逆転負けの中で見えた収穫
3回までタイガース打線を完璧に抑えていたハマちゃんだったが、2巡目につかまった。
2-0とリードして迎えた4回裏。先頭の1番近本から4番大山までの4連打で1失点。
近本選手の盗塁企図がアウトになっていなければ最小失点では済まなかっただろう。
さらに、6回裏には四球で出塁した近本選手を二塁において3番森下選手がハマちゃんのチェンジアップを完璧に捉えてレフトスタンドへ特大の逆転ツーランホームラン。
ハマちゃんはランナーが出るとどうもストレートとチェンジアップ頼みの単調な投球になってしまう傾向はあるが、この時も4球続けたチェンジアップが真ん中に入ったところを狙い打たれた。
結局これが決勝点となったが、8回にもローワン・ウィックが近本にソロホームランを浴び、さらに佐藤輝明のタイムリーで失点して2-5となったところで完全にダメを押された形。
その直前、8回表に先頭打者として安打で出塁した関根大気がバントでセカンドに進んだところで牽制死したことで流れが変わったという見立てをする人が多く、ネット上では関根選手に対する批判が渦巻いているようだ。
確かに、焦る必要はなかった。しかし、犯人探しがこのブログの趣旨ではないので掘り下げるのはやめておこう。
関根、次頑張れよ。応援しているぞ!
このシーン、コントの一場面のようにも見える。
悔しい、もしくはガッカリしたという印象の強い今日の逆転負けだったが、収穫もいくつかあった。
笑う門には福来たる、とやら言うではないか。
今日の試合のポジティブな部分をまとめ、ニコニコしながらこの記事を終えることで明日の勝利を呼び寄せよう。
【タイラー・オースティンの一発は大活躍の前触れだ】
初回一死走者なしで打席に立ったタイラー・オースティンに対してタイガース先発の伊藤投手はやや投げにくそうにしているように見えた。
警戒して少し慎重になっていたのかも知れない。
2-0となって3球目。慎重になり過ぎた投球の後には、往々にして反作用が出るものだ。
ストライクをとりに行ったストレートが高めに甘く入った。伊藤投手にしては珍しい失投だ。
そして今日のオースティン選手はこの失投を逃さなかった。
ボールを潰さんばかりに強振すると打球は高く上がりレフトスタンド中段に飛び込む大きな先制ホームランとなった。
本人も「バッティングカウントだったので甘いところに来たら一発で仕留めるつもりだった」と語っていたが、その言葉通りに決めてくれた。
一昨年の8月30日以来の公式戦でのホームランは記念すべき来日50号でもあった。
ここまで3本のツーベースを打っており調子は悪くないと思っていたが、やはりこの人にはホームランがよく似合う。
元々バレル率の極めて高いバッターなので、打球に角度がつくようになってくれたことで、ここから一定のペースでホームランを打ち続けてくれることだろう。
4月3日終了時 打率 .304、 二塁打3、本塁打1、打点2、OPS .870
【石上泰輝がショートのレギュラーを掴む姿がはっきりと見えた】
石上選手の守備はプロの遊撃手として決して見劣りしないレベルになってきているように私は感じる。
ゴロで外野に達するヒットでもVTRを確認すると、三遊間のサード寄りからセカンドベース上までわずかに及ばないものの背番号44が必死に飛びついている姿が映し出されているのだ。
そして、かなりの強肩であるとともに捕球してからスローイングまでが速く、送球も概ね安定している。
50m5秒9の俊足に加えて走塁のセンスも良い。
さらに、彼は「打てる」のである。
1点リードで迎えた2回表ツーアウト。ヒットで出塁した関根をセカンドに置いて、2-1から外角高めに浮いた伊藤将司のカットボールを逆らわずに左方向に打ち返すタイムリーヒット。
もはや石上選手が打っても新人なのにといった意外な印象は全くしない。
こう言うバッターが8番に居てくれると心強い。ハマの木浪とでも呼んでおこうか(でも、やっぱりライバルチームなのでやめておこう)。
ちょっとだけ残念だったのは、このタイムリーの直後、レフトからの送球をサードの佐藤輝明がカットしているにもかかわらずセカンドを狙ってアウトとなったこと。
次のバッターが投手のハマちゃんだっただけに、ここは自重して次の回をトップバッターの度会隆輝から始めたかった。
しかし、今の彼は日々勉強中なのだと思う。この調子でショートスタメンの座にしがみつき試合に出続けていけば、押しも押されもしない正遊撃手に育って行くことだろう。
三浦監督には、是非、ある程度不調の時でも我慢して使い続けてほしい。
4月3日終了時 打率 .278、 打点2、OPS .556
【二人の若きリリーバーがブルペンを活性化する】
6回裏にハマちゃんが森下選手に逆転ツーランを浴びて降板した後、一死走者なしでマウンドに上がったのは、入団3年目にして急成長曲線を描き始めた徳山壮磨投手。
4番大山、5番佐藤輝明を簡単に外野フライに打ちとり追加点を許さなかった。
回跨ぎでマウンドに上がった7回も梅野選手への四球は一つあったものの、他の選手には安打を許さず、1回2/3をわずか15球で切り抜ける見事な火消しぶり。
ストレートは常時150km/hを上回り、マウンドでの立居振る舞いも危なげなかった。
大卒ドラフト2位で即戦力となることを期待されつつ全く結果に出なかった2年間で早大時代よりも数段レベルの高いピッチャーに変身したようだ。
男子三日会わざれば、刮目して見よ、と言うことか。
そしてもう一人。
ドラフト2位の新人松本凌人投手もローワン・ウィックが2失点した後の8回裏一死一、二塁のピンチでノイジーを外野フライ、梅野を三振に打ちとって見事に後続を絶った。
右サイドであることに加え、タイミングも独特の変則フォームでありながらホームベース上で強さのあるストレートと制球の良いカットボール、シンカーはバッターにとってやり難い相手だろう。
昨日の試合から伊勢大夢、ウェンデルケン、ウィックといったリリーバーたちが失点する中でこの二人の若い投手の好投がさらに際立って見える。
このままブルペンでの序列を上げて行き、シーズン後半には勝ちパターンの一角を占める姿が目に浮かぶようだ。
こうして書いているうちに随分明るい気分になってきた。
大丈夫。明日はきっと勝ってくれるさ。
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