心構えでプレイして欲しい。


明日の先発はアンドレ・ジャクソンだ。


がんばれジャクソン、負けんなよ。