復活までのそれぞれの道(1) ローテーション入りを目指して:平良拳太郎の場合
10月24日
激戦の続く日本シリーズも今日は移動日のためお休み。
ベイスターズの1軍メンバーは横須賀の練習施設(DOCK)で秋季練習に励んでおり、SNS等を見る限り、個別のトレーニングや課題克服のための練習に取り組んでいるようだ。
三浦監督からも、この時期はチームというよりは各選手が自分の課題と向き合ってレベルアップに努めるようにして欲しいという指示があったとのこと。
選手とコーチの個別面談でスキルアップのための課題や取り組みについて相談しつつ進めているようだ。
大変結構。
一方、宮崎で行われてるファーム中心のフェニックスリーグでは、どうもベイスターズ2軍がなかなか勝てず、小園や坂本などの期待の若手の炎上と得点圏でもう一本がでない打線で苦戦しているらしい。
このリーグ戦の序盤で好調だった勝又選手もこのところ当たりが止まっているようだが、こちらは調子の波ということであまり気にしなくても良いように思う。
そして、プロ入り初失点し本塁打も被弾した小園投手も何かテーマがあっての試行錯誤であり、リスクを取ることのできるフェニックスリーグだからこその炎上と信じたい。
こうした状況で、昨日はトミージョン手術から復活を目指す平良拳太郎投手がオリックス戦で好投したというニュースがあった。
故障からの復帰を目指すベイスターズの期待の選手たちの故障からの復帰に向けた現在地点についてまとめてみたいと考えているが、今日はまず平良投手について書いてみよう。
【平良投手のこれまで】
平良投手は2017年に山口俊投手がFAでジャイアンツに移籍した際の人的補償としてベイスターズに入団した。
この時点で既にプロスペクトと言って良い存在だったが、その才能が進化を発揮し始めたのはベイスターズに入団してからだと思う。
2軍投手コーチの大家さんの指導もあったのだろうか?
右のサイドスローから内外角低めのコースに投げ分ける140キロ台中盤のストレートとシンカー、カットボールと2種類のスライダー(浮き上がるボールと落ちるボール)を精度良く投げ込むピッチングスタイルはここ数年で確立しつつある。
特に、ストレート、シンカー、カットボールが俗に言うピッチトンネルを構成して、バッターからするとホームの手前に来るまで左右どちらに曲がるかあるいは曲がらないかが判断できないため非常に打ちづらい。
シンカーやカットボールを引っ掛けて凡ゴロになるか予想外のストレートに振り遅れて三振と言う抑え方が彼の真骨頂だ。
才能の開花が誰の目にも明らかになりつつあった2021年春に右肘の違和感を訴え、同年6月にトミージョン手術を受けた。
そこから長く苦しいリハビリが続いたが、その間、仲の良い先輩である今永昇太の送った1年分の日めくりカレンダーが彼を支えた。最後の一枚には「平良は1日にしてならず」というメッセージが書かれていたことは有名な話だ。
【2023年開幕からのローテーション入りを目指して】
その平良投手は今シーズンの終盤にイースタンで復帰し、次のような成績を収めた。
試合数4(うち先発3)
15登板回
被安打11、被打率 .196
被本塁打2
与四球2(死球なし)
奪三振20、奪三振率12.00(一試合(9イニング)あたりに奪う三振数の平均値)
K/BB 10.00(四球一つを与える間の奪三振の数)
WHIP 0.87(1イニングに許す走者の平均値)
防御率 4.80は彼にしては高いが、ホームランによる効率的な失点もあったかと思う。
私もインターネット配信で復帰後の彼の投球を見る機会が何度かあったが、コーナーにびたびたに決まるボールはまさに彼らしいものだった。非常に高い奪三振率とK/BBも当然だと思う。
そして、昨日のフェニックスリーグでの試合。
5回1/3、76球
奪三振3、与四球0
被安打4
1失点
インターネット配信がなかったため画面では見ていないが、現地観戦の方の書き込み等によると、左右のコーナーに投げ分けるコントロールは健在だったとのこと。
奪三振率は高くないが、WHIPは0.75であり安定した投球だったことが窺われる。
そして、私が注目したのは、投球数が76まで伸びてきたことである。
今月末まで続くフェニックスリーグで平良投手の登板機会がもう一度あるかも知れない。そして、その時、80〜100球程度を投げることができれば、本人にとっても安心材料になるだろう。
きっと、来年は前半からローテーションの一角としてやれる、という自信を掴むことができるだろう。
この自信を胸に充実したオフと来年早々からの自主トレそして一軍キャンプ参加に続いてオープン戦で彼本来の投球を見せてくれレバ開幕ローテーション入りも見えてくる。
私は平良投手のピッチングが好きだ。
あのダイナミックな体重移動とそれでいて頭の位置は全くブレない滑らかなフォームから両コーナー低めにキレの良い速球と変化球を集め、ゴロを量産する日は間近に迫っていることを感じる。
頑張れ、平良健太郎。
平良は1日にして成らず。
しかし、400日以上をかけて新しい平良が完成しつつある。あともう少しだ
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